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自公と反自民の対決

 今度の選挙は自民・公明対民主との対決と新聞にはあるけれど、私は自民・公明と反自民の対決だと思っている。いよいよ明日が公示日であるから候補者が揃う。これで何処の選挙区で誰と誰が対決するのか、はっきりする。  

 面白いことは、小泉さんは自公で過半数が取れなければ総理、総裁を辞任すると言うし、岡田さんは政権が取れなければ代表を辞任すると言っている。これでどちらかは辞めることになった。私は公明党の票がどれだけ自民党に回るかを注目している。というのは公明党支持の中にも小泉さんのやり方に不快感を持っている人がいると思うからだが、その中から何人かは今度は自民党に投票しないかも、と思っている。  

 日本記者クラブで党主の討論があったが、内容としては今まで聞いていたことと大差はなく、新鮮味はなかったが、各社の記者の質問には可なり突っ込んだものがあった。しかし小泉さん、岡田さんは無難に答えていたが、率直に申して私は小泉さんに軍配をあげた。ただ一つ気になったのは、この衆議院の選挙に自民党が勝って、そして郵政法案が衆議院で可決されたとき、それが参議院で再び否決されることはないか、の質問に対して小泉さんは、国民投票に類する選挙に勝つたのだから、参議院の方たちも良識をもって判断されると期待している、と述べたことだ。これは「実は打つ手がない」と言っているように私には聞こえたが、果たしてどうだろうか。国民新党の綿貫さんは残念であるが、影が薄くて元気がない。  

 次は八代英太氏が東京12区から無所属で出馬することになったこと、車椅子に乗って郵政大臣を勤めた人、この人も郵政民営化法案に反対した人であるが、何故か比例東京ブロックから自民党で擁立されると報じられていた。選挙区では反対した人に刺客を立てた自民党にしては、この報道は本当かなと思っていた。果たせるかなそれが公示直前になって「比例代表の名簿には入れない」となった。幹事長の言によれば、「総裁が一人でも例外をつくることは、出来ないとの意向による」とのこと、しかし八代さんの話によると10日ほど前に会った小泉さんから「貴方は福祉に尽くしてきた、これからが出番だ」と励まされたという。これは小泉さんの本音であったかも知れないが、如何にもワンマンの犯し易いミスであった。小泉さんはミスで済むが、八代さんは裏切られた思いであろう。早速自民党に離党届を提出し、立候補を表明した。これに対して地元の自民党の区議は八代さんの支持を表明して、公明党候補の応援を止めることにしてしまった。つまり自公協力が早くもこの選挙区で翳りがみえてしまった。時間があったら八代さんの街頭演説を聞きにいってみたい。こうなった原因の一端は小泉さんのミスにある。この12区の選挙結果は楽しみである。  なお地方の県議や市議が集団で自民党を離党し、法案に反対して無所属で立候補した前議員を支持することを決めたとの話を聞いた。これは明らかに反小泉の行動で、これには幹事長も頭の痛いことであろう。こういう動きが全国で広がると自公圧勝は望めなくなるし、勝利が僅差であれば参議院の動きも読み難くなる。それと地方の郵便局長の動き、この人達は皆その地域では名士の一人、自民党は前回東京などの都会で民主党に負けているから今度は都会に重点を置いての選挙対策になろうが、そのために地方対策が疎かになったら、とんだ結果を招くことになりかねない。
(2005.8.29)

私は小泉さんの強行手法に反発して、彼に組する自民党員に投票はしない、と決めていたが、私のいる選挙区からは、自民、民主、共産の3人が立候補し、反小泉の候補者はいない。と言って民主党に投票する積もりはないから、結局は棄権になるだろう。この区の今までの議員は民主党だから、再選されればそれで良しとしよう。  

しかし岡田総理が生まれるなどとはとても考えられないし、小泉の後の首相も自民党には見当たらない。つまり人材難が小泉を救うとなったら、それをどう考えたらいいのか。
(2005.8.31)  

 この選挙は全くの突然選挙であるから、どの党も準備をしていなかったと思う。とくに自民党は刺客を選ばねばならない、ということもあって可なりの無理があったと思う。地元には全く顔の無い人を立てる、これは小泉人気を余りにも過信しているのではないか、と言いたい。アテ馬に選ばれた人は気の毒としか言いようがないが、これは選挙民を舐めていることでもないか、と言いたい。  
民主党の政権は困るけれど、小泉手法も困る、と私は悩んでいる。
(2005.9.1)

 前にも書いたが、郵政民営化法案が小泉人気で衆議院の選挙で勝って成立したら、参議院でまた審議をすることになるのだが、ここでも勝たなければ小泉解散による衆議院選挙は全く無駄になる。だから参議院の自民党員に対して小泉さんは何らかの手を打つと予想しているが、その第一弾が出た。それは前回反対であったものが賛成に回ったら、復党を認めるというもの。  

 しかしこれは可笑しくないか、参議院での反対は小泉手法に愛想がつきたからで、小泉さんの存在そのものに反対のはず、だから賛成の票を投じて衆議院で勝った小泉自民党に戻りたいと果たして思うだろうか。私は自民の今度の分裂はもっと深刻だと見ている。これも選挙後の問題である。
(2005.9.2)

 今日で選挙日まで1週間になった。新聞にはいろいろな予測が掲載されているが、その中では「大勢は自民の圧勝」と伝えているのもある。その理由として小泉人気が意外に根強いこと、また一方では民主党の不振、が挙げられている。 この1週間で決まるが、日曜なのに我が家の周辺は実に静か、電話もないし、連呼の声も聞かれない、情報過多の今日はこれでいいのだろう。 (2005.9.4)

 テレビで政党と候補者の政見が放映されているが、それをみると自民党の候補の言っていることは小泉さんのコピー、そこには地元のこと、候補者自身の意見などは全く聞かれない。唯小泉さんの政策を維持、推進すると言うだけ。公明党も与党ということから、自民党候補と同じことを言っている。最早この政党は要らないと思うが、自民党が創価学会の組織票を頼みにしていること、そして大臣の席があること、で結ばれている。この政党の先が何か見えてきた気がする。 ところが民主党候補の言っていることは、政権交代一本槍、30歳代と思われる者が、しかも政治が何であるか判っていない者が「日本の政治は民主党に任せろ」といわれてみても、唯しらけるばかりである。一人くらい個性ある自分の意見を述べる人はいないのか。これでは民主党は伸びる可能性はみられない。

 小選挙区、比例代表併用の選挙制度は政党に重点をおくもので、それはそれなりに間違っていないと承知はしているけれど、選挙する側には、党を選ぶというより、まだ人を選ぶ気持ちが多分にあるような気がする。過度期だからなのかも知れないが、こんどの選挙でこれが微妙に影響すると思う。しかし自民党の公認を得られず無所属で立候補している人は、この制度のお蔭で気の毒である。
(2005.9.5)