Z32                                              (No.136)

女性天皇誕生か  

 日本憲法の改正が戦後60年たって漸く論議されてきたが、自民、民主、公明は賛成、共産、社民は反対を唱えているけれど、まだまだこれから時間が掛かる。がそれに対応して国民投票の法律が来年度の国会に上提されるようだ、つまり着々と憲法改正へ向けて進められているとみてよいだろう。  
 憲法改正に矢張り関連するのか、皇室典範の改正が行われることになり、そこで天皇は男子に限るとの考えを踏襲するのか、それとも女子を認めるのか、が話題になってきた。そうした時首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」で検討してきた報告書が首相に提出された。それによるとまず女帝を認め、その第一子が女子でも天皇に即位できるということだ。  

 そうすると次の天皇は現在の皇太子、その次は愛子様ということになる。私が生きている間に女性天皇を拝顔することはないけれど、今の時代では「女性は天皇になれない」ということは最早世界に通じないであろう。英国は女王であるし、女性首相も生まれている。今度はドイツの首相が女性。米国では国務長官が女性、大統領に女性がなる日も案外近いかもしれない。ロシアと中国では国家元首に女性がなる日は遠いだろうが、民主国家では女性元首が生まれても自然のことと受け取られるだろう。

 私はこの有識者会議の結論に賛成する。昭和天皇は第一子から第三子までが女性で国民はやきもきし、だから今の天皇が誕生されたときは大騒ぎであった。男子が誕生されたら一斉にサイレンが鳴らされると決まっていて、それが全国で鳴り響いた。歌もつくられた。「鳴った、鳴ったサイレン、皇太子さま、お生まれなった」という歌詞であったと記憶する。まだ小学生の時である。

 この結論通りになれば第一子がどちらであろうと関係ない。そしてその方には天皇学を学んで頂いて国民の象徴としてお尽くし下さるよう願う。一人の人としてお生まれになったそのとき、日本の天皇になると決められるのはお気の毒と思うし、申し訳ない気もするけれど、国民として日本の天皇家を継いで頂くより他はない。また我々は天皇に相応しい人に育って頂きたいと願う。
 愛子様が何時の日か天皇になられたら、第127代目、そして9人目の女性天皇になられるのである。
(2005.11.25)