社殿の前に着いた瞬間、ドォン!と大きな音と共に、藍色の夜空に色鮮やかな火花が散った。
「うわぁっ……!」
「おー、いいタイミングだな!!」
「いつもの場所、まだ空いてるよ」
「、行こう」
「う、うんっ!」
みんな、小走りになって。
サエちゃんに手を引かれて、あたしも浴衣の裾広がらないように気をつけて、ちょこちょこ走って。
毎年、花火を見るのは絶対ここ!って子供の頃から皆で決めてる、とっておきの場所にたどり着く。
四年ぶりの、その場所。
社殿の裏の、高さはそんなにないけど崖になってるとこ。
ちゃんと柵のあるそこへ、一列に皆で並んで夜空を見上げる。
あたしたちがここへ着くのを待っててくれたようなタイミングで、一気に花火が上がった。
色とりどりの夏の花が、次々に夜空に咲いては散っていく。
久しぶりの花火に目を瞠るあたしの手を、隣から伸びた手が優しく取った。
しっかりと手を繋いで。
一緒に、空を見上げる。
優しい声が、あたしにだけ聞こえるように呟いた。
「来年も、また一緒に見よう」
「……うん!」
来年も、そのまた来年も。
君と一緒に過ごす。この夏を。
あとがき、と言う名の懺悔
六角夏祭り逆ハー夢でした。
メッセ友達で、大好き日参サイト『Dream Maze』のヒトミちゃんに捧げます。
遅くなってごめんね!散々待たせた挙句に、中途半端に分岐とかさせちゃったよ!
調子乗りまくりでスイマセン……(土下座)。
こんな長くなっちゃいましたが、宜しかったら貰って下さいませv
これは、メッセでヒトミちゃんと話してたときにネタが出てきたので、まだ書いてもいないくせに
『書けたらヒトミちゃん貰ってくれる!?』と押し付けたものです。
萌えに任せて書きました……ラスト、手を繋いだ相手はご自分で妄想して下さい(爆笑)。
それでは、ヒトミちゃん、これからもどうぞよろしくお願い致しますvv
04/07/15up