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岩国の住民投票  

 米国空母艦載機の岩国移駐の賛否を問う住民投票が去る12日に行われ、反対票が投票の90%以上を占めた。日本の或いはアジアの防衛に関する問題が、一地域の賛否で決められていいのかと考えるが、投票をしてしまった以上これを無視することも出来ない。政府はこれからも地元の理解を得るために全力を注ぐと表明した。岩国の人も日本を守るため、沖縄ゃ横田の人のことも考えていると思うが、いざ投票となると賛成に矢張り回ってしまうのだろう。言うなれば岩国への移駐問題を、このような住民投票によって決めるのには問題が余りにも大きすぎる。  

 私はもう一歩突っ込んで考えてみると、この投票結果は米軍への不信表明ではなかったか。小泉さんは日本は米国に協力して、日本、アジアの安定を図ることが大切、そのためには日米同盟を維持しなければならないと再三述べている。しかし国民は小泉さんが思っている程米国を信頼していないと思うのだが如何なものか。ブッシュに小泉さんは利用されているのではないか、これは私の杞憂であれば幸いなのだが。  

 日米の間ではこの基地問題の他に、牛肉の輸入再開に迫ったり、日本の安保理常任理事国入りに反対したり、これが同盟国のやることかと眉を潜めたくなる。  

 確かに日本は米国に降伏した。がそれはもう60年も昔のことであり、当時とは世界の情勢は変わっている。米ソの冷戦は終ったが、今度は中国の台頭が始まっている。日米間での勝った負けたをいう時は終っている。今度の住民投票で沖縄も岩国も基本的には日米の結論の通りに落ち着くだろうが、日米関係も対等の新しい時代にならなければならない、それをこの住民投票は示唆した。 (2006.3.12.)