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民主党はどうなる

 民主党の永田寿康が2月28日に「謝罪の記者会見」をしたが、申し訳ありませんでしたと深く頭を下げただけ、これが国民の理解を得るための会見であったのか。代表、幹事長は留任、永田は党員資格停止になっただけ、これでは議員手当は支払われるけれど、党としては思い切った処罰なのだろう。しかし我々には全くそうは思えない。さらにメールの信憑性を確認することが出来なかったので謝罪する、と言いながら、今後も調査を続けると明言したのだが、これが判らない、何か含みを残している印象で、どこまでもこの問題を追求する、受け取れる。これが本人の信念ならば、この謝罪は何であったのだろうか、その辺りがさっぱり理解出来ない。
 このメール問題はこれで終ったのではなく、これから始まると思う。衆議院では懲罰委員会が行われるし、私はまさかと思うけれど、武部幹事長の次男が名誉毀損で訴えることもあり得ると思っている。とにかく何ら裏付けのない情報をもって、その上個人名まで挙げて、予算委員会で論戦を展開したのだから、民主党のこのような決着には誰も納得は出来ないであろう。
(2006.2.28.)

 3月2日、民主党は「メールは本物でない」との声明をだした。そして武部自民党幹事長に謝罪もした。これは一体どういうことか、これまで永田、前原が予算委員会で、或いは記者会見で言ってきたことは何んであったのか、自民党を誹謗することにだけ終始していた流れからなのか。もしそうであるなら、最早民主党には全く期待できがないと言わざるを得ない。そして来年度の予算案が衆議院を通過したあと、永田の懲罰動議に民主党も賛成した。
 党声明を出したあとだから、反対できなかっただろうが、これは懲罰の内容に拘わらず、永田に議員辞職の道を選べと言っているようなものではないか。  
 私は民主党が「あのメールは偽ものでした。従って3000万円の授受はありませんた」という表現で何故謝らなかったのだろう。何となく歯切れの悪い声明であった。
(2006.3.2.)  

 翌日3日になって民主党は全面的に自民党に兜を脱いだ。メールも偽もの、3000万円もなかった、というのである。これで懲罰委員会が行われても自民党と民主党が争うことはなくなったわけで、永田にどのような懲罰をするのか、がこの委員会の焦点になった。小泉さんが敵に塩を送った積もりなのか「除名処分は死刑の宣告だ」と述べたことで、私はこれもなくなったと思う。とすればどのような懲罰なるのか、である。  
 一体誰が永田に偽情報を提供したのか、彼は「情報源を明らかに出来ない」と言っていたが、恐らくその内にマスコミが暴くことになろう。そうすると武部の次男は永田とともにその情報提供者を名誉毀損で訴えるに違いない。次男は政治家ではなく市民だから、政争に巻き込まれて3000万円を預かったと思われたことに、抗議するのは当然だと思う。
 それにしても、民主党はお粗末であった。         
 永田は議員を辞職、前原は代表を辞任にまでなるのではないか。これを民主党の中で出来なければ、益々民主党には救いがない。
(2006.3.3.)

 永田議員の懲罰は決まるまで時間が掛かりそうな気配、委員会が何時から本格的に開かれるのかがまだ不明だから、その結論がでるまで永田の身分は宙に浮くことになる。しかし永田は委員会の決定に従うと表明しているのは、何を考えているのかわからない。その為か委員会は急ぐ必要がないことになるが、これは与党の作戦なのだろうか。その上与党は永田への情報提供者をこの委員会に召喚したいと言っていて、民主党を困らせ、時間稼ぎを目論んでいる。

 永田が根拠のない情報に飛びついたのは、唯一つ二大政党を掲げているから自民党をこれで攻められると思ったからに他ならない。ところがそれがガセネタであったために墓穴を掘ってしまった。振り返れば民主党は前代表の岡田も今の前原も、小泉政権への攻撃に終始するの余り、国民のためという政治家としての本質から外れてしまっていたのではないか。その判断の誤りがガセネタを掴むことになったように思う。足が地に着かなくなってしまったのである。政党としてはお粗末極まりない。

 国民は二大政党の夢まで失ってしまった。それにしても永田は大変な失敗をした。民主党の新しい国会対策委員長になった渡部氏は、はっきりと「永田は自分自身の判断で議員を辞職すべきだ」と明言した。これについて鳩山幹事長は「党としての永田の処分は既に決めたこと」と言い、これはあくまでも渡部氏の個人的意見との立場をとったが、前原は無視したのか何のコメントもなかった。なかったと言うより出来なかったと言ったほうが正しいかも知れない。

 何故永田は議員辞職を自分で決めないのか。懲罰委員会の結論を待つといえば聞こえはよいけれど、何か裏があるのではないか。それは判らないけれど、本人の議員辞職があれば代表も幹事長もその責任を問われる、それは党の壊滅的痛手になるとみれば、議員辞職をできるだけ延ばそうとを考えている人がいるように思える。
(2006.3.11.)