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深くお詫びいたします

この言葉を何人の人が報道人の前で伝え、深く頭を下げたでしょうか。国会議員、官僚、警察幹部、病院責任者、学校の役員と教師、そして情報管理会社、はこんな光景が当たり前になってきている。頭を下げて問題が解決するわけでもなし、許されることでもないのだが、これは私だけの見方かもしれないが、マスコミに嗅ぎつかれる前に、世間にお詫びしておくとの気持ちがあるのではないか。罪は同じでも自ら発表する、つまり自白した方が世間から評価されるとの思いがあるのではないか。

頭を下げることは、自分に責任があります、と言っていることと同じ筈だから、流石に政治家はその職を辞めざるを得ないであろうが、一部を除いては頭を下げて終わりとの感を拭えない。マスコミもこの儀式(?)が終わると済んでしまったと思うらしい。トリインフレンザで自殺されたご夫婦が何か立派に見えてしまう。

このような事件は時間が解決するという。半年もたつとそんなことがあったのか、の話になるものなのだ。例えば回転扉も安全対策も業者の責任で解決されるべきで、俄かに官庁が口を挟むのは可笑しい話、一番その装置について知っているのは業者である。恐らく業者はあらゆる角度から安全を考え改良していくに違いない。恐らくこのメーカーの社長は頭を下げただけでその地位を降りることはないだろう。

(2004.4.6.)

 会社名を挙げることは憚れるのだが、何か余りにこの「お詫びします」が多くて、情けなくなるのだが、欠陥を隠した三菱のトラックと乗用車、丸石自転車、セクハラを起こした警察、医療ミスの慈恵医大病院、個人情報を流してたYAHOO、阪急交通社、コスも石油、不正に滞在している外国人を雇っていたキューピーマヨネーズ、まだここに挙げたところは謝罪しているが、歯科医師団体の贈賄、BSEで偽った牛肉を買い上げさせた大阪の業者、これには我々の税金が使われている。何故このような事件があらゆる分野で起こるのか、日本人が信用出来なくなる。

(2004.6.8.)

6月29日に多くの株主総会が開かれたが、ここでも三菱自動車、カネボウ、近畿日本鉄道などでは、業績不振などで頭をさげた。しかしこの総会とは関係ないのだが、刑務所、警察が頭を下げている。刑務所は囚人に対して誤った薬を配ったこと、警察は報奨金を本人に渡さずこれをプールし飲み食いなどに使っていたこと、彼等は公僕である。会社の社員が自分たちの稼いだお金の一部を飲み食いに流用したのとは、全くわけが違う。公共団体の監査が甘いためか、このような事件が報道されると、もう数年に渡って行われているとある。このお金は税金だし、もう絶対に戻って来ない、しかもこれは公僕だけしか起こせない問題なのである。その責任者に頭を下げられても何にもならないし、それで責任者の責任が終わっては困る。

公僕も立派な職業である。社員は自分のしている仕事が会社のためになるのか、どうかを絶えず考える責任を持っている。公僕も国のためになるのかどうか、考えて貰わなければならない。しかも役人に対して国民は無条件といってよい程の信頼感を持っている。高木の責任者がマスコミの前で頭を下げることは、絶対にあってはならないこと。その問題を起こした警察署長、刑務所長は責任をとって辞任すべきである。

(2004.6.30.)