ONEWORLD世界一周:予約・発券編

フライトの決定

予約を入れて暫くたった。昼食を食べている時、自宅の電話が鳴った。何かと 思って受話器を取ってみるとCXからだった。担当者はAさんという男性だった。 返事が来たのかと思いきや、「クラスは何ですか?」と言うのだ。自分は当然エコ ノミ−だと思っていた。今まで利用してきたPEX運賃はエコノミーしかないので、 特にクラスを指定しなくてもエコノミーだとわかるが、ONEWORLD EXPLORERを含めた RTWの場合、FやCにも運賃設定がある。今までのことが頭にあったためか、クラスの 指定をするのをすっかり忘れてしまった。当然Yである。私のような人物にとっては FやCは高くて、なかなか手の届くものではない。

Aさんは更に、1/4の予約は1/5に変更する、という。この点を尋ねたところ、実は この旅程だと発券条件を満たせないという。最低旅行日数は10日というのは、全旅程 の日数が10日と勘違いしていたが、迂闊だった。他の割引運賃でもそうだが、日本出発 日は旅行日数にカウントされないのだった。今まで買っていたPEXではこの点を強く 意識していたが、何故か世界一周というとこのことを忘れてしまった。帰国後、自宅 で静養時間が1日確保でき、せめて1日だけでも自宅で正月が過ごせるという私の思惑 は脆くも崩れ去った。

そのうちにAさんから連絡があった。12/29のQF9はリクエスト中だが、他のフライト は全て取れたという。QFについては昨年3月の事例でもそうだったが、やはり混んで いるのではないか。リクエスト中ということは、もしかしたらキャンセル待ではないか。 この路線が世界最長の"幹線"ということを考えたら、大いにあり得ることだ。 もし、この便の予約が取れないとしたら、BAをあたるしかないかな。そう思っていた。 そして間もなくAさんから連絡があり、QF9も問題なく取れたという。

全ての便の予約が取れたので、「航空券はいつ買うのか?」と聞かれた。私として は旅程が確定したらすぐに航空券は欲しいし、航空券を買うためだけに会社を休んだり するのももったいない。そう気軽に会社を抜け出せる状況ではなかったので、「明日 買いに行こうかと思います」と答えたが、Aさんは「これはすぐ発券しなくてもいいも のだし、予約変更もあるかもしれないので、12月になってからでいい。もし発券して しまったら予約変更は手数料がかかる」という。OFCタリフには出発前なら発券後、 航空券の再発行を伴う変更は1回はタダ(再発行無しの場合は回数にかかわらずタダ) とあったが(*)、それは違うのか?2回目からは確かに手数料がかかる、とあった が、この旅程も考えに考えて決めたものだし、ピーク時だということもある。第1希望 で1度予約が入ってしまったから、よほどのことがない限り変更はないだろうが、アメ リカのイラク攻撃も秒読みと言われてきたこともある。イラク情勢によっては報復テロ も予想されるだけに、もしかしたらAA利用を考え直すかもしれない。Aさんの言う通り、 しばらく様子を見ることにした。自分は翌日CXに行くつもりではいたが。

(*):本文の中にも出てくるが、予約変更に関するルールはその後 変更になり、発券後に航空券の再発行を要する変更を行う場合は、手数料を徴収する ようになったようである。

各便のスケジュールは以下の通りとなった。

便名搭乗日 区間出発時刻 到着時刻
CX45126DECNRTTPE 15:4518:45
CX2043TPEHKG22:400:35+1
CX207327DECHKGSIN 3:006:40
QF929DECSINLHR 23:205:20+1
BA130630DECLHRABZ 9:5011:20
BA1313ABZLHR15:5517:30
AA1051JANLHRJFK 12:1515:00
CX889JFKHKG22:157:55+2
CX5205JANHKGNRT 10:0514:55

ホテル

フライトが決まると次はホテルを確保しなければならない。行くと決めた以上、 これがなければどうしようもないし、年末年始の混みあう時期。いくら出発まで 余裕があるといっても、これも激戦が予想される。わかっているなら早目に手を つけた方が良いのだ。

例によってHISの某支店に行く。最近、いつもここに頼んでいるような気がして ならない。HISは設立の経緯からして航空券やホテルといった旅のパーツを多く扱って いるし、しかも家の近くに支店があるので、申込やチケットの受取がしやすい、とい うことで重宝していたのだ。

