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民主党惨敗その後  

 民主党は今度の選挙で自民党に惨敗した。こんな形で敗れるとは予想していなかったが、負け方が余りにもひどい。そして岡田さんの代表辞任と次の代表選挙を行うことを決める両院議員総会が開かれたが、そこで議員の発言された内容を見ると、この党は敗れるべくして敗れたと思った。  

 岡田さんは党内ではまさに孤軍奮闘であった。ひどいのになると、岡田さんにリーダーシップがなかったから党は団結しなかった、と発言している。では誰が岡田さんを代表に 選んだのか、この発言した人もその一人であるはずである。自分で選んだことを忘れたような発言、これでは岡田さんに力はあってもリーダーにはなれない。リーダーというのは周りがその人の言うこと、考えに従うとの気持ちがなければ存在しないのだ。この席で岡田さんは言っている。「党全体でリーダーをしっかり支えていく気持ちがないと絶対に政権は取れない」と。選挙中に彼は既にこれを感じていたのだ。  

 次の代表は誰か。前原という若手がまず立候補を表明し、続いて菅さん、そして小沢さんは態度を示さない。キャスチングボートを握るつもりなのだろうか。如何にも彼らしいが、一見強そうに見える小沢さんだが、小泉と堂々と対決できるのか、私は今度は止めた方がよいような気がしている。17日の結果を占うと、私はなんだかんだと言っても実績のある菅さんだけしかないと思っている。 (2005.9.16)

 17日の代表選挙では私の予想に反して前原氏96票、菅氏94票の僅差で、若い前原氏が新代表になった。これは自民党が大勝した以上の驚きであり、意外であったと言うより他はない。これが政権を目指す政党の姿だとは思えない。選挙に惨敗した後遺症がこの結果を招いたと考えるのだが、本当なら「一から出直すにはどうすべきか」を先輩も後輩も一つになって真剣に考えるべきであった。  

 自民党政権を倒すことばかり考えているが、国民から信頼されるには誰をリーダーに選ぶか、が大きな要素である。なのに党員は自分の利害得失でこの代表選挙に臨んだのではないか。とすれば今の民主党は政権獲得どころではない、分裂の危機さえ起こる心配がある。私は前原氏がどんな人か判らないが、首相には程遠い、岡田さんが代表になったときも「この人で大丈夫か」と感じていたが、前原氏に至っては「この人では無茶」と言いたくなる。衆参で200人近い議員を取り仕切ることが果たして出来るのか。それとも民主党は今度の選挙で古い人たちが少なくなってしまったのだろうか。もしそうであれば、議員の質が変わったのか、落ちたのかの何れかである。これで一番安心したのは小泉さん、党主会談でも恐らく吠えるばかりの前原さんだろうから、菅さんよりはやり易いに違いない。

 恐らくこれからの民主党は大きな風呂敷を広げた政策を掲げることだろう。政治に責任のない野党だから何でも言える、が与党になったら何ができるのか、国民は目先の甘い声よりも地に足の着いた政策を待っている。
(2005.9.17)

新しい前原代表では政権交代など夢のまた夢と思うが、前原さんは意外と地道、それはどこから来ているのか。どうもそれは岡田さんの反省からのようだ。前述したが民主党はリーダーとしての岡田さんを党を挙げて協力していなかった、それをご本人も感じていたようだ。それは私が思うに、今度の選挙は勝てるとの思いがあり過ぎたのではないか。それが民主党が1枚岩になれなかったのではないか。これに反して自民党は岡田さんの「政権交代」の声に反って危機感を持ったのではか。これは皮肉的な見方かもしれない。

 前原さんは保守色を明確に示して連合を敵に回すようなことも言っているが、このほうが今度は自民党を悩ませることになるかも知れない。
(2005.9.23)