2008年5月7日作成

岩崎宏美 紙ジャケCD復刻シリーズ もっと紹介
オリジナルアルバム
『Love Letter[+2]』作品解説ページ

“どこを切っても、宏美ちゃん!!”

(Amazon画像のリンク貼りました。よろしければどうぞ〜。)

2007年4月25日発売 VICL-62280、\2,500(tax in)
(オリジナル発売日 1982年11月5日)

※紙ジャケ24枚の復刻に関する情報はこちらへどうぞ。

このアルバムから31年後に発売されたとっても爽やかな
オリジナルアルバム『Love』の解説ページはこちらへ♪


この作品のおもな特徴
☆全作詩&プロデュース(本編)岩崎宏美!3曲では作曲も(微笑)
☆豪華作家陣&錚々たるミュージシャンが参加!

☆自筆歌詞&自筆イラスト&オリジナル・ピンナップ(復刻サイズ)
☆ピクチャー・レーベル仕様
☆セルフ・ライナーノーツ収録(07年執筆)

収録曲一覧
曲順 曲目 作詩 作曲 編曲 参加ミュージシャン
南の島の忘れもの 岩崎宏美 佐藤準 佐藤準 山木秀夫、松原正樹、笛吹利明、佐藤準、
斉藤ノブ、河東伸夫、村岡建、広松美和子
夢のかけら 岩崎宏美 武谷光 萩田光雄 島村英二、富倉安生、芳野藤丸、吉川忠英、
田代マキ、山田秀俊、浜口茂外也、加藤JOEグループ
甘いせかい 岩崎宏美 水谷公生 佐藤準 山木秀夫、松原正樹、笛吹利明、佐藤準、
斉藤ノブ、河東伸夫、村岡建、広松美和子
深川 その1 岩崎宏美 岩崎宏美 海出景広 村上秀一、伊藤広規、土方隆行、海出景広
My darling
*デュエット:飯田久彦
岩崎宏美 竹内まりや 清水信之 林立夫、富倉安生、清水信之、ルイジアナ・パパ
I LIKE SEIJO 岩崎宏美 滝沢洋一 鈴木茂 宮崎金弘、美久月千晴、鈴木茂、笛吹利明、
国吉良一、佐藤準、斉藤ノブ、山川恵子、比山清
ときめき 岩崎宏美 浜田金吾 鈴木茂 宮崎金弘、美久月千晴、鈴木茂、笛吹利明、
国吉良一、佐藤準、斉藤ノブ、衛藤幸雄
ワン・碗 岩崎宏美 岩崎宏美 海出景広 海出景広
今夜のあなた 岩崎宏美 大野克夫 清水信之 出部金時
10 深川 その2 岩崎宏美 岩崎宏美 海出景広 村上秀一、伊藤広規、土方隆行、海出景広
11 やさしい妹へ 岩崎宏美 萩田光雄 萩田光雄 島村英二、富倉安生、芳野藤丸、吉川忠英、
田代マキ、山田秀俊、浜口茂外也、加藤JOEグループ
<ボーナス・トラック>
12 思い出さないで
(シングル・バージョン)
中山大三郎 中山大三郎 青木望 羽田健太郎、Kazuya、市原康、芳野藤丸、
吉川忠英、浜口茂外也、金山功、大野グループ
13 メラニーに 福田一三 長部正太 清水信之 (不明)
作品解説
 ここでは、今のところ唯一全作詩ヒロリンのアルバム『Love Letter』をご紹介させて下さい。
(ご注意:以下にアルバム紹介の経緯をグダグダ語っておりますので、アルバム本体の魅力を
知りたい方はいきなり<解説本編>に飛んで下さい。)

 その前に、このアルバムを紹介したいと思うようになった経緯を申します。この22枚のヒロリン復刻シリーズは、
各メディアで賞賛されるほどの着実なヒットとなり、限定で発売されたのに、いまだに追加注文がある
という異例の売れ方
を続けています。(さらに、後の復刻ラッシュやボーナス・トラックの考え方にも
影響を与えました。)
 そして、これまた紙ジャケの売れ方としては異例なのですが、ヒロリンのシリーズは、22枚のうち最大ヒットと
最小ヒットの差が、既に2倍以上に拡散
しています。普通の紙ジャケでは、その差があっても1割程度で、
だからこそBOXにして“タコツボ・マーケティング”(日経BPさんのお言葉拝借(笑))をするのが最適なのですが、
ヒロリンの場合は、全部買い揃える超コアなファンを既に超えて広まっているためか、22枚の売れ行きが
全くバラバラで、各作品の魅力が各々の特性を好むファンに届いていて、まぁこれはこれで、
当初に想定したコンセプトどおりに支持されている証拠なので、とても嬉しいことでもあります。