いつも手配をお願いしているBさんをあたったが、何とBさんは異動になってここ にはいないという。いつかはこんな日が来るとは思っていたが、全く予想もしていな かっただけに衝撃は大きかった。99年のロンドンツアーでお世話になって以来、ずっと 彼女に海外旅行の手配を依頼してきただけに「お得意さん」化していたし、そのため か話もしやすかった。Bさんの代わりに私の予約を担当したのはCさんという女性だった。

この時はフライトも決まっていたが、その証拠は持っていないし、発券までは されていないので、宿泊の日程だけで話を進めた。今回は滞在日数のこともあり、 今まで以上に費用が安いことが重視される。予約を入れた8月時点では、まだ秋冬用 のホテル料金が発表されていないようだが、安そうで立地条件も良さそうなホテルを 何件かピックアップし、値段を調べてもらった。宿泊料金は以下の通りだった。

12/27-28 SIN

  1. HOTEL SUPREME \8200
  2. YWCA FORT CANNING LODGE \7400
  3. GRAND CENTRAL \10800
  4. CROWN PRINCE \12600 (参考)

12/27-28 SIN

  1. WARWICK \9000
  2. NEW ATLANTIC \8300
  3. CASSERY COORT まだ料金出ていないよう

1/3 HKG

  1. Kowloon \9800
  2. THE INPERIAL \8200

1/4

  1. REGAL AIRPORT CLK \9200

自分の気持としてはWARWICKとREGAL AIRPORTは絶対に押えたかった。 また KOWLOONもできれば押えたい。WARWICKは何度か泊まっているので 土地の状況もよくわかっている。特に今回は17:30 LHR着という遅いフ ライトになるので、日没後のチェックインは避けられそうにない。駅か らダッシュでホテルにたどり着かなければならない私にとって、やはり 様子のわかるところに泊まることは必須である。コストパフォーマンス はあるし、WARWICKはやはり私のロンドンでの常宿となりつつあるようだ。

REGAL AIRPORTは翌日の便が朝早いからだ。朝早いフライトに乗るため に市街地のホテルを早朝チェックアウトして慣れない町を空港までダッシ ュするのはあまりにもハイリスクだ。KOWLOONは前から考えていた尖沙咀 のCXオフィスのそばだ。でも、正月なので果してCXオフィスが営業している か、という不安があるが。また、1/3は朝早い到着になるので安心してホテ ルまで移動できる。これなら街中に出ても不安はあまりないだろう。

SINについては立地面、慣れという点でCROWN PRINCEが理想だった。 しかし、いかんせん高すぎる。今回のスケジュールなら多少は冒険もでき よう。もう少し安いホテルを探して出てきたのがこのホテルだった。

ホテルの予約は混雑期ということもあり、上の優先順位で希望を出す ことにした。その数日後、予約が入ったと連絡があった。SINは第1、2 希望が取れず、第3希望のGRAND CENTRALになった他は全て第1希望だった。

発券

9月に入り、特に何事もなく毎日を過ごしていた。この月も忙しくなりそう だが、今なら何とか時間が作り出せそうだ。多分、大幅なスケジュール変更 もなさそうだから、航空券を買いに行こうと思った矢先の出来事だった。何 とかは忘れた頃にやって来るというが、忘れていたそのとき、CXから家に電 話があったという。何事かと思っていると、スケジュール変更があったと いう。このことを知った時点では夜遅く、スケジュール変更の具体的な内容 については何も触れられていないので知る由はなかった。具体的な内容はCX に連絡してくれ、とのこと。これは非常に気になる。もし致命的な変更だっ たら再度ルートを検討しなおして予約を入れ直さなければならない事態も十 二分に予想しえたからだ。いや、場合によってはこの計画自体没になる危険 性もある。

翌日は土曜日だった。指示の通りCXに連絡してみると、BA1306のスケジュ ールが変更になったという。元は9:50発11:20着だったのが何と、12:05発に 変更されたというのだ。これは痛い。ABZなどこのような機会でもない限り 滅多に行ける場所ではないから、いくら搭乗旅行といえども少しは滞在時間 を確保したかった。ただでさえ僅かしかない滞在時間が2時間も削られるか らつらい。もともとの滞在時間は4時間半だったが、今度は2時間20分余り。 4時間あればひょっとしたら街中に出られたかもしれなかっただろうが、2 時間では駆け足での空港見学しかできない。

その代わり、LHRでのあそびの時間は2時間延びるわけだが、Tさんの事例 を聞くと、乗り継ぎ便のスケジュールには十分余裕を持っておくこと、特に冬 のヨーロッパは天候が厳しいことを考慮すべきということをつくづくと感じる わけだが。

