あとがき



 愛と性の問題は、青春時代においては誰もが最も関心を持っている内容でありながら、
なかなか本気で取り組まれていないテーマでもあります。
 性についての情報は、あらゆるところに溢れていますが、性に伴う人間の内面の気持ち
については表現されていません。当然のことながら愛という問題についても、本気で語ら
れていない、これは若者にとっては大変不幸なことだと思います。
 私もマスコミの誇大情報の中で、いざ結婚してみると、それまでの予想とは相当違う現
実にずいぶん考えさせられ、その中で愛の大切さや、愛と性の在り方について考えさせら
れた者の一人です。
 最近は、結婚前の性体験を公認するような風潮がありますが、人を愛することが本当の
意味で分かっていない段階での性体験は、失うものこそあれ、得るものは何もありません。
 今のような時代こそ、やがて巡り合う生涯の伴侶のために純潔を大切にし、人間として
の自分を完成させるように努力していただきたいと思います。愛の完成、家庭の完成こそ
理想社会実現の出発点だからです。
 私の青春説法は、あえて男性の立場から書かせていただきましたが、これをもとに読者
の皆さん一人一人がご自身の愛情人間学を確立していただければ、未熟な者があえて筆を
とらせていただいた甲斐があるというものです。
                             酒井正樹