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6ケ国協議再開  

 まったく突然6ケ国協議の再開が発表された。これは米国、中国、北朝鮮が北京で非公式会談を行って決まったものだ。開催の日取りは決まっていないが、マスコミは11月中に行われる可能性があると報じている。  

 議長国中国の努力のお蔭と評価されているが、北朝鮮は米国による金融制裁に音を上げたのかも知れないが、私は中国が北朝鮮を説得したと読んでいる。金正日は「中国は味方」と踏んでいたのが狂ったのではないか。幾ら中国でもこの男を何時までも庇っていられなくなった、ということなのだろう。何しろ核保有国になったのだから、これで米国と対等の話ができる、との思いが判断を誤らせているようだ。  

 しかも一方国連での安保理決議がある。世界の大部分の加盟国はこの決議に従うのが決まりと思う。安倍さんは核を廃棄しない限り制裁の手は緩めないと発言している。ブッシュも金融制裁を緩めないだろうから、北朝鮮は協議に合意はしても何一つ得られないに違いない。それとも中国との密約を交わしているのだろうか。  

 この問題は日本にとって目を離せない。前にも書いたが核を使って攻撃する相手はまず日本、我々はそれを予想して考えていかねばならない。中川政調会長が、日本も核による防備を考えるべきではないか、といっている意味はよく判る。しかし日本は現状では核武装をするなど考えることもできない。これから国会でもいろいろな意見がでるだろう。このHPでもしばらく続けて書いていく。
(2006.11.2.)

 次に北朝鮮が打った手は、6ケ国協議に日本は参加するな、というものであった。これは北朝鮮の外務省報道官が述べたもので、露骨に日本のボイコットを表明した。これでは6ケ国協議にならないことを承知の上での話だから、米、中、ロシア、韓国はどのように対応するのだろうか。しかしこれではっきりしたことは、北朝鮮が敵(?)と見なしているのは米国と日本であること、とくに日本には拉致問題があり、これが次第に国際的問題にまで発展しつつあり、また安倍さんがこの問題に正面から取り組んでいることなどから、6ケ国協議の場に拉致問題が取り上げられるのは、必須の情勢と判断したのだろう。更に言えば北朝鮮は日本を敵視している、日本の存在を否定している、とも受け取れる報道であった。  

 日本をボイコットするといえば、この協議が流れるとの判断もあるのかも知れない。しかし中国が簡単に承知するだろうか、それとも「いい加減にしなさい」と嗜めるのだろうか。日本も腹を決めて北朝鮮との問題を考えなければならなくなった。米国が日本を守ってくれる、と信ずるだけでは解決にならない。では日本はどのような行動をしなければならないのだろうか。
(2006.11.4.)

矢張り6ケ国協議は11月には開催されなかった。中国の担当者が北朝鮮に行ったり、米国のヒルズ次官が北京に行ってで北朝鮮の担当者と会談したり、二国間の話し合いや日米韓の打ち合わせがあってりで、再開はあるのか、と思ったがついに月を越えてしまった。

前にも書いたが北朝鮮は核を保有したことで米国と対等と思ったと見たが、しかしそれは北朝鮮の勝手な思い込みで米国にはそんな気持ちは全くない。だから金融制裁の解除を取り下げる筈もないのに、北朝鮮は米国との二者会談を求め、その打開を図ったが何ら得ることなく終り、結局これで6ケ国協議は直ぐには開かれなくなった。協議再開は北鮮が言い出したのは何であったのか、そして日本の参加のボイコット、これは日本と同じテーブルに着いて拉致問題を追及されるのを恐れたのかも知れない。

こんなことを繰り返していると、北朝鮮は益々追い込まれるだろうし、またご本人もそれは判っているに違いないが、この国は「判りました」とは言わない。では次に何を主張してくるのだろうか。年内の再開も怪しくなったと思う。

(2006.12.1.)

米国と北朝鮮の話し合いはあったけれど、予想通り不調に終った。米国iには北朝鮮を対等と思う気持ちなど全くないから、北朝鮮側をどう抑えるかだけ、これでは不調も当然の結果である。ブッシュ大統領はその報告を聞いたのであろう、自分が大統領任期中は、北朝鮮からの核開発の撤廃に努める、それに応じなければ金融制裁の圧力を一段と進める、との談話を発表した。益々6ケ国協議は遠のいた。

(2006.12,3.)

明日から6ヶ国協議が始まるが、ここまで来ると米朝両国の何れが妥協するのか、になったようだ。しかし北朝鮮は米国に対し金融制裁の解除を主張しているし、米国は北朝鮮に全面的な非核化を求めているから、全く妥協はないと思うのだが、それなのに協議を明日から始めるというのには、裏には日本に知らされていない何かが出来ているからだろうか。その日本では新しい拉致被害者が現れたこともあり、核問題より関心が高いように感じられる。

 私は米国にも北朝鮮にも主張が変わることはないと思っているが、議長国の中国が双方に顔が立つ妥協案を提示することが出来るかどうか、である。もしそれが提示され、米朝がともに受け入れられたら、日本も韓国もそれを見守るしかなくなるのではないか。妥協案で日韓両国が軽視されることがないよう祈りたい。

(2006.12.17.)

 18日に始まった6ヶ国協議は予想したように冒頭から米朝の対立がはっきりした。北朝鮮は核保有国であめことを認めろ、経済的制裁解除を言っているし、米国は先ず核放棄が先と全く応じない。こんなことは私にだって判っていたのに、それでは何故こんどの協議が再開されたのか。中国は議長国として少しでも前進すると思っていたのか、思っていたのなら何を根拠にと伺いたい。前進がなければ今回の協議で米国、北朝鮮は言うに及ばず、それに日本には拉致の問題があって解決の糸口すら得られなければ、どの国も恐らく6ケ国協議に最早期待出来ないと考えることだろう。

(2006.12,19,)