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耐震偽装の容疑者逮捕  

 姉歯建築士の建築構造計算の偽装が問題になり、衆議院では昨年の12月に委員会を開いて関係者を参考人として招きその真相を追究したが、その時から早くも5ケ月たった。そして容疑者として次の6名を含めた8名にようやく逮捕状が出された。  
元建築士 姉歯秀次、木村建設元社長 木村盛好、検査機関 イーホ−ムズ社長 藤田東吾、木村建設元東京支店長 篠塚明、ヒューザー社長 小嶋進、 総合研究研所所長 内河進  

 やっと検察の手でこの問題が解明されることになったが、さてこれから何年掛かることやら、全く判らない。それまでマンションを買った人達はどうなるのだろう。「建て直したらここに住みたい」と思っても、その自己負担は2000万円と言われている。その負担が出来るのか、諦める人がいるかもしれない。

 何れ裁判になって問題視されるのは、建築が開始された時点で国や自治体の建築認可が下りていたこと、建築をした木村建設が「その建築認可の通りに工事を行った」と主張したら、どうなるのか。自治体は偽装を見抜けなかった責任をどうするのだろう。まさかイーホームズにその責任をたらい回しすることはないだろうが。また偽装を知らずに買った人達から自治体は訴えられることはないのだろうか。

 これから次第に明らかにされるだろうが、この偽装問題の中心的な人は誰なのか。私はヒューズの小嶋だと思っているが、或いは小嶋を裏でそそのかしたのが内河、木村であったようにも思える。姉歯は偽装を実際にした人だから、マスコミではこの人が一番の悪者と言っているが、マンションなりホテルを建てたい人がいなければ、姉歯には仕事は回ってこない。だが偽装をしなければ姉歯は木村建設から手を切られるから、その脅迫に負けたことは確かである。しかし設計計算の偽装をしたのは姉歯であることも確かなのである。この人達の関係を考えてみると、本当の悪者がだれなのか、判らなくなる。それを判断するのが裁判なのであろうが、その真相を明らかに果たして出来るだろうか。
(2006.4.26)