C 16

小泉内閣改造

 9月27日に小泉さんは一挙に党三役と内閣改造をやってのけた。以前ならばこの日には首相官邸前にテント村がつくられて、三役と内閣の交代には幾日か要し、その間に新聞やテレビが予想を流すのだが、そんな暇は全く無くなった。小泉さんが9時半ころ官邸に入り午後3時ころには、新大臣が決まるという有様、これを小泉流というらしいが党の総裁としてこれで本当にいいのであろうか。

 郵政民営化に向けて、なりふり構わず押し切った感じで、自民党内には「郵政民営化はこれでよいのか」との意見があるのを無視してしまった。これから党内に何人かの小泉手法に反対が起こり、それに野党が相乗りすればこの法案は国会で成立しないことになる。まだ時間はあるから何とも言えないけれど、この小泉手法に国民が不快感を持てば、当然支持率は低下するだろう。

 今度の閣僚選任について小泉さんは郵政民営化を踏絵にしたと言われるが、新閣僚の就任に当たっての記者会見で、全員に意地の悪い質問「貴方は郵政民営化に賛成ですか」について、誰も反対という人はいなかった。指名を受けた直後の記者会見でそれを言える人はいないというより、小泉さんは反対の人は選ばなかったと言う方が正しいかも知れない。私は郵政民営化を進めるべきと思えるほどの説明を聞いていない。国民不在の改革は許すことは出来ない、の考えである。

 もう一つは18人もの大臣は果たして必要なのか、一つの例であるが、財務大臣の他に何故、経済財政、金融担当という二人の担当大臣がいるのであろうか。経済産業大臣もいるのである。昔の大蔵大臣は財政も金融も担当していた筈、まだある、産業再生担当大臣、食品安全担当大臣、何か大臣の数をふやすことを小泉さんは考えているのだろうか。必要との理屈はいくらでもつけられるけれど納得はし難い。

 次ぎに今度は首相補佐官というポストをつくって、特命事項担当に山崎拓さん、外交担当に川口前外務大臣、これは将来に悪例を残すことにならないか。今度の人事には党内の反発が強いので、小泉さんは自分の味方を一人でも多くしたとの見方も出来ないこともない。補佐官とは米国の真似ごとであろうが、日本には馴染まないのではないか。小泉さんも少し米国離れを考えたらどうか。ここまで真似するとは思わなかった。
(2004.9.28.)