F12                             (No.129)

安藤校友会長への書簡

 この書簡は今年の2月に書いたものであるが、投函したものではない。校友会が社団法人から任意団体になることが決まり、4月から新しい再編スタートをしたが、それを記録としてHPに残すために、先輩として会長にお願いする書簡の形で書きとめたものである。率直に申して、校友の活動をもっと自由にすべきとの私の考えに沿った改革ではなかったが、安藤氏がとにかく大変な努力をされて、改革の第一歩を踏み出されたことには敬意を表したい。 11月から学院の理事長は羽坂氏から松沢氏に変わることが決まり、新理事長のお考えもあろうが、学院幹部と校友会幹部との懇談が頻繁に行われて、両者の一体化を望むのだが、しかし校友会幹部が何を考え、しようとしているのか、いまの私には全く判らない。学校経営が少子化に伴い次第に競争が厳しくなるとき、校友が挙って学院に協力することは、絶対に必要であると今でも確信している。  


安藤 孝四郎 様

 拝啓  
 新しい校友会則も理事会で承認され、あとは3月11日の評議員会、総会を残すのみとなり、予定通り4月1日には新校友会の発足となります。貴兄の大変なご尽力のお蔭で校友会は社団法人から任意団体になることになりました。長いことご苦労を頂きましたことに心から感謝を申し上げます、とともに大変ご苦労様でございました。  
 新会則を拝見し、率直に申して100%賛成と申し上げることはできませんが、今はとにかく新校友会をスタートさせることであり、改めるべきことがあれば、これからは校友会たけの判断で出来ますので、それに期待をいたしたいと考えます。  
 この新会則案は主な幹部に配布されていることから、実は私の許に幾つもの意見が寄せられてきました。その第一は学院と校友会の関係についてで、これで両者は一体になれるのか、でありました。任意団体になることで今後「両者は一つになれる」との期待があったから、この会則で大丈夫か、の考えによるものと思われます。校友会は学院に隷属すべきとは毛頭考えませんが、私は相互に理解を深め、信頼が無ければならないと思うのです。そのためには学院側の考えが反映できる道を作って置くべきですが、それがこの会則には見られないと思います。  
 第二は校友会の目的を達成するための事業を明確にしていないことでした。学院の要請があるときはその事業に全面的に協力する、この心は会則に是非欲しかったのです。少子化の時代に校友会が学院に協力することが、これからもっと出てくるでしょう。そうした要請に校友会は受け入れる姿勢が欲しかったのです。給付奨学金制度のことを検討されているようですが、これも130周年記念募金の一環ですが、校友会としてはこれを含めての募金推進を謳って欲しかったと思います。
 第三は卒業生の名簿の管理を校友センターに一元化すること、チャイムズの不着が毎号可なりの数に上っている実情は、学院の責任なのか、校友会の責任なのか、同窓会にも事情はありましょうが、これも校友会としては前向きに取り組まねばならぬことです。  
 まだ他にもありましょうが、青山学院の将来を考えて、両者は力を合わせて夫々の立場にたって努力することが大切と思います。
 先週、理事長に久武常務とともにお目に掛かり、率直に校友会について意見交換をいたしました。理事長は私が考えていた以上に校友会の動きや内情をよくご承知でした。そして「校友会との一体化は当然と考えている。今後は定例的に理事長を始めとする学院幹部と校友会幹部との自由な懇談の場をつくりたい」との話があり、これをその場で久武常務に指示されました。
 会長ほかの主要幹部の人選については、従来どおり理事長に予め相談があるだろうとのご見解でした。これはつまり一体感は理事長と会長が一体にまずならなければ、とのお考えと理解いたしました。前述しましたように校友会の内情には詳しく、「部会が廃止される」との話が流れそれにセカンダリーが反発した、と理解されているようです。募金については校友会に「募金推進委員会」を設けられることは、学内に担当部署もあることなので望ましい。委員会があれば校友に協力を要請できる、それが大切なこと、とのことでした。
 細かい問題は後日に譲るといたしまして、理事長に「この新会則による校友会をどのようにお考えになるのか」を伺ったところ「私は安藤会長を信頼する」とのお答えでした。素晴らしい一言で、私はこれを伺って、それ以上もう言うべきことはありませんでした。お二人に全てお任せする気持ちになりました。
 11日の総会には出席を予定いたしておりますが、当日の議案についてここに記しましたようなことは申し上げません。まずは新校友会の発足させ、そしてスターとしてみて不都合があれば運用で補うなり、必要なら会則の改定をして、これからの学院に相応しい校友会をつくっていくことに努めて頂きたいとお願い申し上げます。蔭ながら私に何かお手伝いすることがあれば、どうかお申し付けください。
 本来なれば、お目に掛かってお話いたすべきでしたが、この寒さのためでしょうか、葬式が相次ぎ心身ともに疲れてしまい、とりあえずお便り申し上げる次第で、失礼の段お許し賜りますようお願いいたします。
敬具
(2005.2)