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研修リーダー  

 この度、国際ロータリークラブ第2750地区千代田グループの、研修リーダーにとのお話があり、お引き受けした。この年齢になって今更との思いもあったが、ロータリーの皆様にお世話になっている限り、自分が出来ることでお役に立つなら、の気持ちでお引き受けした。この研修リーダーの構想は谷島ガバナーのお考えによるものと思うけれど、ロータリーのこれからを思えば大切なことであり、指導者、後継者を育成することを目指されたガバナーに先ず敬意を表したい。

 研修の管理運営は各グループのガバナー補佐を中心とするとあるが、これは基本的にはクラブの自主性に期待をされているものと思う。今までならばガバナーの方針なり目標が示されて、それを各クラブがどのように消化していくか、が求められてきた。しかしこの進め方はれは間違っているとは思わないけれど、現実としてはクラブの規模、歴史、それに構成されている会員などによって、不消化を起す危険が伴う。これをガバナーは予見されて、それぞれのクラブが自分たちの持てる力を、この後継者養成のプログラムに注いで欲しいとのお考えと思う。その結果各クラブのプログラムの内容は違っても、結果としてそのクラブに相応しい後継者が育てばそれでよい、とのお考えと理解した。  11月20日に行われた地区指導者育成セミナーで、研修リーダー加来氏(パストガバナー)は従来のRIの考え方に捉われずに、自由に研修プランを考えて欲しい、と再三述べられていたが、私は個人的にはこのお考えに賛成である。既に各クラブの運営・管理にはそれぞれの独自性があるので、その上に立って研修プランが作られるべきとのことであろう。しかしその底辺には奉仕の精神がなければならないことは、言うまでもない。

 私ども芝ロータリークラブは次年度で創立40周年を迎えるが、私が思うに、芝クラブの底辺に流れているのは「会員の親睦」、それは創立時の特別代表清瀬二郎氏が「このクラブは親睦を第一に、それが出来れば奉仕活動はいくらでもできる」と述べられた言葉を大切に守ってきたからだと思っている。

 芝クラブが誇れることの一つに「青芝会」がある。この会が生まれた動機は、新しく入った会員同士の親睦とロータリーの勉強にあるが、それも3年間でそのあと青芝会を卒業することになっている。この会も既に誕生から20年経過しておいて、現在は10数名の会員たちで活動されている。この会は発足当時の会員が自主的な考えでスタートされたため、今日でも青芝会の運営、管理は全く青芝会員の手によって行われ、そこには先輩会員も、また理事会もタッチしないことが、クラブの慣習になっている。

 現在この青芝会はクラブの諸活動の力になっている。一つの例であげれば、「みなと区民まつり」はその準備からその日の運営まで、その中心はこの青芝会会員である。社会奉仕委員会の事業に協力するという形だが、それが最早当然のように考えられている。そのようなことから青芝会が、クラブの中で浮いた存在になっていないことを、ここではっきり申し上げておく。ついでのことだがこの区民まつりには、会員夫人の会「華芝会」の協力も頂いている。

 もう一つこの青芝会があることで、新しい会員間の結束が生まれている。少しの例外はあるけれど新しく入った方たちの退会が少なく、そして例会へ出席率も千代田グループの中では上位を常に占めているが、これも間接的ながらこの会のお蔭であると思っている。  そのようなことで、芝クラブの後継者の育成は、まずこの青芝会の存在を中心として進めていきたい。

新会員には「芝クラブの会員であるのだから、まず自分のクラブのよき会員になるよう努めて欲しい」と願っている。そしてクラブのよき会員になれば、自ずとよきロータリアンになれる、というのが、これは私の独善的の考えかもしれないが、それを基本方針としてこれからの指導者を育成したいと思っている。  

 青芝会20年の歴史のお蔭で幹事は勿論、会長にも卒業生がなる時代になった。私の偏見かもしれないが、その会長、幹事には応援団がついているように思えるのである。何となく活気があるし、会長幹事のリーダーシップも冴えているようにさえ感ずる。これはクラブにとって幸いなことだから有難いのだが、これが将来の指導者育成に繋がってくれればもっと有難いのである。  幸いガバナーも研修リーダーも、自主的な考えによって研修成果を期待されている、と考えられているようなので、是非この私の研修方針にご理解を賜るようお願いしたい。青芝会のような組織を持つクラブは他にはないと承知しているが、そのような組織の有無よりも芝クラブから指導、育成のヒントを得て頂ければと思う。
(2006.10.23)