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小泉靖国参拝  

 8月15日の朝、小泉首相は靖国神社に参拝した。NHKは7時半に首相公邸から出発する首相をヘリコプターまで出して逐一報道、アナウンサーの伝える言葉は「小泉さんは何時参拝しても周囲から同じことが言われる。公約もあることだし、今日に決めた」「終戦の日に首相が参拝したのは21年前の中曽根さん以来」を繰り返し述べているだけ。小泉さんの傍らについているわけでもないのに、「二礼二拍一拝」の拝礼をしなかったとか、3万円の祭し料を供えたとか、どうでもよいことを45分間も費やしての報道、という異常な扱い、だから何度同じ言葉を聞かされたりにはがっかり、このようなくどい報道はNHKがこの靖国参拝を丹念に報道しているには違いないが、それなら武道館で行われた戦没者慰霊祭にも同じ時間がほしかった。靖国参拝のこの報道ぶりは小泉さんを傷つけなかったか、、NHKは首相の靖国参拝に反対の立場なのか、といらぬ心配をしてしまった。  

 確か前回は一般の人が参るところで、お賽銭を投げ深く頭を下げられていたが、今度は昇殿されてお参りされた。参拝者が多いことに配慮されたのかも知れないが、首相としては当然のこと、誰憚ることなくそこが首相の参拝する場なのだ。  

 その後の記者会見で、「私はA級戦犯の方達をお参りに来たのでなく、戦争で亡くなった全ての方達にお参りに来たのである。この方達の尊い犠牲のお蔭で現在の日本がある」と言われた。そして靖国参拝に反対する勢力は、そのために中国、韓国との外交が煩わされているというが、それだから首脳会談が出来ないというのは可笑しい、国連安保理の常任理事国に日本は立候補したが、それに反対したのは中国、韓国、しかし私はそれを理由に首脳会談を拒否する考えはない。また私は毎年伊勢の大神宮に参拝しているが、この時は神道の礼に則って拝礼している。日本では思想及び良心の自由が守られているのだ。そして私の8月15日の参拝に拘っているのは、マスコミなのではないか」、と付け加えた。  

 小泉さんは首相を辞任しても、国会議員として、或いは国民として靖国参拝を続けられるだろうが、これからはこんな大騒ぎをされないで済む。またこの大騒ぎのお蔭で次の首相と言われる安倍さんは少し肩の荷が軽くなったのではないか。もし安倍さんが靖国参拝を止めれば中国、韓国との首脳会談の道は開けるし、また止めなくとも、両国との関係は今まで通りで変わらないかである。

 中国、韓国を考えて靖国参拝を考えること自体が、私は間違っていると思う。国民からの猛反対がない限り、これからも首相はご自身のお考えに従って靖国参拝するのか、しないのか、を決めて頂きたい。
(2006.8.15)