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'65年創設の北星学園余市高校は、生徒に寄り添いながら、彼らの自立を目指す教育を貫いてきたが、'87年、全国に吹き荒れた少子化・生徒減の嵐に廃校の瀬戸際に追い込まれる。進学やスポーツを看板に生き残ろうとする高校が多い中、そこからはじき出された子供たちを立ち直らせるための高校が全国で一つくらい生き残ってもよいのではと、同校は、日本で初めて「高校中退者も受け入れる」高校となる。
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(原作者・主人公のモデル) 1971年 長野県生まれ 中学生の頃から不良と呼ばれ、87年高校生の時退学処分を受ける。同時に家からも絶縁され、児童相談所経由で里親に引き取られる。88年、北星学園余市高等学校が、全国からの中退者の本格受け入れを始めた初年度に、傷心の思いを抱えて同校の門を叩く。90年、明治学院大学法学部法律学科入学。在学中に自動車事故を起こしたが無事回復。その時の恩師との体験から教師の道を志す。卒業後は札幌で大手進学塾に就職。99年、待ちに待った北星の教員に採用が決定。社会科教師として赴任。2005年4月、横浜市教育委員会に就任。 |
この映画は少年時代の私の過ち、悲しみ、そして夢が詰まっている映画です。だからこそ映画化のお話を頂いたときは、大きな勇気を必要としました。しかし、今、この映画に関われたことに心から感謝しています。 どんなに時代が変わっても、どんなに社会が変化しても、変わらないものがある。変わってはならないもがある。この映画で、一人でも多くの人がそれを考えてくれたなら、これ以上の幸せはありません。 「あなたは私の夢だから…死なないで」。事故により生死の境目を彷徨っていたときに恩師からもらった言葉。今、その言葉を教育に関わる全ての人たちに人生を賭けて返したい。「皆さんは俺の夢です」。 共に生きましょう。泣いたり、笑ったり、怒ったりしながら…。 心からの感謝を込めて。 |
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(義家弘介役) 1985年 青森県生まれ 2001年、ホリプロの「NewStyleAudition」でグランプリ受賞。期待の大型新人として恵まれた芸能界デビューを果し、ドラマ「キッズ・ウォースペシャル」「ごくせん」「メッセージ」他多数に出演。映画は、「アカルイミライ」「偶然にも最悪な少年」「KAMACHI」「渋谷怪談」「茶の味」に出演、その独特の存在感が高く評価され、車椅子のバスケット少年を描く、映画「ウィニング・パス」では、初主演。今回、花堂監督に、鋭く、しかし純粋な若い感性が見込まれ、義家弘役に選ばれた。 |
義家弘介役を演じるにあたり沢山の資料を読みました。 読みながら「ウーン、不良だ。」読むほどに「この人、悪党だ。」 読み終わっても、「やっぱり不良だ!」と思いました。 幼い頃から深い傷を負い、ずっと負のエネルギーを放出して来た義家弘介。 北星余市に来て、本当の人間と人間の関わりを経験した後、正のエネルギーになった義家弘介。 正と負、どちらにしても大きな力を持つ義家弘介。 不良じゃなかった僕は、ならなかったんじゃなくて、なれなかったのかも知れない。だって不良には、長くて深い、不良になるしかない根っこがあると解ったからです。そんな存在に、自分がどこまで近づき演じることが出来るのか、とても楽しみです。本物の役者になりたい僕の夢の、最大の挑戦となるからです |
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(恩師 安達俊子先生役) 1952年 東京都生まれ 59年〜61年にサンフランシスコで暮らし、演劇と美術に目覚める。桐朋学園大学卒業後、劇団民芸に在籍。以降、女優として大きく飛躍。今や日本演劇界を代表する存在である。ドラマ「風と雲と虹と」「炎立つ」「御宿かわせみ」「春燈」「ちゅらさん」他多数。映画「忍ぶ糸」「男はつらいよ・寅次郎と殿様」「燃える秋」「良寛」「陽はまた昇る」他多数。舞台「桜の園」「迷路」「青春の門」「日の出」他多数。 女優業以外にも、02年よりW杯日本組織委員会JAWOC理事に就任、現在に至る。又、金沢大学講師を務める。文化に対する深い理解と造詣により日仏親善大使を務める等、 幅広い文化活動に活躍中である。 |
