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中間法人

 ロータリークラブ、恐らく誰方もその名前くらいはご存知だと思う。米国シカゴで生まれ既に100年の歴史を持つ国際的な奉仕団体だが、その組織はクラブ一つ一つが独立しており、米国にあるRotaryInternational で統括されているけれど、その活動はそれぞれのクラブが考え、実行するのが基本になっている。但しロータリーのあるべき姿はRIできちんと決められており、それに則っていなければならない。クラブといっても千差万別で、まずクラブ構成の人数は300人近いのもあれば30人以下のもある、それに地域差、何年続いているか、クラブ財政も上から下まである。

 私がいま所属している芝ロータリークラブの歴史は38年、会員数は現在90名を超え、中堅的クラブとして評価されているが、昨年からクラブの持つ財産を法的に守るため、中間法人を設立しようとの話が起きて、検討する委員会が非公式であったがつくられ、委員長には石上副会長が指名された。

 これはどういうことかというと、難しくいえばクラブに法人格がないために、法律行為ができない、即ちクラブの名前で銀行預金もできなければ、事務所を借りるときにクラブ名で必要な賃貸契約も出来ないのである。ではどうしているかと言えば、会員の誰かの名前で口座をつくり、クラブの代表としての個人名で契約をしているのである。だから厳密にいうと、その会員に万一のことがあったら、その預金も、事務所の借用権も相続の対象になるかも知れないのである。

 クラブを永遠に続けていくためには、また名前を借りるという慣例を止めるために、私はこれは正しい意見と考えた。ところがクラブそのものを法人化するには、RIの認可が必要となるが、その見通しは全くないとが判った。また周りを見渡してみても、日本のロータリ−クラブで法人格を持っているとの話を聞いたことがないのだが、反対に現状でクラブの財産の保全に困ったことが起きた、という話も耳にしたことがない。

 そこで芝クラブの考えたことは、クラブ財産保全のための別法人をつくる、つまりクラブと法人の2階建てにしようとの案である。これは妙案ではあるけれど、私は果たしてそこまでして行う必要はあるのか、またこれによってクラブの運営が複雑になり、何んらかの障害が起こることはないか。これは絶対にあってはならない。芝クラブに少しでもマイナスになることは、してはならない。

 この法人か作られれば。会員全員が法人の社員になるのだから、会員全員の賛成が必要なのだが、私の知る限りでは到底それは無理、その理由は他クラブが、それも先輩のクラブがしていないことを、何故しようとするのか、という極めて単純な理由なのである。このような単純な理由による反対は一番強い。そのようなことで、私はこの法人設立は考えとしてはよく理解するけれど、現状では到底実現はしないとみている。
(2006.1.28)