 ・・しかし、全22枚が着々と売れるなか、この『Love Letter』がどうにも鈍いのです。初CD化ということや、
第一期〜第二期の10枚(『あおぞら』〜『WISH』)までの前評判で、初回枚数はかなり多かったので、
トータルでは決して悪い数字ではないのですが、その売上の伸び具合が如何にもコアファンだけにしか
届いていないような状況で、私はやや意外でした。

 というのは、私自身、遅々として進まない復刻プロジェクトの中で、もし22枚の復刻が難しいというのなら、
せめて『緋衣草』『夕暮れから・・・ひとり』『Love Letter』『私・的・空・間』『I WON'T BREAK YOUR HEART』だけでも、
世に出して欲しい、そして、その売れ方を見て他のも検討して欲しいという段階的戦略も考えていたほど、
この5枚は売れると読んでいました。そして予想通り、うち4枚は今もかなり良い感じで売れ続けているので、
“周りの見えないオタク”的な烙印を押されることなく、今も無事に生きながらえているのですが(笑)
5作のハザマにある『Love Letter』だけが見事に陥没しているのです(汗)。

 まぁ、後出しジャンケン的な分析も出来ますよ。本編はノン・シングルだし、ボーナス・トラックも少ないし、
他より鈍っているんだろう、と。ですが、本作は全作詩、自筆歌詞&イラスト、その他ディレクションを含め、
22枚中最もヒロリンの意向が反映されているはずだし、今でも最新アルバムがTOP100入りするヒロリン
なら、その忠実なファンの方々が、まずはこの『Love Letter』は買われるだろうと、タカをくくってました。
当時の売上も、“マドララ”ヒットも手伝って、TOP20入りするほど決して悪くなかったし。
・・・ですが、実際は明らかにファンの方の“避けられてるかもしれない予感”がそれとなく伝わってくるのです。
そこを、なんとか“愛されてるかもしれない期待”でかろうじて繋ぎたい、いや、実際にそうしたい!

ということで、この作品については、特に売り伸びる余地があるのでは?と想像し、紹介ページを作ってみる
ことにしました〜。(重ねて申しますが、『Love Letter』は、通常紙ジャケに比べると倍以上の高セールスで、
もし“誤算”と言うのなら、それは 他4作が上方に大きく売り伸びていることを指す方が適切です。)
 


<ここから、ようやく解説本編!>
 さて、ここから作品の内容について、さらにグダグダ語ります。

 まず、このアルバム、全部の作詩がヒロリン本人で、他のアルバムと比べると著しく変わったものに
なっています。ご本人は、ライナーノーツによると“作詞というよりも○○”(←正解は、CDをご確認下さい(笑))
と謙遜され、また浜田金吾さんの的を射た(笑)指摘通り、確かに素人感覚は多少見られます(微笑)。
「どろんこ時代」/「いかした時代」とか「真剣な仕事だった」とか、ちょっと他では見られない言語感覚は、
82年当時、既に“大人のシンガー”として確立していた歌唱力と比べると、竹を割ったように
なんともストレートで、少女のまま大人になったかのようで
ギャップが大きく、それは
歌手生活をメインとしていた分、一般の女性ならば日々の生活に晒されながら変化するであろう
複雑な心理面はピュアなままだったのかなぁ、と勝手に想像してしまうほどです。

 しかし、随所に“おや!これは一つの才能では?”と思わせる要素もあります。
(「おや!」は他作のキャッチ・コピーから拝借(笑))まず、「南の島の忘れもの」「夢のかけら」
「甘いせかい」「やさしい妹へ」の4曲は、1コーラスの前にバースが置かれています
ヒロリンのヒット曲では「二十才前」「万華鏡」「夏に抱かれて」など、バースがあるのは珍しくありませんが、
1つのアルバムに(しかも、即興系3曲を除くと8曲中)4曲もあるというのは、他のアーティストでも
まず見当たらないのではないでしょうか。しかも、それがいずれも効果的にその後のお話に
繋がっています。そのメロディーの起伏から、「詞先」で作られたことは容易に想像できますし、
そう考えるとこの作詩術はヒロリンの“才能”とも受け取れます。

