Y45 続・6ヶ国協議 突如6ヶ国協議が再開される、と先月報じられて驚いたが、案の定11月中には開かれず、これでは年内は無理かと思っていたら、またまた突然16日から開くと報じられた。この日は土曜日だからと私は無理な日程ではないか、と不思議な気がしていたら、今度は18日になったという。このように協議日程の俄かの決定、変更に日本はどの程度発言権をもっているのか。それとも議長国の中国に一任してしまっているのか。 明日から6ヶ国協議は始まるが、ここまで来ると米朝の何れが妥協するのか、になったようだが、しかし北朝鮮は米国に対し国連決議の排除、金融制裁の解除を主張しているし、米国は北朝鮮に全面的な非核化を求めているから、全く妥協はないと思う。でも明日から始めることで各国代表は北京に集っている。その裏には日本に知らされていない何かがあるのだろうか。その日本には新しい拉致被害者が現れたこともあって、核問題より高い関心か持たれている。 米国も北朝鮮も主張が変わることはないと私は思っているが、議長国中国には双方の顔が立つ妥協案を用意しているのだろうか。もし中国が妥協案を示し、それを米国も北朝鮮も受け入れるようなことがあったら、日本と韓国はそれを黙って見守る他はない。その場合その内容であるが、日本、韓国が軽視されることがないものであることを祈る。 18日に始まった6ヶ国協議は予想していたように、冒頭から米朝の対立がはっきりした。北朝鮮は核保有国であることを認めろ、金融制裁の解除、それに国連決議の排除(この問題は六ケ国たけでは決められない筈)を行え、と言うし、米国は核を放棄をせよ、と迫る。こんなことは私にだって判ることなのに、それなら何故この6ケ国協議を再開したのか。中国は議長としてどのような思惑でいたのか、少しぐらいの前進はあると踏んでいたのか、もしそうであるならその根拠を示して欲しいものだ。また各国とも今回も何んら得るところがなければ、全く暗礁に乗り上げることになり兼ねない。とくに日本には拉致問題があり、今度の協議で論議の対象になるとの期待があったが、どうも解決の糸口も掴めぬ侭になりそうだ。これは本当に残念なことであるが、この状態では6ケ国協議はこれが最後になるかも知れない。これが北朝鮮のシナリオなのかも知れない。そうなれば拉致問題は北朝鮮との直接交渉に待つ他はなさそうだ。 昨日も6ケ国の代表が北京に滞在しているのに、何らの進展がなくこの日で協議は終了かと言われはじめた。中国は議長国として終りの声明を出すことになるだろうが、米朝間の対立に何も出来なかったことを、どう説明するだろうか。 22日の午後主席代表会議を開いて、今回の協議を休会することを決めた。何故閉会でなく休会なのか、それは中国の顔を立てたのかも知れないが、この5日間は全く進展がない侭に終った。前にも書いたが、再開したのは何らかの前進が見込めると中国が判断したからであろう。だから中国は北朝鮮に裏切られたのかも知れないし、或いは北朝鮮が米国の金融制裁の緩和は見込めると判断したのかも知れない。中国は議長国として、もっと米国と話合っていなければならなかった。 来月に行われると言われている、米国と北朝鮮による二国間の会談が今後の鍵なると思うが、しかしこの会談で米国と北朝鮮が歩み寄る筈はなく、これも物別れになるとみる。そういうことになれば、6ケ国協議は残念だが、もう二度と開かれないだろう。 (2006.12.23.) |