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米国兵の虐待問題

イラク駐留米軍による被拘束者虐待問題で、ブッシュ大統領がやっと謝罪した。これまでは米軍の一部の者の行為であるとか、嫌悪感を持つとか言っていたのだから大きく変わった。これが当たり前のことだと思うのだが、それにしても遅すぎた。

 イラクの統治について米国は行き詰まってきたと見ていたが、これで益々困難なことになるのだろう。先に国連による管理とすることを安保理で決めたけれど、しかしそれで米兵が撤退するわけではないし、反対に米国はニュースによると派兵の数を増やすための予算措置を取るとのこと、国連には軍備がないのだから、何処かの国の軍隊がそれを担当することになるが、それを担当すした国はその費用を負担しなければならない。従って自ずから派兵する国には限界があり、ロシアのように担当しないと言えば、それを強制する力は国連にはない。となると国連管理になっても米国中心になり、それでは今までと変わらないのではないかとの疑問を持つ。この虐待問題の報道がイラク国内に流れて、その治安がまた悪くなっている。イラク国民は「フセインの時代と少しも変わらない、これが米国の民主主義か」と叫んでいると言う。国連は、米国と手を切ることは出来ないし、米軍が主力になれば治安の回復は遅れる、その板挟みならないだろうか。

 6月末までにイラク国民による統治機構の樹立を目指しているが、この国には宗教による対立があるようで、(この点については私はよく理解できない)果たして国連が関与して筋書き通りに進むのかどうか、これを世界は注目することであろう。しかしその元を質していけば、米国がテロの撲滅を標榜し、国連の決議もない侭にフセインを攻めたことに始まっている。その尻拭いを国連にというのは可笑しい、ブッシュはイラクに謝罪するとともに世界の国々にも頭を下げるべきなのである。

 イラク兵俘虜の虐待でブッシュは国際的な評価を落とし、小泉さんも困っているのではないか。それより今度の大統領選挙をご本人は一番気にしていることだろう。イラクの問題は当分目を話せないし、その動き如何によっては自衛隊の撤退もありうるも知れない。

(2004.5.7.)

 米国のラムズフェルド国防長官の進退が米国内で言われている。俘虜虐待の責任を取れということなのだが、この長官は頑張っているし、大統領も長官を支持している。この俘虜虐待は米国の各新聞に写真入りで報道されているのだから、世論が強くなるのは当然である。虐待は情報を得るためと言われるけれど、唯それだけなのだろうか。これは本当に徹底的に調査して欲しい。女性の上等兵が軍法会議で裁かれる由であるが、既にそこまでする情報があり、調査が進んでいるのだろうか。ならばこの虐待は大分以前から行われていたと思う。

 4月に米兵は130人がイラクで亡くなっているとう。これは1ヶ月では最高の数字という。つまり双方の闘いは激しくなっているのである。これも俘虜虐待のツケではないのか。

(2004.5.9.)

英国軍もイラク人に虐待行為をしていたとして、ブレア首相が謝罪した。これはどう考えたらよいのだろうか。今までは米軍だけの判断で行われていたと思っていたのが、そうでなかったことになる。英米はまったく一体なのだろうか。

 これでイラク人は米国憎しに英国も憎しにならないか、それが世界憎しに繋がることはないか。これは私の思い過ごしであれば幸いだが、彼等は世界に向けてテロ活動をし兼ねない。私はそれを恐れる。

(2004.5.11.)