Let’s 小論文
入試に小論文を課す大学が増えています。
こうしたら合格小論文が書ける!
鉄則
その1:漢字・語句・原稿用紙の使い方といった知識(当たり前!)
小論文はあくまでも中身で勝負!
でも、誤字脱字・字句の使い間違いだらけでは、
当然、評価も下がります。
対策:漢字の勉強がてら漢検2級をとる
479校の大学・短大で入試の際に「漢検」を評価の基準のひとつとしています。
漢検のページへ→GO
頻出現代文重要語700(桐原書店)
文章を読むときに分かったふりをしている語句が多いあなたにお薦めです。
読む力も書く力もUPします。
その2:課題文・設問をよく読み要求されていることを把握する力
どんなに優れた小論文が書けても
聞かれたことに答えていないと
採点対象外になります。
対策:反復練習あるのみ。実際に書いてみるしかありません。
添削指導を受けて完成作品を最少でも30作、これが合格の目安です。
他の教科の勉強なしで専念しても最短1ヶ月は要します。お早めに。
添削指導、受付中(通塾・FAX・メールいずれも可)→GO
その3:「小論文とは何か」を理解する。
小論文と作文の違いはわかっていますか?
作文=自分自身の「経験」とそれに対する「感想」を述べる文章
論文=事実や意見に対する自分の「判断」の正当性を
「根拠」を挙げて主張する文章
対策:自分のスタイルを決めて反復練習あるのみ。
テーマを限定しそのことに関する「判断」を明確にまず書き、
「根拠」を順次述べていくスタイルがオススメです。
「テーマの限定」と「根拠」こそが小論文の命です。
その証拠として、
小論文を実際に採点している大学の先生のある日のブログを
転載させていただきました。(許可はちゃんと得てますょ。)

|
最近の愛読書-ドラゴン桜(笑)
「所得格差」に関するある本を読んでいたら、このマンガが「傑作だ」と評されていたのでAMAZONの
タダ券を利用して取り寄せてみた。主人公の弁護士桜木の発想やセリフが実にいい。「ナンバーワンオンリーワンになれだぁ?ふざけるな。オンリーワンってう
のはその分野のエスパート、ナンバーワンのことだろだが」。健全な競争を肯定的にとらえ、人を信用しない見せ掛けの「やさしさ」をばっさりと切り捨てる桜
木の態度はすがすがしい。
ドラゴン桜は傑作だ、これを素直に認めた上で、ごくマイナーな部分に突っ込みを入れたいと思う(←性格悪)、5巻の「カリスマ国語教師」の模範解答、これ不合格だ。
帰
国子女の入試や大学院の入試にある小論文の採点は(東大はどうだか知らないが)国語教師がするのではなく、その学部の教官が行う。つまり経済学部なら経済
学者が採点する。私もほぼ毎年、小論の採点をしているが、この小論が回ってきたら、大学入試なら(相手はまだ子供だからオマケで)30点くらいつけるかもしれないが(50点満点)、院試なら10点くらいをつける。つまり、単独なら不合格点だ。
なぜか、順に見ていこう。
ま
ず、「現在日本は過酷な競争社会にある。」という記述がひっかかる。これ事実誤認じゃなかろうか。一体、なにを証拠に「日本は競争社会だ」などと言うのか
不明であり、説明もない。「日本は」というくらいだから他国と比較しているのかもしれないが、それではどこと比較しているのか?日本は「世界で唯一の良く
出来た社会主義」と評されるほど「ぬるま湯社会」として世界的に知られた国だ。産業は農業を始め規制にガッチリ守られているものが多く、最近やっと緩和の
兆しが出てきたタクシーだってまだNYより30%
も高い。賃金は、最近でこそ変わってきが、原則競争なしの「年功序列」である。卒業大学間での賃金差も同じ企業の中ならまずない。レイオフ(一時解雇)も
めったになく、失業率も低めだ。所得格差そのものも先進国のなかでは普通程度で、とりたてて「過酷な競争社会」という材料はない。
仮に、著者のいうように、競争が存在したとして、それに「過酷な」という修辞句をつけるのはどういう意味があるのだろう。この修辞からは著者が競争を非常にネガティブに捉えていることが伺える。健全な競争を肯定するドラゴン桜に相応しくない意見だが、問題は、理由が一切明記されていないことだ。なにかを言ったら「理由をつける」これ、小論の(大論文でも)基本の「キ」である。
次の記述「すべて経済原理が優先され」というのがまたダメである。
経済に「原理」はたくさんあるが、「弱者は切り捨てるべきものである」などというものはない。ではいったい著者はどの「経済原理」のことをいっているのか、まず明記すべきであろう。
・・
原理が『優先され』という記述も意味不明だ。原理とか法則とかいうのはそうなっている理(←ことわり、と読む)のことだろう。つまり「万有引力の法則」と
同じで優先するとかしないとかいう性質のものではない。「この時計は万有引力の法則を「優先して」つくりました」というようなものが意味不明であるように
(「利用した」ならわかるが)、経済原理を「優先した」社会というのもわからない。「消費者は高くて悪いものより、安くて良いものを買うものだ」というの
が市場の「原理」だとすればこれを優先することも禁止することもできはしない。
最後にこの小論は全体として面白くない。風呂敷を広げすぎていて、問題をピンポイントにとらえていないため、一般論になってしまっているの
だ。結果として筆者の個性、独自の視点がなく極めて退屈な仕上がりである。最後は必ず「そもそも人生なんてもんはね」になってしまうオヤジの説教みたい
だ。つまり、電車の優先席の話を(特に書き手が良く知らないと思われる)「競争社会」などと結びつけてしまった時点で失敗しているのである。
「広い視野」というのは実は曲者で、短い小論のなかに持ちこむのは必ずしも適当ではない。学生の卒論でも、たとえば「リサイクルの是非」を考えるときに、「京都議定書」なんかがでてきちゃうものがよくあるが、こういうのはダメなんである。
問題を絞りこんで掘り下げる力は非常に重要だ。だが、今の学生には決定的に不足していると感じる。すぐに風呂敷を広げるのは学生の悪いところだ、と思っていたら、受験でこんな指導がなされているのか。。。。
国語の先生、塾の先生、いますぐやめてください!
|
|