あなたに届けたい歌があります
岩崎宏美 27th オリジナルアルバム『Thanks』解説ページ


(Amazon画像のリンク貼りました。よろしければどうぞ〜。)
2009年5月20日発売 TECI-1248、\3,000(tax in)


※ビクターの紙ジャケ22枚復刻に関する情報はこちらへ。

この作品のおもな特徴

☆07年〜08年のシングル「シアワセノカケラ」「始まりの詩、あなたへ」を収録
特に後者は歌い直されて、よりドラマティックに!

☆感謝や自然体をコンセプトにした歌唱・歌詞・メロディーで全体に爽やかなテイスト

☆ヒロリン
(二度目の)結婚後初作品ということもあり、幸福感に満ちたアルバム
収録曲一覧
曲順 曲目 作詞 作曲 編曲 歌詞の情景
(思いっきり主観なので、適度にご参考下さい)
海のバラード
榊原智子 上新功祐 西脇辰弥 朝、夏、海、風
・・・どこまでも
自然を感じさせるラブ・バラード
心に咲く花 Rina indogo blue 古川昌義 柔らかく暖かな陽射しを感じさせる
フォーキーなスタイルのロック。
花のように 島影江里香 佐藤 晃 山川恵津子 季節ごとに咲く可憐な花を感じさせる
穏やかなミディアム・チューン。
桜色
−桜咲く日々に−

(Album Version)
三浦徳子 塩見卓史 野見祐二 嫁ぐ娘に贈る歌詞と壮大なストリングス
のタッグに心奪われるアップテンポ・ナンバー。
カナリア 遠藤幸三 野井洋児 山川恵津子 二度と逢えないかつての恋人を想う
メランコリックなミディアム調。
ヒロリンには珍しく長い歌詞(43行)。
風の休日 遠藤幸三 野井洋児 青柳 誠 向かい風の中でさすらい続ける男性を
歌ったスロー・ナンバー。
始まりの詩、あなたへ
(Album Version)
大江千里 大江千里 野見祐二 大切な人へのはなむけとなる歌詞と、
畳み掛ける“千里節”が印象的なバラード。
陽射しの中で
(NHKラジオ「深夜便のうた」
'09.4月〜6月)
下地 勇 下地 勇 野見祐二 夜が明け、雪が溶け、雨が止み、ゆっくり
歩き出す
自分を描いたアコースティック調。
シアワセノカケラ
(Album Mix)
池間史規 池間史規 古川昌義 過去の悲しみにとらわれずに、勇気や元気
をもって前向きに生きようとする人達

向けた優しいエールソング。
10 THANKS
(Album Mix)
古川昌義 古川昌義 古川昌義 転生を経て巡りあったかのような大切な人
に向け感謝を込めた
アンプラクト・ナンバー。
11 ARIGATO
〜未来を信じてwith Mori
はしもとみゆき 青柳 誠、
越田太郎丸
何らかの事情で会えなくなった「君」に感謝
しつつ未来へ進もうとする
自然体バラード。
作品解説
 ここでは、ヒロリン27枚目のオリジナル・アルバム『Thanks』の私の気ままな解説を書いてみます。

 えーと、初めに申し上げますと、私はヒロリン作品に関しては07年以降の一連の復刻プロジェクトにはずっぽり携わって
いるものの、テイチク/インペリアルレーベルでの新作に関しては04年の『Happiness』発売時の冊子の執筆以降、
企画にも執筆にも、ましてや本業の音楽マーケティングにも一切関わっておりません。ゆえに、ここでは
自分の思いのままに語らせて下さい。・・って、他でもかなり自由ですが(笑)。つまり、これは“仕事”ではないので、
より大きな懐でご覧下さい。とはいえ、結局、自分が生かしてもらっている意味は“リスナーと音楽を繋ぐこと” 
だと思っているし、どんな作品を発表しようと私が“ヒロリンの大ファン”であることには変わりないので、
この作品が気に入りそうな人たちに向けてアピールした上で、私だったらこんな作品
聞きたいな〜と書いてみます。
(今回の作品を否定している訳ではありません。)

 さてさて、今回のアルバムですが、一言でいうと、“何回聞いても、安らかな気分で眠くなる〜”というのが私の感想です。
他のアーティストでも、結婚前によく聞いていた中森明菜『CRUISE』とか、工藤静香『Purple』とか、河合奈保子『JAPAN』とか、
そういった作品は過去にもあり、いずれも今ではそれぞれに「好きなアルバム」なんですが、発売当時は、インパクトのある
数曲を除きいつも途中で寝てしまって、いずれも夏ごろの発売ということもあり、“安眠のお供”にしていたほどです。
なので、本作もいつかどこかのタイミングでアルバム全体を通して大好きになるんじゃないかなー、と期待しております。

