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 阪神・淡路大震災10年

 1月17日は阪神淡路大震災が起きて10年目である。私には「もうそんなになるのか」であるが、10年というのはその時生まれた子供が小学校の4年生になっている、といわれると、成程と納得してしまう。恐らく神戸や淡路島にはその災害の跡をみることは最早ないであろう。この日、天皇、皇后両陛下、それに小泉首相も出席して、追悼式典が開催された。この震災で亡くなった方は6433名、この数は最近起きたスマトラ島沖地震の犠牲者の数の多さに吃驚してしまった為か、少なかったなと感じてしまうが、我が国では80年前の関東大震災以来の大天災であった。  
 テレビではこの日、朝から特別番組を企画して流していたが、その中で家族を失った一人の女性が「10年が一つのけじめと言われるけれど、私にはそんなけじめはない」と語っていたが、本当にそうだろうと思う。この10周年がマスコミの格好のお祭では困る、犠牲になられた人たちの追悼なのだから、もっと視る人に静かな気持ちを持てるように考えて欲しかった。  
 10年経っても、20年経ってもこの日のことを忘れることが出来ない方は数多くおられる筈。60年前の原爆で亡くなられた方への追悼は今日になってもきちんと続いている。関東大震災は80年も前なのに、この日は防災の日として守られてきている。そう考えると今年のこの日はけじめを付けるのではなく、一つの通過点として考えるべきだと思う。
(2005.1.17)