untitled 6

 

ひと粒の雨が目の前に降り落ちた

たった一瞬のできごとに

僕は次の雨粒を観察すべく

上空を見上げた

 

遠くに見える生まれたてのひと粒は

ゆっくり、ゆっくり落ちてきて

僕は心の中で呟いた

”僕のあたまに落ちてこい”

 

ひと粒の雨は仲間をつくり

一瞬、滝の音を奏で

ものすごい勢いで

僕をめがけて落ちてきた

 

全身に降り注いだ音は

志望の前奏となり

未発表の僕を演奏し始めた

 

今日は雨のリズムが気持ちいい

 

 

2001.5.24

 

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