 そして、歌詞にきちんとストーリーがあるのもポイントです。南の島での(おそらく)“ゆきずりの恋”を
唄った「南の島の忘れもの」、“とけてしまいそう”“おくり狼”“からめ合って”などなど、なかにし礼 風(?)の
赤裸々な描写が続く「甘いせかい」、まるでヨシリンの未来の結婚式に向けて祝辞代わりに作られたんじゃ
ないか、と妄想(あくまでも妄想です)できるほど愛情が伝わってくる「やさしい妹へ」などは、
情景抜きで「ガンバレ」「キセキ」「アイヲオクル」などと延々綴っている近年の自作ミュージシャンの
多くに見られる表層的な歌詞よりも、遥かに歌詞らしいのではないでしょうか。
即興で作ったという「深川 その1/その2」や、「ワン・碗」のコミカルさが目立つことや、
それ以外で“いかにもサビ!”というような作家的な言葉が少ないことで、意外と見落としがちですが、
別冊ブックレットで歌詞だけ読んでみると、また違った魅力が発見できると思います。
(ちなみに、「my darling」や「I LIKE SEIJO」などサビがサビらしい歌もありますので念のため。)

 次に、豪華作家陣&ミュージシャンの参加も見逃せません。まず作曲では、この年から女性歌手への
楽曲提供が評判を得てきた竹内まりや作曲のラブ・バラード「my darling」(しかも珍しいデュエットもの)、
いかにもジュリー歌謡な大野克夫作曲「今夜のあなた」、後の「聞こえてくるラプソディー」の土台かと
思わせる優しいメロディーの浜田金吾作曲「ときめき」などヒットメーカーが多数参加。私個人は、
サビの中高音が快感のドリーミング・ポップス「I LIKE SEIJO」(滝沢洋一作曲)が好きだったりします。
 そして、参加ミュージシャンは、数多くの伝説を有する錚々たる面子。間奏のギターが激情に
繋がっていく「夢のかけら」(芳野藤丸)、コミカルな歌詞とは裏腹にスリリングなドラムの「深川その1/2」
(村上“ポンタ”秀一)、泣きのストリングスがクライマックスを盛り上げる「やさしい妹へ」(萩田光雄編曲)
などなど、枚挙にいとまがありません。前述の「I LIKE SEIJO」がやけに立体的なのは、鈴木茂の神業
によるところも大きいのでしょう。全体にボーカル・マイナス・トラックを欲しい人がいるのではないかと
思うほど、演奏がすごい事になっています。当時、LPやカセットで分かりづらかったかもしれませんが、
今回のリマスタリングで、もう様々な楽器があばれはっちゃけているのが明白。勿論ヒロリンの
ボーカルも、当時の“こくまろ”っぷりが存分に堪能できます(コミカルな即興ソングも、楽しいです)。

 更に、片面がカラー・ピンナップ、もう片面が自筆歌詞やイラスト、写真満載の歌詞カードとなっている
4つ折ポスター(の復刻版)も封入され、それぞれの楽曲からインスパイアされたと思われる絵が
載っていて、これも見ていて楽しいです。CDの盤面も当時のLPからのピクチャー・レーベル仕様で、
こちらも本人のイラストによるもの。LPのもう片面に載っていた当時のワンちゃんたちは別冊ブックレットに
掲載されています。その他、歌詞カードにはこのアルバムへの想いもこれまた自筆で綴られていて、
まさに “とっても とっても 力の入った作品”(当時コメントより)ということがよく分かります。

 
 以上、この作品の魅力について、こんな文章でも伝わりましたでしょうか。(「まだ充分じゃない」
という方は、どうぞご自身の口コミをよろしくお願いいたします!) まぁ、歌詞については
“優等生・岩崎宏美”という想像の斜め上を行っていることは否定しませんとも、えぇ。
でも、それだけにこのアルバムでしか味わえない魅力も満載で、ヒロリンファンなら、きっと満足いく
はずです。・・というか、歌謡曲も童謡も洋楽カバーも海外録音もオールラウンドに楽しめるファンの方が、
この作品を私以上に楽しめないはずがありません!まさに“どこを切っても宏美ちゃん”な訳ですから。

 ということで、この作品をお持ちでないという方、どうぞなくならない内に、お求めいただければ幸いです。
“この作品、出すべきですって!”と啖呵を切った私を、どうぞ見捨てないで下さい(笑と書いてマジ)。

追伸:「今夜のあなた」の当時の匂いプンプンの微笑ましいシンセを演奏している“出部金時”さんとは、
一体どなたなのでしょうか?(敏腕ディレクター小池秀彦さん=海出景広 のまた別の変名?) 
謎が解けましたら、お知らせ下さい。


2008年5月7日(随時加筆) つのはず誠(作品解説)/臼井 孝(企画)

 


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