ABZ以外の都市、EDIやMAN等のルート変更も含めてどうするか考えることに しよう。BA1306以外にもこのような事例があるかもしれない。今年の冬スケジ ュールは10/27から適用になる。とりあえず、10/27まで発券は止めて様子を見 ることにした。その後、CXから何の連絡もなかった。

Xデーである10/27が間近になってきた。私は早く航空券を手にしたくてウズ ウズしていた。スケジュール変更の可能性もまだあるが、10/27から冬スケジュ ールになる、ということは、この時点ではもうそれほどの大きな変更はないだろ う。予約はもちろんコンピューターに入っているだろうが、私の手もとには自分 の出したFAXの控えしかない。やはり確固たる「もの」である航空券を手にした かった。

発券日当日、会社で昼食を取った私は急行列車に乗っていた。目的地は銀座。 私にとっては縁のなかった場所だ。CXはもともと有楽町にオフィスがあったが、 この秋、銀座にオフィスが移転したのである。移転先は銀座2-3-6、銀座並木通 りビルとある。CXに行き方を聞こうとも思ったが、東京23区のマップはあちこち で出版されているし、これで調べて行けば大体の見当はつくだろう。地図で見る と有楽町線の銀座1丁目が最寄り駅のように見えたので、とりあえずここに行く ことにした。

銀座1丁目に着き、2丁目に近そうな出口から出たところ、明治屋のそばだ った。このあたりは6月に歩いた記憶がありそうな場所だが、方向感覚が全然 わからない。地図を見ればプランタンの方角らしいが、最初、その方向を見つ けるのにだいぶ苦労した。100円ショップの東京ガイドを手に繁華街をウロウロ というおのぼりさんになってしまった。こうしてみると、自分が銀座に用はな かったとはいえ、田舎者になってしまったなと感じる。

更に地図を見ると近くにはSUBWAYがあるらしいように見える。目的地は並木 通りビルとあるので、並木通りという通りがこのあたりにあるように見えるが、 自分の地図では並木通りという通りは載っていない。ましてや、並木通りという 建物ズバリも出ている由はない。頼りは建物のところどころに小さく表示されて いる住所表示しかない。プランタンやSUBWAYはすぐわかったものの、肝心の2-3-6 にはなかなかたどり着かない。2丁目はわかっても、2丁目3がなかなか見つか らないのだ。目だった建物はプランタンだったが、ちょっとした裏道という感じ で飲み屋や中小企業(?)のオフィスっぽい小さなビルがあって、どう見ても このあたりに航空会社のオフィスがあるようには見えない。

何度も道に迷い、とうとうコンビニの店員に道を聞いた。この店員も詳しい ことはよくわからないらしく、並木通りと思われる通りはこの先の道のどれか、 ということぐらいで、具体的な情報は得られなかった。ずばり、キャセイ航空 はどこですか、と聞けば分かったかもしれないが。

言われた通り、それと思われる通りを歩いてみた。いくら探しても見つから ないのでマジかいな、と半信半疑で歩いて脇を見やったその時、小さなテナント 案内が飛び込んできた。そこには「CATHAY PACIFIC」の文字とロゴが確かにあっ た。あった!ここだ!そのビルは1FにAfternoon Teaが店舗を構えていたが、他の テナントについては目立たず、ひっそりと案内板に載っていたのだった。銀座ら しく少し洒落た感じのするビルだったが、これじゃわからないよ、というのが目 的地を見つけての第1印象だった。

このビルにはAfternoon TeaとCXの他、梅(?)という居酒屋が入っている。 比較的新しいビルのようで、他にテナントは入っていないようだ。CX関係は日本 支社が8F、発券カウンタが7Fにある。あと系列の旅行会社、キャセイホリデー も7Fに移転してきた。有楽町の東宝ツインタワービルにあったCXの事務所が丸 ごとここに移ってきたことになる。有楽町では2Fにキャセイホリデー、5F(?)に 日本支社、6Fに発券カウンタがあった覚えがあるが、ここではCX関係は7Fと8F に固まっている。

Afternoon Teaとは別の入口に2Fより上の各テナントに行くエレベータ乗り場 がある。まだ工事中のようなエレベータに乗って行くと、発券カウンタはある。 私が行った時は2人のビジネスマンがサービスを待っていた。用件はよくわから ないが、雰囲気からして出張用の航空券か何かの手続きをしているらしい。待っ ている間、見本として置かれている機内誌「Discovery」をパラパラめくっていた。

