D 2

芝クラブを考える

 ロータリークラブは今度の規定の改定で大きく変わろうとしている。しかしその内容は、職業分類がなくなり、地域もなく、出席率を向上させるための措置が採用されて、例会への出席が軽視される傾向さえ見える。これではロータリーとは言えなくなるし、またロータリアンとしてのステイタスを捨ててしまった印象さえ持つ。これは私の見方であるかも知れないが、この改定で私がロータリーそのものに魅力を失ったことは否定できない。
 これは私だけの感想かと思っていたら、同じような感慨を持っている会員が意外に多いことを知った。勿論古い会員であり、これらの方たちが今後退会されることはないか心配になる。これはロータリー全体の危機とも思えるし、芝クラブにとっても見逃せない問題である。

 何故RIがこのように規定を変えたのか、その詮索をしても意味はないが、芝クラブとして従来通りの考えで、活動していくことは許されないのであろうか。クラブの自主性があるのだから、理事会の判断で決めてよいとも思うし、そうあって欲しい。このようなことを言うのは、ロータリーの規定は変わったが、芝クラブは今までの姿で続けていきたいというのが、本音であるからである。
 芝クラブは35周年を昨年迎えた。このような歴史を経てくると、自然とクラブにはカラーが生まれ、それが伝統になっていく。伝統とは人が創るものであり、この点我々は過去の会員の方たちに感謝しなければならない。
 クラブの歴史とともに会長はじめ役員の年齢、経歴が若返るのは当然であり、そうでなくてはならないのだが、この結果多くのパスト会長が、クラブの中で活動する場を失っていることがある。これには勿体ないとの声が一部にはある。

 芝クラブの会員は3つのクラスに分けることが出来るという。即ちAはパスト会長などのクラス、Bはパスト幹事、会長候補クラス、Cは年齢、入会も若く、委員長として活躍しているクラス、幸いなことにこれら各クラスに芝は優れた人材を擁している。素晴らしいバランスが保たれている。
 ここで気付くことはこの中で、AクラスとCクラスの交流が少ないこと、年齢的にも同じ行動は出来ないけれど、話し合うことはできる。それも構えてするのではなく例会の席でよい、肝心なことはAクラスの方からCクラスに声を掛けること、クラブには班編成という慣例があり、どの班の炉辺会合もきっちり行われている。それも秩序正しくである。Aクラスの会員はこの機会を逃さず、積極的に出ること、そうすればCクラスの出席は向上する筈である。クラブの出席率の低下が話題になっているが、それは新しい会員の出席が悪いからと聞く。この人たちにとってクラブの例会が楽しくないのだとしたら、それは先輩の責任である。Aクラスの人たちにはそうした考えにたって努力して欲しいと願う。

 私が提案したいことは、Aクラスの方たちにはクラブのアドバイザーになって頂きたい、そして芝ロータリーでの今までの経験や知識を生かして頂きたいことである。Aクラスの人達も何れかの委員会に所属される筈だが、出来ればその副委員長になって、その委員会のアドバイザーとなってバックアップをし、クラブ全体の活動の調和を図ることをして頂きたいのでる。このことは会長、幹事が委員会編成に当たって是非取り上げて欲しいと願う。

 私は、おこがましいことは承知で、クラブの「何でも相談員」になりたいと思っている。会長からでも委員長からでも、青芝会の方でもいい、判らないこと、困ったことがあれば何でもお聞きするということである。しかし私が全てに精通しているわけではないから、何人かの方にご協力をお願いしなければならないが、芝クラブの更なる充実発展を目指すための、縁の下の力になればと思う。但しこの相談員が少しでも運用を誤ると、理事会などへの干渉になりかねない。従ってあくまでもアドバイザーに徹すること、そして最後の判断は、相談に来られたご本人であることを徹底しなくてはならない。そうでなければ私はアドバイスが出来なくなってしまう。

 ロータリーはどうなるのか、それが芝クラブにどのように響いてくるのか、それはまだ判らないけれど、私は「芝クラブ大好き人間」として奉仕をさせて頂きたいと願っている。正直どのくらいお役に立てるか、判らないけれど、Aクラスにも、Bクラスにも、Cクラスにも機会を作って頂いて気楽に話し合えるよう努めたい。
 既に創立35周年を過ぎ、それに女性会員問題もあり、クラブの一つの節目としてのときを迎えようとしている。いろいろ会員が考えるときでもあり、芝クラブの素晴らしさを示すときでもある。
 日本のロータリーの中心は東京であり、2750地区といわれるが、この地区の中心は千代田分区、そのまた中心が芝RCといま言われても不思議ではない。それを誇りに思い、また会員のご理解が頂ければ、このような形でやらせて頂きたいと願うのである。  30余年このクラブにお世話になったご恩返しになれば望外の喜びである。
(2003.09.01)