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これからの私

(老化と戦う)  
 今年3月の高齢者定期検診で、前立腺に異常がみられるので精密検査を受けるようにいわれ、紹介された病院で検査を受けた。その結果ガンの宣告を受けたが、高齢者なので手術はしないと言われたけれど、制癌剤なのか錠剤が処方された。しかし服用すると私には副作用がひどいように感じられたので、医師に断って服用を止めた。ということでこのガンに対する治療は月に1度の注射だけになった。それでよいのなら、結構である。  このことを同年齢の仲間に話すと、それでいいのだ、と言う方が多い。皆んなそうだったのだと、私はそれで納得した。しかし二度目のガンだから正直心中は穏やかではないのだが、何かの会合に顔を出したとき「お元気ですね」と声を掛けて頂くと、そのように見て下さる方がたには感謝する。それは私への励ましの言葉と受け取り、新しいガンの心配よりも、身体の老化の方にこれからは留意しなければならないと気付いた。  

(判らないことも幸せ)
 東京に再びオリンピックをと石原さんは旗を振っておられるが、考えてみると10年先の話。それまで生きていれば92歳になる計算だから、こんな話は自分には関係ないこと、と簡単に割り切ってしまう。平たく言えばあと10年生き続ける可能性を否定しているのであるが、しかしそれで私自身が深刻になることはない。  自分の人生の終わりがそう遠くないことは判っているのに、それが何時なのか,どのようなことで、どのようなところでなどは全く判っていない。判らないから明日を今までのように迎えることが出来るので、考え方によっては「判らないことだらけ」が幸せなのである。

(校友会に残した会)
  17日に青学会館で校友会「青山会ネットワーク」の第13回総会が行われ、ご招待を頂いた。この会は各企業にある青山会の集合体で、私が副会長のときに、田中君、田島君の尽力で誕生したのだが、それが何時の間にか誕生の功労者、つまり生みの親としてお招きを頂いたのである。大変光栄のことであり、この日も井原会長がご挨拶の中で、私を創立の功労者としてご披露して下さった。長生きをしていると、このような喜びに巡り合うこともある。この日も100人以上の参加者があり、校友会の登録団体として最右翼の会になっている。これからの益々の発展を心から祈った。私が校友会活動の中で残したこの会が評価されたことはこれからも忘れない。

(学院監事を見守る)
 松沢新理事長が傍目からみても真剣に勤められている姿は頼もしいが、まだ私には一抹の不安が除けない。それは企業と学校の経営の基本的な違いをどこまで把握されたか、賢明理事長であるから、杞憂であれば幸いだが、それは大学の教授も初等部の教諭も、学院から給料を貰っている、企業ならばこのことだけで従業員だが、この人たちに理事長が人事権を行使することは余程のことがない限り、困難なのである。それに大学に例をとれば教授会の賛否は、問題によっては理事会もその意向を無視することができないことが起きる。別項で書いた「監事会議」では教学関係の問題も監事の業務監査の対象になることで一致した。けれど、果たして青山を含めた各校で、それが本当に実施できるのか、私学法の改正もあったから、注目されることであろう。青山学院はではどうするのか、これは理事長の判断に待つ他はないが、手遅れにならないことを望みたい。  

(ロータリーの長老)
  ロータリーでは最早何となく長老の存在、とかくそうなると役員とか委員長のポストが回ってこなくなるが、幸い芝クラブでは長老と言われながら、ポストは回ってくる。現在唯1人のチャーターメンバーである河村氏が、次年度の理事に選ばれた。また私も別項でも記した通り、いま地区千代田グループの研修リーダーに選ばれている。この為だけではないけれどクラブには「年寄り集団」がない。現在私は会員の中では6番目の年長者、会員歴は3番目であるから、長老と呼ばれても抵抗はないが、執行部には私の出来ることは、これからも回して欲しいとお願いする。何となく毎週例会に行くより、どれだけ生き甲斐になるか、私は会員の皆さんから親しくもされない、期待もされない時がきたら、黙って退会させて頂く。  

(校友会が進める道)
 現在の校友会には何となく不満を感じている。しかし最早私の力ではどうにもならない。その一番の不満は学院と校友会の一体化が図られていないことである。これで安藤会長が退任されたら誰がその後を継ぐのか。現在の法人理事の中には適当の方は見当たらない。と言って高齢化してきた校友が多くなる中で、役員の若返りにばかりに走るのは如何なものか。80歳はご遠慮願うとしても、その指導力、信頼感などを考慮して会長は選ばれるべきと思う。

 私もそうであったが、会長、副会長そして校友会理事は学院からの推薦によって選ばれていた。そのために学院と校友会は一体化していたと思う。いまは財政面も管理面も学院の世話になっているのに、人事面だけは校友会が握ってしまっている。これは公益法人が任意団体になったこととは無関係で、学院が校友会の管理費を負担したのは、校友会の財務を豊かにする好意であった筈である。これらの校友会の問題は学院主導で解決されなければならない。理事長に直属する校友会専任理事を期限つきでもよいから置き、校友会を学院の強力な後援団体に育て上げて上げて欲しい。、

 学院は校友会を強くし、協力を求めて一体化を図る。勿論校友会はこれに応える施策を積極的に進める。  そこで提案、以前は校友会の会長は概ね法人の理事か監事で、現在も安藤会長は理事である。いま安藤氏の会長退任が取り沙汰されているようで、その後任には原進君と聞く。彼は私の後の体育会OB連合会の会長だったから、よく知っているが、彼は法人の評議員なのだろうか。ならば問題はないが、もしそうでなかったら、是非原会長が生まれたら、彼を評議員にして欲しい。「理事長指名の特別枠」をつくって、校友会長を職務上の評議員にする。学院と校友会の一体化を図るためにも、是非この措置を実現して頂きたいと願う。
(2006.11.29)