もし、私が教職課程をとり、先生になりたいと考えていたら、まさに、この安達俊子先生は、理想の姿だったといえるでしょう。先生のように、真摯に、心より生徒と接したい。そして学習の喜びも教えたい。 誰もが、教師となった最初にかかげる理想だと思います。でもご存知のように、現実は厳しく、日本は相変わらず学力主義です。義家さんの本を読み、ドキュメンタリーのビデオを見た時、子供達一人一人が、いとおしくてなりませんでした。そして、このような条件下の学校だったからこそ、今、一番欠落している部分を、大きく救いあげる教育ができたのではないかと確信しました。安達先生を、役の中で追体験しながら、子供達と、先生方と、前進できたらと思います。最後にこの役が、「数学」の先生ではなく、「英語」の先生であったことに、運の良さを感じています。さもなくば、お断りせざるを得ませんでしたから。 |
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(北星学園の名物教師 岸本孝一役) 1951年 福岡県生まれ 72年アイドル歌手としてデビュー後、ドラマ「俺たちの旅」「花神」「マー姉ちゃん」「徳川家康」「取調室」「夜桜お染」「俺たちの旅〜三十年」他多数。舞台「三銃士」「風と共に去りぬ」「夜叉が池」「にごり江」「雪国」「DEATH TRANP」他。 映画「サンダンカン八番娼館」「青春の門」「衝動殺人・息子よ」「ゴジラ」「望郷」「絆―きずなー」「その先の光へ」他多数において、安定した演技が高い評価を得ている。また音楽の才能を生かし、ミュージカル「スヌーピー」「J・D」「レイデイ・イン・ザ・ダーク」等多数に出演する他、ケーナ奏者としても国際的な活動を行い、アルバム「スペース」「ユーラシア」「ひととせー春夏秋冬」等をリリースして いる。 |
完璧な人間などこの世には一人もいない。誰しも弱さやもろさを持つ。 しかし、心が熱くなったとき、ウィークポイントにやさしいベールが舞いおりてく る。 そう、これは、まさしくベールを羽織った集団の物語だ。 子供を子供として接するには、大人が大人として存在しなければならない。 僕の心は、どこまで大人なのか疑問がよぎる。毛頭見栄をはるつもりはない。 率直に僕なりの大人として子供と接したい。 タカシくんという卒業生が北星余市の先生を許して、 「一生懸命なのにどこか抜けてる。でもかえってウソがなくていいよ。」と。 この言葉だけ受け売りにすると僕の居場所もあるようだ。 |
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(女生徒 西崎美紗緒役) 1985年 神奈川県生まれ 芸名のようだが本名。小学校6年の時スカウトされファッション誌やショーでモデルとして活躍。映画「リリー・シュシュのすべて」で映画デビュー。以後「GO」「ピカ☆ンチ」等話題作の出演が相継ぎ、「約三十の嘘」では、椎名桔平、妻夫木聡ら若手実力者と競演。さらに、「ガチャポン」「ハーケンクロイツ」では主演。つかみどころがない雰囲気が漂いながら堂堂とした演技。物静かそうなのに、表現の場を与えられると自分の存在を強く表す。心に深い傷を負う女生徒役に、深いメッセージを送り出す彼女の才能が抜擢された 。 |
私が演じる西崎美紗緒は、周囲から見ると、普通の子と何ら変わりのない女の子ですが、でも実は、心に深い傷を負っています。彼女の両親は、彼女に対して普通の子育てをせず、その一つ一つの仕打ちは18歳の女の子にとって、大きな心の傷を与えてしまいました。 幸せな家庭に育った私と、そうでなかった彼女との...心の差。 自分なりに美紗緒の心に近づいて行けるよう一生懸命取り組みたいと思います。 そして、原作者の義家さんの本当にあった、過去の事実を元にして作られる映画なので、その現実にあった世界に、少しでも近づけいて行けるように頑張りたいと願っています。 |
