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北朝鮮のこと  

 10日朝刊に北朝鮮が6ケ国協議に応ずるとあった。それも北朝鮮の発表があって判ったことで、言わば一方的、他の5ヶ国と事前にその日取りを打ち合わせた結果とは受け取り難かった。
言葉を代えていえば北朝鮮が開くといえば、他の5ケ国は承知して開かれるということである。
小泉さんは以前にピョンヤンに飛んで、キム・ジョン・イル総書記と会談までしているのに、日本には何も配慮されずに、予めの連絡もなしに決めたというのは情けない。これは日本など眼中にないとの態度である。にも拘わらず日本は人道的な立場で経済援助を続けているようだし、拉致問題の解決は全く見込みが立たっていないのが実情である。  

 何故日本政府は北朝鮮に対してこのように弱腰なのか。相手が核兵器を持っていることからなのか、この国と国交を断絶しても日本は困ることはないのだから、もっと判り易い外交をしたらどうか。しかし日本にはそれが出来ない。相手は日本に手を切られても怖くない、だから北朝鮮は日本を舐め切っていると思う。  

 国連の安保理に核問題、拉致問題が正式に提訴されることが、北朝鮮にとって一番怖いのかも知れないが、日本が常任理事国になることに、中国の主導でアジア諸国の賛成が得られていないようだ。北朝鮮は米国との関係を中国、ロシアの後押しではっきりさせたいと考えていると思う。韓国は同じ民族であるから、その窮状には同情的に見える。このように見ると6ケ国協議で日本を味方してくれるのは米国だけとの思いがする。  

 昔は東西冷戦といわれたが、いま米国は一国主義に傾いて、それに最近EUが反発しているが、次はロシア、中国が連合してこれに倣うことになりそうだ。この両国は最近経済力がついてきており、何時までも米国に世界のイニシアチブを握られることに、不快感を持ち始めているようだ。このように各国間の関係が変わってくることで、北鮮問題も微妙に変化しているように思う。恐れることはこの6ケ国協議で日本の存在が次第に小さくなっていくことである。
(2005.7.10)

 果たせるかな北朝鮮は、今度の6ケ国協議は核問題を中心に話合われるもので、拉致問題は既に解決済みである、と述べている。核問題は日本でには脅威ではあるが、この廃棄を求める立場ではない。つまり交渉では陪席者に過ぎない。それに拉致は交渉の話題にならないのなら、政府は黙って引き下がる積もりか。それは出来ないと思うが何か効果のある手段があるのだろうか。韓国との協調もなくなりそうだし、日本は益々国際的には孤独になつていきそうだ。

(2005.7.18.)