Z27

自民党の圧勝  

 11日の日曜の投票日、東京は午後になると予報に反して雷と雨に見舞われるという荒れ模様、選挙も予想に反して意外と思える結果であった。  

 自民党の296議席、この数字には小泉さんも意外であったようだし、それも増えた分が概ね民主党からであった。その民主党は113議席で64議席の減、この数字も予想に反したものであった。公明は2議席減らし、共産は現状維持、社民は2議席増であった。何故そうなったのか、それは民主の側に原因があると私はみた。

 岡田さんはとにかく「政権交代」の一本槍、よく考えれば自民も民主も保守政党、以前自民党と社会党が対決したような保革対決ではないから、唯相手を叩いていればよい、ということでは説得力がない、憲法改正では手を握る間柄なのである。それを岡田さんは「郵政だけが政治ではない」と一見分かったなことを言ってきたが、我々は「この人が首相になる人か」でみる。それに民主党には政治経験のある人が少ないから、政党として貧弱に見える。選挙前にNHKでは候補者の政見放送をテレビで流しているが、見るとはなしに見てもこれが政治家かと思うのは民主党に多い。この選挙は民主党が自民党に惨敗したのではなく、岡田が小泉に惨敗したのである。これで党主とは何か、を考え直してくれれば幸であるが、寄り合い所帯の民主党は立ち直れるか、そのリーダーになれそうな人が見当たらない。

 小選挙区比例併用の選挙制度は政党、即ち政策で議席を争うものである。だから無所属というのは本来はあってはならない筈である。しかし日本には地元代表の考えがあり、どこの党であろうとその本人を選ぶ。小泉さんも三代目であるし、田中真紀子さんは地元では強いし、鈴木むねおに至っては確か執行猶予中と承知しているが、地元の支持で当選している。

 郵政民営化法に反対した綿貫民輔、野田聖子らは刺客を乗り越えて当選した。私はこの人たちは基本的には当初この法案に徹底的な反対ではなかったと思う。それが反対に回ったのは小泉手法のため、こんどの選挙で無所属で立候補されて当選した方たちは、自民党の圧勝は国民が民営化に賛成したと理解すれば、これからも政治活動の道は開けると思う。小泉さんに盾つける人は、何となく比例の名簿に登録されて議員になった人よりも、直ぐにでも活動のできるひとなのである。この点は小泉さん考えなくてはならない。貴方の考えに賛成しないからといって、将来ある政治家を封じ込めることは止めて欲しい。そして小選挙区から出た議員は大事であることをお忘れなく。
(2005.9.13)    

 一つ信じられないことが起こった。自民党は比例選挙で表を取り過ぎて、1名が恐らく規定によってであろうが、社民党に回されたことである。こんなことがあるとは私は知らなかったが、これは自民党の票が社民党に回ったようなもので、単純には喜べないが規定なら仕方がない。儲かった社民党も何となく手放しでは喜べないことだろう。自民党側からすれば結果としては利敵行為であるが、ここで私が言いたいのは、まず自民もこんなに票が取れるとは思っていなかったこと、小泉さんが意外と言ったのは無理もない。

 比例で選ばれても議員であることには違いはない。しかし比例で自民党からどんな人が名簿にのっているのか、考えた人はどのくらいいるのだろうか。順位の上位者くらいは見ても、最後の一人を見る人はいないのではないか。この選挙で 南関東から26歳の青年が党員公募のホームページを見て応募したところ、採用されて比例の終りの方に登録された。比例だから街頭で投票を呼び掛けることもなく、選挙が終わったら議員になっていたというわけ。一番びっくりしたのはご本人だろう。まさに晴天の霹靂なのである。自民党からこのような議員が選ばれたこと、何か納得できない。比例との趣旨はわかるが、議員としての素質の有無くらい考えたらどうか。員数合わせだけでは困る。次の選挙で皆さんも期待しないで応募されては如何か。

 今度自民党は87人の新人議員が生まれた。そのため自民党議員の29%が新人になり、何となく自民党議員の質が落ちた気がするのは僻みだろうか。政治の素人が入ってきたのだから、党としてはこれからの教育も大変だろうが、これで小泉派閥が生まれるのか。もっとも彼は森派で今度最大派閥になったから、反乱を起こすことはないだろうが、無派閥議員が多くなればまたそれが心配のタネになる。

 最後に私は棄権すると述べたが、当日の夜8時少し前に投票はしてきた。その内容については言わぬが花である。
(2005.9.15)