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異 常 気 象(3) 

 今から82年前の9月1日に関東大震災があった、その日を防災の日として、全国でいろいろな訓練が行われていることは、ご存知の通りであるが、この日が昔「二百十日」と呼ばれていたことをご存知だろうか。この日は節分の翌日から数えて210日目なのだが、この日の前後に日本には大きな嵐が訪れることが多い、と言われたのである。農業、とくに米作りをしている人達に「警戒すべき時期ですよ」と暦で教えていたのである。この嵐か台風であることは申し上げるまでもない。  

 しかし現在はどうだろうか。二百十日などという言葉は死語になってしまった。今年をみても8月に関東に台風は上陸しているし、二百十日の9月1日には台風13号は台湾を横断している。昔ではとても考えられないコースで猛威を振るっているのである。いま日本の沖縄、九州に近付いている14号台風は、強風圏が直径1500キロと報じている。これがもし名古屋付近に上陸すれば、東は東京から仙台、西は福岡もこの圏内に入ってしまう。それに風も最大50メートル、雨も強くその上うえ、速度が遅いという厄介な台風、昔の室戸台風に劣らぬものらしい。こんな台風が生まれるのも異常気象のお蔭である。  

 東京の真夏日は今年は既に40数日になったというが、これが9月になってもまだ真夏日がある。これは地球温暖化の現象というのだから、それが日本だけに現れるはずがない、と思っていたら、スイスのような高地で洪水、そして米国ではカトリーナという超大ハリケーンが発生してその被害総額は11兆円になると試算されている。まさに世界中でかって経験したことのない気温や天候を経験しているようだが、しかしそれには最低気温が記録されたとのニュースは耳にしない。皆んな温暖化、これは海水の温度が高くなっていることから、生まれる現象だと思われる。愛知万博で大人気のマンモスもこのお蔭と言える。  

 この異常気象は何時までも「異常」と呼ばれるのではなく、それが正常となれば南極や北極の氷が溶けて、海面が何メートルか上昇するといわれるが、こうなると竹島は海面下に消えてしまうだろう。  

 世界各国がこの問題を知らないはずがなく、この対策として京都議定書が決められたのであるが、世界で一番Co2をばら撒いている米国がこの議定書の批准をしていない。そのためか日本でもCo2の目標値が達成される見込みはないようだ。 地球温暖化が解決に向けて少しも進められていないことに、世界の人は何時になったら気付くのだろうか。そして真剣になるのだろうか。
(2005.9.3)