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日本の叙情歌  

 この頃テレビで歌番組を見ることはなくなり、あのNHK紅白歌合戦を見なくなって何年になるだろうか。私は歌は嫌いでないし、ロータリークラブでは歌のグループに入って唄っている。なのに現在の歌番組には関心がない、これは一口に言えば今の若い人の歌には共感がもてなくなった、つまり歳をとったことでもある。この高齢化の時代にNHKまでが若者向けの番組が多いのは何故だろうか。  このような思いをしていたら、1月9日NHKの衛星テレビで「日本の叙情歌」が放送されたので、これに飛びついた。2時間で31曲が歌われたり、演奏されたりしたのだが、懐かしく聞きいってしまった。その曲を記しておく。 故郷、花、春の歌、荒城の月、茶摘み、雨、海、初恋(石川啄木作詞)、小さい秋、旅愁、冬景色、雪の降る町、四季の歌、牧場の朝、七つの子、証城寺の狸囃子、みかんの花が咲く頃、冬の星座(外国の曲)、桜、花の町、夏の思い出、小さな空、朧月夜、この道、砂山、待ちぼうけ、からたちの花、中国地方の子守り歌、ペチカ、赤とんぼ、何処かへ帰ろう。 嬉しかったのは青山学院地中学部での友中田喜直君の、小さい秋、雪の降る町、夏の思い出の三曲、団伊玖磨君の、花の街が入っていたことであった。なお、この道から赤とんぼまでの7曲は山田耕筰氏の作曲、流石である。 ところで、叙情とはどういうことか、観念的には判っている積もりであったが、辞書を引いてみたら、「自分の感情を述べること」とあった。つまり自分が感じたままに詩をつくり、曲をつくることのようだ。だから聞く者の心を打ち、残るのであろう。赤とんぼが現在でも人気No.1である由で、しかし現在の若い人たちに「十五でねいやは嫁にゆき」は判るだろうか。時代を感ずるのであるが、詩の意味よりもメロディが心に響くのだろう。久し振りに懐かしい歌、メロディを聞いていると2時間はあっという間であった。                            (2006.1.10)