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イチロー偉業を達成

10月2日、米国メジャーリーグでのこと、シァトル・マリナーズに所属しているイチローが、昨日までにシーズン安打数の新記録にあと1本に迫ったことを知った。
その記録は1920年シスラー選手によってつくられた257本、もしそれが破られたら84年ぶりの快挙と聞いて驚いた。というのは私が生まれる前に作られた記録だからである。それが今まで破られなかった、それだけでもこれが大変な記録であることが判る。それにあと1本、しかも試合数がまだ3ゲーム残っているのである。    
 イチローはやってくれるかも知れないとの期待感が私にも生まれ、滅多に見ることのないNHKの衛星放送にこの日チャンネルを合わせた。試合はマリナーズのホームグランド、相手チームはレンジャーズ、1回表の相手側の攻撃は簡単に終わり、マリナーズの攻撃に入り1番のイチローが打席に入った。これだけ周囲に騒がれている中だから、緊張もしているだろうし、また早くこの場から逃れたいとも思っているだろう、などと余計な心配をしていたら、なんと見事にレフ前に球を運んだではないか。思わず声を呑んだ。257本に並んだのである。
しかもこの日その後に2本の安打を打って、合計259本という新記録を打ち立てた。日本のプロ野球から米国メジャーリーグに飛び込んで4年目、イチローは素晴らしい選手だとは思っていたが、日本人によるメジャーでの新記録、それも84年ぶりになし遂げたとは驚きの他はなく、心から拍手を贈りたい。まだ2試合残っているから、最終の記録は何本になるのだろうか。イチローという名が永久にメジャーの残ることだけでも喜ばしい。

 イチローの姓はスズキ、私と同姓なのであるが、彼はこのスズキ姓が嫌だったのかどうか判らないが、選手としての登録名をイチローにした。その「イチロー」がいまや世界のイチローになった。
(2004.10.2.)

 10月4日の朝のテレビで、シーズンの最終戦で2本の安打を打って262本で終わったと報じられた。84年前の記録を5本上回った。さて今度は誰がこの記録を破るのか、それは何年先のことなのか、それが破られるまで米国の球界にイチローの名前は語り継がれていくのである。それを快挙と言わずになんと言うのだのだろうか。
よくやった。もう一度私は心を込めて拍手を大声を上げて贈る。
(2004.10.4.)