 で、どうして“安らかになる”かと言うと・・・全体に“サラサラ”なんです、このアルバムって。
本作の特徴を箇条書きにしてみると、以下のようになります。

・歌詞がサラサラ 
 ・・・自然や人への感謝をキーワードにした楽曲が並び、1〜2回聞いただけでは、奇をてらうような突出したメッセージは
 さほどなく、全体で自然な風景や人の有難みや温もりが感じられるようになっています。
 ただし、その中でも「桜色」は時間軸に沿った流れがあるし、「カナリア」や「風の休日」は、人が去った後の寂寥感に
 ハッとさせられます。ついでにキャッチコピーも『Thanks』との繋がりはあまり感じられずサラサラですね。

・歌唱がサラサラ
 ・・・ヒロリンお得意のタメが殆どない。「風の休日」「始まりの詩、あなたへ」「THANKS」のサビあたりで多少出る程度。
 あとは、綺麗に、可憐に、素直に、まるで天使か妖精かのようにほがらか、さわやか、すこやかなボーカル。

・アレンジがサラサラ
 ・・・過去にもサラサラな歌唱の多いアルバムはあったけれど、『Me too』は80年代ならではの打ち込みサウンドだったし、
『FULL CIRCLE』は90年代ならではのAORサウンドで、それぞれにインパクトのある音作りなのに対し、今回は
とにかく音数が少なく、「これは、何かのアコースティック・バージョンだったかな?」と自らを尋ねたくなるほどにシンプル。
勿論、シンプルでも「THANKS」のようにボーカルだけがピンと立っていて、重要なメッセージが含まれていたり、
「桜色」のようにシンプルではなく、ストリングスとか泣きのアレンジを入れたものもあります。

 ということで、今回のアルバムは、(こんな言葉があるかどうかは別として)「大人のインテリア・ポップス」みたいな感じ
だと思っています。つまり、この歌詞がグサリと来るとか、この歌声に聞き入ってしまうとか、このアレンジは技巧的だなとか、
いちいちゴタクを並べるのではなく、流して聞いて、身を委ねていれば、体も心も健やかになれそうな感じ
今は、そういったご本人の実生活の要素もあるし、まるで“幸せのオピニオン・リーダー”のようにそれを象徴した作品で、
タイミング的に非常に有意義な作品だと思います。ですので、本作は、

☆「音楽が一番の趣味でないけれど、スローライフのお供として音楽を楽しみたい方」

☆「インストゥルメンタルではなく、かといって大衆に浸透したヒット曲でもなく、
 気負いなく女性ボーカルものを楽しみたい方」


☆「ネガティブな要素を見ることなく、
 自然体、かつ、ひたすら前向きな生き方やモノの考え方に共感できる方」


に、是非ともオススメしたいです。


以下、私の自分勝手な持論です。本作を既に気に入っている方、もしくは上記を読んで気に入った方は、
飛ばして、TEXT」を押して下さい。
わざと読みづらくしています。読みたい方は
善良に意識したうえで以下をどうぞ♪
なお、私は決して過去の栄光や歌謡曲に固執している訳ではありません。ご理解いただければ幸いです。)




 他方、私を含め、「音楽がないと生きられない!」とかほざいたり、音楽を要素ごとに楽しんではニヤニヤしたり、
人生って悲しみとか苦しみとか一杯でも、それに勝る笑顔を綱渡りしては、頑張ろうともがいていたりする人には、
本作の“サラサラ”は、ともすると通過してしまうのでは?と危惧しています。

 いえ、私は決して不幸ではないですよ。仕事にも私生活にも恵まれていますし、むしろオメデタイとすら思っています(笑)。
でも、現代って誰もが未来が分からないって戦々恐々としている中で、このサラサラ感ってどこか遠い国の話のような気が
するのです。もちろん、「せめて、夢の中だけは、普段の生活を忘れ去って」音楽を楽しむというスタイルも大有りです。
だからこそ、そういう人たちに薦めたいアルバムなのです。

 私自身の考えを言うと、やっぱり
ヒロリンって“ドラマティック”な作品が似合う人だと常々思っています。
ですから、
カバーだけではなく、オリジナルでもその路線を今以上に歌ってほしいと熱望するのです。