カウンタには2人の女性職員がいた。CAと同じあの赤い制服を着ているが、 2人の受付職員のうち、1人は妊娠しているのだろうか。普通のタイトスカート ではなく、マタニティドレス風のスカートをはいている。勿論、色は赤。ブラウ スは普通のブラウスと同じだ。このような制服があることには私もびっくりした。 最近、妊娠しても仕事を続ける女性は増えてはきているものの、妊娠すると仕事 が変わるケースが多かったような気がする。ましてこのケースでは接客にはタイト スカートの制服を着なければならないだろうから、接客でない別の仕事になること が予想されるだろう。彼女の場合、元から窓口を担当していてその仕事を続けて いるのか、妊娠してから仕事が変わったのかわからないが、もし前者としたら妊娠 しても前の仕事が続けられるようにしてくれているということで好感が持てる。 このスカート、例のブラウスにも良くあっている。新鮮な感じもするし、マタニティ でなくても着てほしいと思う。

本題の発券作業はマタニティでない、もう1人の係員にお願いした。マタニティ の係員は別の客の対応をしており、その事務作業をしているようだった。まず発券 にあたり、確認すべきことは2点あった。

(1)BA1306はLHR12:05発、ABZ13:35着となっているが、これより早いフライト はないのか?
元々は9:05のフライトが遅くなった、ということから、この前のフライトも遅 くなっていることが予想される。BA1306自体は12:05発になってしまったが、実は 9:00近辺にフライトがあるのではないか。本音を言えばこれではABZ滞在時間が短 すぎるので、できるならもう少し早いフライトに乗りたい。
(2)BA1306以外にスケジュール変更されたフライトはないのか?
1度このような事態があると他にもあることが想像される。もし大幅な変更 があってそれが致命的なものだったら、ルートを考え直さなければならないからだ。

(1)についてはあることはあるが、それは9:00ではなく6:00過ぎだという。それは 論外だ。情報は古いが、7月の時刻表だと確かに7時頃にBA1304というフライトが あるが、おそらくそれだろう。また、自分が入れていた12:05発のフライトはBA1306 ではないという指摘があった。実はBA1308である。BA1306は毎日運航ということに なっていたようだが、もしかしたらなくなってしまったのだろうか?BA1308という フライトも確かに時刻表にあり、これも12時近辺に出発となっている。

係員はスケジュール表をプリントアウトしてくれたが、9月に確認したスケジュ ールから変更はされていない。帰国便のCX520の出発が30分遅くなっていたが。30分 程度の遅くなるのならそう問題はなさそうだ。これで発券することにした。

発券にはONEWORLD EXPLORERを適用するにあたり予約を入れたルートが条件に 合っているかのチェックに30〜40分、TAX計算に1時間ぐらいかかるのですぐには 発券できないという。係員は「携帯はありますか?」と聞くが番号がわからない のでモタモタしていたところ、「30〜40分したらここに電話してください」とメ モをくれた。彼女の名前はDさんという。ここで待っても良かったが、30〜40分 も時間潰しできるような場所ではないので、一旦外に出ることにした。Dさんは オフィスにいた同僚に状況を聞いた後、オフィスに消えていった。

ビルを出た私は周辺をうろついていたが、ここは本当に時間潰しできる場所 がない。有楽町には品揃えは少ないとはいえちょっとした本屋もあったし、 JALプラザに行けばOFCタリフなど、そこでしか買えない本もある。曲がりなりと も何とか時間は潰せそうだが、ここは喫茶店とかお洒落な店はあっても、私が時 間潰しに使えそうなものは何もない。プランタンは一応デパートとなっているよ うだったので入ってみたが、衣料品と雑貨ばかりで本屋などはなかった。しかも、 少しお値段はお高めだ。

プランタン周辺は何もないので、有楽町方面に向かって適当に歩いていると 日本各地の名産品と観光パンフを集めたふるさと館(?何というのかは不明)や近 ツリ、JTBなど旅行会社が入っている交通会館や無印良品などがあった。そして、 そのまま歩くとビックピー館にたどり着く。知らぬ間に有楽町まで来てしまった。 地図で見ると遠そうに見えるが、CXからここまで15分くらいだろうか。だから、 有楽町は案外近いものである。これなら、わざわざ地下鉄を乗り継ぐこともない。 日比谷から歩いて行けばいいのである。

気づいたらDさんと約束した30〜40分はもう経っている。指定された電話番号 に何度も電話するが、お話し中でいっこうにつながらない。これならCXに戻るし かない。引き返しても大した距離でないし。