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(学生寮の親父 滝本博役) 1960年 富山県生まれ 87年の「まさかり先生の愛と冒険」から94年の「罠」まで東京サンシャインボーイズ公演に出演。テレビドラマでも、「古畑任三郎」シリーズをはじめ、「秀吉」「ぼくの魔法使い」「高原へいらっしゃい」「やまとなでしこ」「ワンダフルライフ」等。 映画も「マルタイの女」「ラヂオの時間」「GTO」「黒い家」「川の流れのように」「天使の牙」「巌流島」から「もののけ姫」のアテレコなど多数。今や父親役としても欠かせない日本演劇界の名優である。第34回ゴールデンアロー賞演劇賞。第40回ブルーリボン賞助演男優賞。第21回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞等を数々授賞。 |
子供たちは愛に飢えもがき苦しみ
その果てに暴走し、大人に、そして社会に牙をむく。 若さを武器にさまよう子羊たちを救う術があり得るのだろうか?北星余市高校にしても、ドロップアウトして行く生徒も少なからずいる訳で、当然のことながら完全なる聖地であり得るはずもない。 だから暗黒の中で、迷走する子供たちに言いたい。大人は、最初から大人じゃなかったんだよ! 世の大人たちも、この世に生を受けて、手探りで一生懸命生きてる訳で、そんなにカッコよく生きていないのが実状だ。大人のせいにしちゃいけない。自分で考えよーよ。この世に生を受けた意味。おかれている状況。 そして、人はけっして一人では生きられないということを。この映画で、様々な出会 いの中でゆれ動いている義家くんを観て、何かの励みになれば。そして生きていく上 での支えになればいいなぁ! |
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私たちは、「人間
そして愛」をテーマに、映画「典子は、今」「ビルマの竪琴」「人間の約束」「螢
川」「次郎物語」「ケニー」「一杯のかけそば」「稚内発学び座」「鏡の女たち」「葉っぱのフレディ」「夢
追いかけて」等、常に、心の時代を世に問う作品を製作してまいりました。
また国際映画祭にても、カンヌ・ベネチア・ベルリン・モスクワ・モントリオール・サンセバスチャン・サンフランシコ・タシケント・東京/ユニセフなどで、数々受賞してまいりました。 この度は、映画「不良少年の夢」義家弘介著(光文社刊)を製作させて頂きました。 今、日本の子供たち社会は、「イジメ」や「不登校」「ひきこもり」「非行」「自傷症」等、の問題が深刻に懸念されています。 心の繋がりが閉ざされ行く時代の中、大人たちも、傍若無人に振舞う子供たち、不登校の子ども達に悩みつつ、責任ある大人の行動がとれないという悩みに悩んでいます。 人は、誰も一人では生きられません。 今、私たちは、そうした心の関係の喪失現象を、世代を超えた社会全体の問題として受け止め、その再生を「地域全体の夢」とするべき時代を迎えてはいないでしょうか? 現在 北星学園余市高校の教員で卒業生でもある義家先生は、かつては、そんな心を閉ざした時代の中で、悲痛な叫びを上げる子供の一人でありました。 そんな少年が、やがて教師となる夢を育むに至る道のりには、子供たちが成長して行く上で、いかに「夢」が切実に必要であることを、明解に指し示しています。 家庭崩壊・学校崩壊・地域崩壊の現実に悩む私たち大人にとっても、本作品は、教育とは、まさに共育であることを、指し示してくれることかと存じます。 映画は大勢の観客が、同時空間で、共同感動のひとときを過ごすメディアです。かつて、映画「稚内発 学び座」は、映画の感動が一人歩きし、地域再生を目指す大きな心の輪が広がったものでしたが、本映画もまた、私たちの心の居場所が、少しでも広がる、ささやかな機縁となることを願って製作させて頂きました。 何卒、本映画「不良少年の夢」に対し、暖かいご理解・ご支援の程賜ります様、謹んでお願い申し上げます。 |
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写真提供協力:夢ネットのみなさま
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『不良少年の夢』
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