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小沢・菅一騎打ち

 民主党の代表選挙は小沢と菅の対決に決まったようだ。民主党は「ぶざま」としか云いようのないことで、代表が変わることになったのだが、若手議員の名が全く噂されないのは、前原の政治家としての経験不足が頼りないことが露呈されたとし、で結局この二人が出てきたのだが、民主党のためにそれがよいのかどうか判らない。それにどうやら二人の対決、それも短期決戦だから容易に予想は立てられないが、敢えて言えば小沢だと思う。  

 菅は前回の選挙で前原に僅か2票差で破れている。党代表の経験のある菅が前原に負けたこと、これは当時まだ民主党には政権奪還の夢を抱いている者が多くて、それに目を奪われて足元の見える者が居なかったためである。だから今度はベテランに白羽の矢が回り、この二人になったのだろう。しかしこの二人が本当に夢を叶えてくれるかどうか、それは判らない。私は前原のような若手が立候補するかと思ったが、もし若手が立てば菅が有利になるだろう。  

 小沢が立候補を早く表明したのに対し、菅は一歩遅れて出てきた。菅には候補は小沢一人でもいいではないか、との思いがあったと考えるけれど、矢張り周りから「小沢は嫌だから出て呉れ」になったのだろう。このような時になっても話し合いによる候補の一本化を忌避し、選挙に拘るのが政治家なのだろうか。

 小沢には民主党の代表未経験の魅力というか期待はあるのだろうが、それは反対に民主党を束ねていく力が果たしてあるのか、ということでもある。可なり性格のはっきりした人らしいので、このような人は敵か味方をはっきりさせてしまう可能性がある。口では結束を唱えているけれど、それができるかどうか。小沢がなったらこの党は分裂すると言う人がいることを耳にしたが、まさかと思いながら、あり得ることかも、と思う。  

 二人の対決かと思っていたが、夕方になって末松義規なる議員が立候補するとの報道があった。これには吃驚した。骨のある若手もいるものと褒めたい反面、絶対に勝てることのない選挙に挑むのは売名行為ではないかと言いたくなる。この人が何年議員か知らないが、自民党では恐らくこんなことは起こり得ない、それが出来るのが民主党だと思うと、矢張り民主党はまだ若いといえるのだろう。唯この末松には20名の推薦議員が集っていないとの話もあり、幻の候補者になる可能性がある。周りの方が余程大人だ。
(2006.4.5.)  

 7日の午後、新代表は小沢氏に決まった。私が予想通りであったが二人の得票が小沢 119票、菅72票と47票もの差が出たのは予想外であった。民主党代表を未経験であったことが、これだけの票を集めたのであろう。それだけの期待を持たれたことであるし、また小沢にとってもこの票数は重みのあるものになった。  

 これから新代表の元での新人事になるが、小沢は菅、鳩山を重要ポストにお願いしたいとのこと、挙党一致を目標にして立候補したのだから当然のことと思うけれど、私はこの小沢 菅の二人が言っている政権奪取という言葉に、何か微妙な違いを感じている。これは私の誤解かもしれないが、小沢は政策で論争して勝つ、それで国民の支持を得る、であるのに対し、菅は自民党内閣をとにかく潰せば、お鉢は民主党に回ってくるとの考え、であると感ずるのである。  

 政策論争で自民党と対決していく考えは本筋であるけれど、では果たして民主党にそれができる政治家が何人いるのか、小沢はかって自民党の幹事長を務めたこともある人だから、それだけ政治に対してのスケールが違うと思うが、逆にそれが判らない民主党員からは反発を食う場面が生まれるかも知れない。  

 今日の代表就任の挨拶を聞いていると、小沢が民主党代表に本当に相応しい人なのか、と思ってしまった。しかし今の民主党を救えるのは小沢以外になかったのだから仕方なしとしても、小沢さん長くお続けになりませんように。
(2006.4.7.)

 土曜日の8日に小沢さんは新執行部を決めた。彼らしく即断決行なのだろう。それによると代表代行に菅氏、幹事長に鳩山氏、その他執行部全員留任となった。永田問題で辞めたのは前原と国対委員長であった野田だけで終った。これでいいのかどうか、それは党の中で議論して貰いたいと思うが、国会の開会中であり、何れにしても9月には改選だからこのような人事になったのだろう。

 しかしこの人事をみると、永田問題というのは民主党にとって何であったのだろうか。「永田の一人芝居でした、が収束のため前原が辞任はました」だけで、本当の真相は判らずじまいではないか。そこで小沢さんに注文、この問題の真相は是非はっきりして欲しい。

(2006.4.8.)