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自民党総裁選挙(3)

 自民党総裁選挙が告示され、予想のとおり安倍、麻生、谷垣の3氏が届け出をした。マスコミでは安倍氏の圧倒的優勢を報道しているが、この選挙は国会議員の選挙と違って選挙人が少ないから、可なり確かな予測とみてよいだろう。だが選挙である以上絶対はないから安倍氏が苦戦することもあり得る。  
 麻生、谷垣の他に候補に名が出た人がいた。鳩山邦夫氏もその一人であったが、この人は名門の一人、そう言う目でみると安倍氏も麻生氏も矢張り名門の出だ。政治の世界には世襲の慣習があるが、二世、三世は幼いときから何となく揉まれてきていた為か、すんなりこの世界に入れるのかも知れない。私の父も参議院に入ったが1年で亡くなってしまったが、もし10年くらい勤めていたら、私はその跡を継いでいたかもしれない。と思うのは跡を継ぐかどうかは、まず周囲が推すかどうかで決まるから、それに乗せられてしまったかも知れないという話。安倍氏も麻生氏もそうだとは言わないが、家系を重んずるのは日本だけなのだろうか、ブッシュも二世である。  選挙の論戦がある傍ら、マスコミは党の役員、閣僚の人事の予測が始まるだろうが。是ばかりは可なり難しいと思う。それが楽しみ。
(2006.9.8)  

 翌日10日に3人の街頭演説が行われたとテレビが報じたが、これは一体何であるのか、聞く人は選挙に関係ないし、3人とも自民党員であり、小泉内閣の閣僚なのだから、言うならば自民党の宣伝演説である。例えば安倍氏が拉致問題を取り上げて話をしたが、それでは麻生氏が総理になったら拉致問題の解決はないのか、と言えばそんなことはあり得ないと思う。同様に中国、韓国との外交も安倍さんがなっても努力されるだろうと思う。つまりこの3人の演説は誰が首相になっても、取り上げられるテーマである。小泉さんの後はこうなりますよ、という街頭演説だったように思う。
(2006.9.9)

 竹中総務相が大臣を辞任するとともに、参議院の議員を辞職すると発表、小泉総理の了承を得たことも述べた。竹中さんは議員でなかったのを小泉さんに懇請されて大臣になった人、そして大臣在任中に参議院選挙の比例代表で議員にった。言うなれば彼は政治家ではなかったということだ。恐らく自民党議員として党内では孤立し、議員としては何もしなかったと思う。だから小泉さんが辞めれば一議員になれる人ではなかったのである。  
 小泉内閣でずっと大臣を続けたのは竹中さんだけ、そして郵政民営化を始めとする構造改革は竹中がいなければ実現しなかっただろう、という人さえいる。竹中さんはよく頑張ったけれど、小泉さんの下で働くことが出来なくなるから辞める、と単純に考えるべきだろう。裏返せば竹中さんは小泉さんの支持がったから仕事ができたのであろう。記者会見での最後の一言は「総裁選には安倍さんに一票を投ずる」であった。これも小泉さんの指示なのか、構造改革などには全く無関係な言葉、それだけにこれは何を意味するのだろうか、何故唐突にこの言葉が出たのか、考えてしまった。
(2006.9.15)