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国旗と国歌  

 6月21日、東京地裁は驚くべき判決を下した。それは都立学校の教職員に都教育委員会が各校に出した「国旗に向って起立して国家を斉唱するよう」との通達に対して、教職員はそれに従う義務はないとの確認と損害賠償を求めた裁判で、「この通達は違憲であり、従う義務はない」との判決と、慰謝料として1人3万円の賠償命令をしたのである。  

 まずこの判決をした裁判官は日本人なのだろうか、こんな判決が出れば日本人は国旗も国歌も大事にしない国民になってしまう。この裁判は学校の教職員から起されたもので、言わば日本の青少年を教育する立場にある人たち、その人たちの訴えを都の教育委員会が抑えたものと判断したのだろう、「思想の自由の侵害」としての判決である。そこには教育関係者に対して行われた判決の匂いは全くないし、また日本という国家を考慮したとも思えない。この判決をした裁判官は、小学校では日教組の先生たちの教育を受けていたのではないだろうか。

 石原知事は「勿論高裁に控訴する」と直ぐに言明したが、これは当然のこと、戦争か終って60年もたっているのに、判決では「国旗と国歌は皇国思想や軍国主義思想の精神的な支柱として用いられた」とあり、恰も国旗も国歌も戦争の名残りと受け取れる言葉がある。丁度小泉さんの靖国参拝を批判するのと同じようなものだ。裁判官はもっと幅広い見識を持って欲しい、人権を守ることも大切だが、国家的というか、日本の国というべきか、を度外視されては困る。私は高裁ではもっと良識的な判断が期待できると思っている。  そして付け加えたいことは、1人あたり3万円の賠償である。何故賠償が必要なのだろうか、裁判所が組合を応援しているのかと疑いたくなるし、第一何を根拠にして3万円なのか、判らない。これは東京都の中での裁判であるが、政府はこのような判決にはしっかりとした態度を持って欲しい。
(2006.9.22)