 例えば歌詞。1番と2番とを間違えて逆に歌っても通じるものではなく、ストーリーのあるものが凄くハマる
現に、本作の「始まりの詩、あなたへ」とか「桜色」とか歌詞の流れのあるものは、歌い直したら、良い意味で力みが入って、
物凄く訴えかけるボーカルになるじゃないですか。やはり、これこそ彼女ならではの円熟ボーカルだと毎回感動させられます。
つまり、ご本人もそういうものに自然と力が入るのだと思います。その為には、やはり、幸せ〜、自然〜と、一方向の感情を
描くのではなく、悲喜こもごも見据えた歌詞を歌って欲しいです。和菓子だって塩があってこそ甘味が栄えるというか。

 また、そこにも通じるのだけれど作家陣の起用も、ツアーのミュージシャンや、レーベルメイト関連、またそうでないとしても
ヒット曲を目指す為のアンテナと無縁の人達に偏っているかな?とも思います。いや、実績がないとダメとか、そういう
お役人仕事をしろと言っている訳ではありません。むしろ、私はそんな先入観だけで生きている人達、大嫌いなので。
なんというか、その方達の多くに、歌謡曲に対してのリスペクトをさほど感じないのです。(個々のミュージシャンや
アーティストとしては大好きな作品が多く、それぞれにリスペクトしています。あくまでも楽曲提供者としての相性だと
思います。) J-POPのヒットのツボや、過去のヒロリン作品のハイレベルぶりをより熟知して臨んでもらいたいのです。
サビをつい口ずさんでしまうような、インパクトのある歌詞、うっとりしてしまうメロディー、数秒演奏しただけで
歓声の沸くような強烈なイントロ
。声を聞いただけで誰だか判明してしまうような唯一無二の声の持ち主のヒロリンが、
匿名性の高い楽曲に寄り添うのではなく、やはり歌詞もメロディーも個性を目指して生み出して欲しいのです。

 そしてとどめに、アレンジがシンプルで、マスタリングも含めて、良い意味でのケバさが削ぎ落とされていると感じます。
過度に“タラレバ論”を語るのは嫌だけれど、これは無礼講で言わせていただきたい。05年「ただ・愛のためにだけ」は
最初からアルバム・バージョンのような熱唱と、ギターやドラム、ストリングスなどワザとらしいほど激しい展開の
アレンジが伴っていれば、もっともっとシングルとしてもヒットしただろうし、歌謡コンで歌った時も、それこそ秋元順子
「愛のままで・・・」みたいに「歌ってみたい〜」とオバ様方がCDをもっと手に取ったのではないかな・・・と思います。
決して、アラ還世代にコビを売れというのではなくて、例えば瀬尾一三、亀田誠治、船山基紀などなど
シングルを意識したアレンジが出来る人と、今後も、ココ一番のフックとなる楽曲ではコラボってほしいと切に願います。
(その一方で、アルバム『PRAHA』みたいな野見さんのアレンジの曲も壮大なオーラに浸れて素晴らしいと思います。)

 以上、グダグダと自分の要望も書いてしまいましたが、これはあくまでも発売1ヵ月後の一リスナーの意見ですし、
これのみが正論とは思っておりませんし、もしかして、私自身も、他のアーティストの“サラサラ”アルバムのように、
数年後 大好きになるかもしれません。なので、これを単純に「悪口を言っている」と捉えないでいただきたいです。







 ちなみに、テイチク
では7月末まで本作のアンケートを実施されています(現在は終了しました。)。
今回のような作品が好きな方は、そこで思いのたけを語ればよいし、どうも馴染めないという方は、それについて
真摯に伝えれば制作・宣伝のさらなる改善に繋がると思います。即売イベントで売上を保つのは一概に悪いことでは
ないけれど、そこで売れたとしてもタレント・パワーが分かっただけで、作品の良し悪しは計れないですからね。

 但し、冷静に意見しないと、「オタクの戯言」だと思われて迷惑フォルダに入れられるだけですから(苦笑)、
プラス思考でお願いしますね。あ、私の上記文章をコピペするようなことは避けて下さいませ(微笑)。

ということで、今回の作品、上記のオススメに該当する方には絶対に“買い”です。自分用やお友達・ご家族用にと是非どうぞ!


2009年7月5日(7月16日一部加筆) 臼井 孝(単なる一ファンとして)

 


関連ページ 「26thアルバム『Natural』作品解説ページ」

関連ページ「カヴァーアルバム『Dear Friends』推薦ページ」

関連ページ 1995〜1999:「高音質SHM-CD解説ページ」

関連ページ 1989〜1993:「『誕生』『家族』『きょうだい』BOX解説ページ」

関連ページ 1975〜1988:「LP24枚の紙ジャケ復刻CD解説ページ」

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