 |
||
 |
||
|
Ｙ１８ 村上ファンド 昨年ライブドアがニッポン放送株の場外取引で、一躍筆頭巣部主になって世間を騒がせたが、今度は村上ファンドが阪神電鉄の株式を取得して、同じような話題を振りまいている。 私の考えが甘いと言われればそれまでだが、ライブドアと村上ファンドはお互いライバルだと考えていた。ところが昨年のニッポン放送の株について、インサイダー取引があったとして検察庁が調査をすると言う。この両者はともに六本木ヒルズに事務所を持っているから、お互いの情報交換はどのレベルであるか判らないけれど、行われていたと思われたとしても不思議はない。 ここで思い出すのはライブドアがニッポン放送の株式を時間外取引、それも僅かの時間で同社株式の３０％近い数を取得したことである。その時点で同社の大株主が村上ファンドであったことを思うと、この両社の間で何んらかの話合いがあっても少しも可笑しくない。この話合いをインサイダー取引とみるか、みないかになるだろうが、僅かの時間で大量の株式が取引できたのだから、話合いの上とみるのが常識だろう。そして両社ともに利益を得たに違いないから、ライバルどころか蔭での協力者であつた言うのが正しいかも知れない。 村上ファンドは阪神球団から阪神電鉄に向けて攻勢を掛けている。もともと株の値上げを目的にしているのであって、鉄道事業を経営する積もりなど毛頭ない買い漁りなのだ。この結果がどうなるかであるが、もともと本業の経営をする気はないのだから、もし阪神電鉄にトラブルが起これば、市民は電鉄を責めないで村上を責めることになるに違いない。最初は電鉄がどのように対処するのかであったが、今は村上側がどうするか、に関心が集っているように思う。お金の力で思うことは何でも出来る、との風潮は困ったことだ。 阪神株は阪急ホールディングスが公開買付をすることを発表し、村上アァンドに立ち向かったが、あっさり村上側がこれに応じる姿勢を見せ、決着することになった。このような変貌をしたのは、ライブドアとの間でニッポン放送株のインサイダー取引が問題視されたからかどうかは判らないが、結果としては阪急と阪神両電鉄の経営統合が実現することになったのだから、地元の方たちはきっと喜こんでおられるだろう。 村上アァンドにしてもライブドアにしても、株式を違法な手段で売買し利益の確保だけを考えるのが目的、世のため人のためと口ではいうけれど、株式の相場を惑わせ、一般株主に損害を与え兼ねない両者がともに検察の手に委ねられることになった。私はこれもモラルの貧しさがあったからと思う。 ここまで書いた後、村上の逮捕が報道された。また逮捕される直前に記者会見するのは異例たが、その席でこの投資事業から手を引くとを明らかにしたという。ライブドアの掘江とニッポン放送の株式について話し合ったことが、インサイダー取引に当たると言われればそれを認めざるを得ない、ということらしい。本人は投資のプロと自認しているのに、何故これが判らなかったのか、不思議だが、少し贔屓気味の見方をすれば、堀江の逮捕まで計算していなかったのかも知れない。しかし少し危ないと感じたのか、取れ引きの拠点をシンガポールに移している。このことも何れは問題になるだろう。 堀江も村上も逮捕され事業から手を引くという同じ道を歩んで、この事件は収束しようとしている。 堀エと村上の関係が何か判らなくなってきた。最近の報道によるとニッポン放送の問題では堀江が村上を抱きこんで経営参加を要望していたと思っていたが、それはどうやら反対で村上が堀エを操り株価を吊り上げておいて売り抜け、その上ライブドアにもその値以上で渡している、とある。一体こうなると誰が儲けて誰が損したのか、直ぐ判らないけれど、若い堀エを村上がうまく利用したことは間違いないようだ。それにしても村上ファンドの資産は4000億と聞いておどろいた。この金額は固定資産は殆ど含まれていないと思うと、彼のお蔭で泣いている人は何人になるだろうか。官僚上がりの人間の信用を彼は大きく失墜させてしまった。 （2006.6.9.） 村上ファンドに福井日銀総裁が1000万円を投資し、その利益が1000万以上と言われ、これが国会で問題になった。資金を広く集めそれを運用して利益を生み、それを投資してくれた人に配分するというのがファンドの仕事、それに目をつけた人が偶々日銀総裁になり、その上悪いことに村上の運用がインサイダー取引とのことから、検挙されることになった。福井さんの立場で言うなら、投資にはリスクが伴うから、大きな損をしたかも知れないし、日銀総裁になったために、大変な罪を犯した目で見られることになった。私は国会議員の中にも儲けていた人がいると思うが、それを咎めるつもりは全くない。福井さんだけがマスコミの話題になってお気の毒と思う。利益を上げ損なった議員か騒いでいるのではないか。福井さんはやましいことをしたのではない。この運用益は課税の対象になるだけのことである。 （2006.6.20.） |