結局引き返した。電話がつながらなかった旨を伝えると、結局適用条件は問題 なかったという。今、TAXの計算に入っていると彼女は言った。CRSからアウトプッ トした運賃計算の詳細はあるものの、それを元にDさんが手で計算しているみたい だった。直行便の単純往復と違って、経由地もあればストップオーバー地点も複数 ある。また、航空保険料の計算もあることから、TAXの計算は繁雑だ。この時点で の見積りでは316000円ぐらいになりそうだとDさんからあった。

再び私は有楽町に向かって行った。予定では5時頃航空券ができることになって いた。でも、発券を受け付けてくれるのは5時までなので、そう遠くへは行けない。 交通会館に入って適当に時間を潰していた。そんなとき、ある旅行会社が格安航空 券の価格表を入口に出していた。それは何と、香港29000円とある。SINも似たような ものだった。こんなに安ければ、海外旅行フリークのTさんが週末を使ってSINに行く のも無理はない(注:この頃、TさんはSQの格安航空券が37800円と安かったので、 週末を利用してSIN旅行に出かけた)。ホテル代があるから、実際の旅行にはもう少し 費用がかかるが、航空券に限って言えば、沖縄へ行くより安い。しかも飛行距離はあ るし、航空券の種別によってはマイルもたまるし、温かい機内食も食べられるのだ。 国内旅行はたとえ、NHの超割を使っても最低2万円、他社のバーゲン系運賃でも似た ようなもの。それに国内線にはスーパーシートなどの一部を除いて機内食はない。 利用できる時期、フライトに制限があるとはいえ、考えてみたら格安航空券は本当に 安いと思う。このことは逆に日本の国内線が割高だと感じさせることになってしまっ た。

時間が来たのでCXに戻ると既に航空券はできていた。最終的な価格は315280円。 TAXが1万ぐらいかかるとは思っていたが、予想していたくらいの価格だった。

Dさんは発券を申し出たとき、複雑なルートだと場合によっては手書き発券に なることもあるから時間がかかると言っていたが、私のケースはそんなことはな かった。手書き発券になるケースとは具体的にはどんな場合なのだろうか。もの は黄緑のATB券が9枚と控えが3枚。それがCXのチケットカバーにホチキスで綴じ てある。2−3枚ではそれほど感じないATB券も12枚となると途端に分厚くなる。 ギリギリチケットカバーに収まったが、世界一周航空券としては私など少ない方 だろう。世界一周ともなれば1つの旅程に十数フライトなど多々あるだろう。今 では一般的になったATB券もこんなに分厚いと持ち歩きにちょっと不便である。 こういうときは昔ながらの(?)カーボン式のTAT券が便利と思うが。e-ticketか どうかは選べても、航空券の形状までは選べない。

航空券を渡すとき、Dさんから手数料についての説明があった。予約変更でも、 ルート変更が発生する場合は1回につき75USDの手数料がかかるが、搭乗日を変える などは連絡だけで済むようだ。フライトの変更程度もタダらしい。OFCタリフには 「航空券の再発行を要する場合は有料」とあるが、おそらくルート変更はこのケー スになるのだろう。

また、ストップオーバー地点を増やす場合も、TAXの変更などがあると手数料の 対象になるらしい。私のようなサラリーマンの旅では決められた日程をこなし、休 みが終るという期限までに戻って来なければならない。ホテルも決まっているので、 1度決めた日程はよほどのことがない限り変更することはありえないが...

帰宅して航空券の運賃計算欄を見ると、思ってはいたものの、やはりRTWは普通 の航空券とは別の計算をしているようだ。まず、マイレージシステムの適用を表す Mの記号がない。また、普通の航空券には折り返し地点が存在し、運賃計算の単位 は片道単位で計算している。従って、折り返し地点となる目的地の地名コードの脇 に片道の運賃が書いてあるが、それもない。つまり、日本が出発地で目的地は日本、 途中24時間以上滞在する都市があれば、それはストップオーバーという扱いのよう だ。

また、預入手荷物の扱いは個数制である。個数制は一般的に太平洋路線のみに 適用されるようだが、ここでは全ての旅程に対し個数制となる。個数制では大きさ の制限はあるが、1個あたり32kgまでの荷物が2つとなっている(具体的には1個 あたり3辺のサイズが158cm(Yの場合は更に全荷物のサイズが273cmという条件が 入る))、つまり、サイズの条件さえ合えば規則上は64kgまで荷物を無料で預ける ことができるということになる。重量制ではYの場合、20kgだから全然違う。制限 はあるとはいえ、20kgでは物足りないと思っている買物好きなどには嬉しい話だろ う。スーツケースに土産物を詰め込めばすぐ20kgを超えてしまう。1個あたりの最 大許容重量が32kgというのだけでも大幅な制限緩和である。

(To be continued...)