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「敬老の日」

この日を前に渋谷区から敬老のお祝いが届いた。75歳以上に贈られる由であるが、我が家では夫婦二人が頂き、恐縮してしまう。これを頂くと矢張り老人になったの感を深くする。
  8月の末に日本私大連盟主催で大学監事会議が京都の宝ヶ池プリンスホテルで3日間にわたって開催され、私は青山学院監事として出席した。今年で3年目であったから、緊張することもなく出席したのだが、初日の夜の懇親会が始まるとき、事務局の方から「乾杯の音頭は参加者の最年長にお願いしているのでよろしく」と告げられた。3年目で私は最年長になっていたのである。予想もしていなかったから、この時は正直驚いた。
  80歳になろうとしているこの年齢は、このようなグループでは最年長なのである。このポストを若い後任者に回さなくてはならないという気持ちを持った反面、この年齢になるまで勤めさせて頂いた、周囲の方たちに、心から感謝しなければならないとも考えた。
  敬老の日のテレビには、90歳、100歳の顔が映る。そして言われることは「今まで生きてこられた感謝と、これからも一日で長く生きること」であった。それを見てまだ80歳で老け込むことは許されないのかと考えてしまった。今年の敬老の日は暑く、真夏を思わせる晴天であった。
(2003.09.15)