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イスラエルとパレスチナ

イラクの次に気になる問題はイスラエル情勢、シャロンとアラファトとの対立はこれからも続き、その激しさも大きくなるのではないか。米国はイスラエルを是とし、「イスラエルには自国を防衛する権利がある」と言い、テロとの闘いと理解しているようだ。よく見ると、ブッシュはイラクを力で抑え、シャロンもパレスチナをこれも力で、とよく似ている。これに対しアナン国連事務総長は、ハマスの指導者ランティシ氏の殺害は「国際法違反であり、イスラエルにこのような行動の即時中止を求める」との談話を発表した。ここにもブッシュとアナンとの意見の違いを見ることが出来る。

スペインがイラクからの撤兵を決めた。その理由はイラクの国連管理の実現は見込みがないことを挙げている。しかもこの撤兵に同調する国はタイ、ニュージランドなど数ヶ国あり、これは各国がブッシュの力による統治に疑問を持ちはじめたと言える。しかしブッシュはシャロンの立場を後押しをしたが、これはアラブ諸国の反発を買うことはないか。ランティシ氏の殺害は偶発的なものでなく、明らかに狙ったもの、私はこの行為こそがテロそのものであると思うのだが、それを米国つまりブッシュは、自衛のためとのことで容認している。

闘いの無い世界を求めている時代に、米国が世界に冠たる国と自負するなら、米兵が毎日10人もイラクで失われている現実を、冷静に考えて欲しい。

(2004.4.19.)

 シャロンがアラファトの抹殺を、と言ったとか。もうこれは奢りの言葉としか思えないが、その裏にはブッシュの影がある。これが実現したらまた新しい闘いが起こることになるが、流石に国連事務総長も米国の国務長官もシャロンに警告を発した。泥沼の闘いはイスラエルにもパレスチナにも何ら得るものはないからである。

シャロンは世界を相手に戦う積もりはないだろうが、アラファトに対する敵意は相当のものと思われる。中東でのこの問題を中東諸国で解決出来ないのか。

(2004.4.25.)

イスラエルのシャロン首相が与党「リクード」の信任投票に敗れた。これはガザ地区をはじめとする4ヶ所の入植地を撤去するというシャロンの計画に対してのもので、、パレスチナ市民を隔離しようとする分離政策が、否認されたことになる。与党の信任投票で負けたのだから、シャロンは首相の地位を去ると言うのかと思ったら、そんな素振りはなくその地位に留まると言い、国民投票も辞さないとまで話している。何のための投票だったのか判らなくなったけれど、シャロンが頑張っている限り闘いは続くのだろう。これもつい先日ブッシュが訪米したシャロンに、彼の考えを支持したからではないか。となればこの大統領はとんだ罪づくりの人と言える。もっともシャロンがイスラエル国民の意見よりも、米国大統領の考えを大切にしていることが判らない。

石油資源の豊富な中東地区で、イラクとイスラエルで絶え間のない闘いが続いているのに、その何れにもブッシュが関係している。本来ならば世界一の軍事力を持つ米国はその仲裁役であるべき筈なのに、その片鱗も見えないことは情けないとしか言いようがない。

(2004.5.3.)