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80歳になった日

 今年の3月17日、私の誕生日は丁度ロータリーの例会の日で、席上で会長から傘寿のお祝いを頂戴した。いよいよ80歳と思うと矢張り感無量であった。会員の方たちから「お若い」などの声を掛けられてテレたけれど、80年も生きてきたとは自分でも信じられないし、今までしてきたことや、病気のこととか、何故今まで生きてこられたのか、いろいろなことが頭を巡っていた。

 一番考えたことはあと何年ぐらい生きているだろうかであるが、こればかりは判らない、予てから考えていた通り、私を必要として下さる方のために、これからも努めたいと思っている。歳を重ねているから時代遅れであり、どのくらいお役に立てるかは判らないが、80年の経験を生かせればと思う。これで私は名実ともに長老の仲間入りをしたとの思いを持つことも大切であろう。

 その夜、子供たちが誕生祝いのケーキを届けてくれた。孫も加えて一緒に頂戴したが、その時誰からも「80歳だね」という言葉を聞くことはなかった。その言葉が年寄りになったね、に通じるからだろうか。
(2004,3.17.)