2008年7月12日作成 

岩崎宏美 紙ジャケCD復刻シリーズ もっと紹介 (2)
オリジナルアルバム
『Me too[+7]』作品解説ページ

“今、あなたと同じ気持ちでいれることがとても嬉しい。だから、Me,Too.”

(Amazon画像のリンク貼りました。よろしければどうぞ〜。)

2007年5月23日発売 VICL-62288、\2,500(tax in)
(オリジナル発売日 1988年7月21日)

※紙ジャケ24枚の復刻に関する情報はこちらへどうぞ。

この作品のおもな特徴

☆LP時代&結婚前 最後となる通算19枚目のオリジナル

☆涼しげな夏にピッタリ!爽やかで軽やかな作品でドライブにも最適

☆ボーナス・トラック7曲収録(うちオリジナル・カラオケ3曲)

☆セルフ・ライナーノーツ収録(07年執筆)

☆帯は紙ジャケ共通の短冊型とシール(封入)の2種類(笑)

☆パワフルなイメージの歌手が苦手な方、また岩崎宏美作品でも 
『FULL CIRCLE』『Happiness』『Natural』などが好きな方にオススメ

☆ワンポイント・レビューも追記しました。

 このアルバムを何回も聞いていると、ヒロリンだけではなく、ミュージシャンも、作家スタッフも、
決して奇をてらうことなく、自然体で、上質の楽曲を目指していることが遅まきながら分かってきました。
そういった一見して魅力が伝わりにくい作品の理解の一助になればと思い、
ワンポイント・レビューを主観ながら付けてみました。ご参考になれば幸いです。

収録曲一覧
曲順 曲目 作詩 作曲 編曲 参加ミュージシャン
ワンポイント・レビュー
Dance with a loneliness 影森 閏 和泉常寛 和泉常寛 山田秀俊、長谷部徹、土方隆行、
安倍均、本田淳子、広谷順子、山梨鐐平
別れ際、まだ好意が残っている女性の心情を綴ったドライブ感の強いナンバー。
イントロのギターサウンドとコーラスの掛け合いが織り成す一瞬の“間”が絶妙。
私らしく 影森 閏 和泉常寛 和泉常寛 山田秀俊、長谷部徹、土方隆行、
安倍均、本田淳子、広谷順子、山梨鐐平
昔の彼から携帯電話(時代を先取り!)が鳴るけど、一人海外で気ままに過ごすというアッパー・チューン。
イントロやアウトロで流れるシモンズの鳴り響く音が涼しさを助長する。
Southern wind 影森 閏 和泉常寛 中村 哲 中村哲、高水健司、長谷部徹、今 剛、
松武秀樹、迫田到、比山清、木戸泰弘、
広谷順子、平塚文子
前作に続く一人の楽しさを、和泉常寛氏の真骨頂とも言える夏らしいシンセサウンド(80年代バップサウンド?)
に乗せた軽快なナンバー。エスパドリーユ、オペラグラスという歌詞中のキーワードがバカンス感を演出。
Interval 上杉伸之助 濱田金吾 中村 哲 中村哲、富倉安生、島村英二、今 剛、
迫田到、石田鉄男
別れた男女がもとの鞘に納まるというまったりとしたラブ・ストーリーを乗せたミディアム・ナンバー
全体に抑えて歌うなか「さがしーもせずに」の「さ」に愛しさが凝縮されているよう。
I miss you so long
(さよならもいいね)
影森 閏 和泉常寛 中村 哲 中村哲、高水健司、長谷部徹、今 剛、
松武秀樹、迫田到、比山清、木戸泰弘、
広谷順子、平塚文子
1〜3の別れ→自由→再会という流れかと思いきや、ラストは再び“別れ唄”。ただ、その寂しさや恋の余韻も楽しめる
大人ならではのスロー・ナンバー。空気に溶けそうな優しいボーカル(特に、ラストのウィスパー)にとろけろう(笑)。
聞こえてくるラプソディー
(通算44枚目シングル)
上杉伸之助 濱田金吾 戸塚 修 永田一郎、美久月千晴、青山純、芳野藤丸、
木村誠、友田啓明グループ、小山田祐治
前作と一変して、こちらは恋愛モード最高潮のメロウなバラード。ヒロリン史上、最も繊細に歌われていることから
誰が歌っているか分からない人もいそう。当時のご本人の状況も反映させたのかNaturalなHappinessがテーマ。
最初広いBEDに座った 上杉伸之助 濱田金吾 戸塚 修 中西康晴、美野春樹、伊藤広規、宮崎全弘、
角田順、木村誠、EVE、梅原篤
分からず屋の男性を残して一人海外に旅立った女性の揺れる気持ちを綴る。(だからBEDが“広い”のです。)
Aメロ、Bメロとメロウに歌いつつ、サビで従来のヒロリン節全開となるドラマティックな展開も本音爆発という感じで◎。
あなたのいらだちと私の理由 上杉伸之助 濱田金吾 中村 哲 中村哲、富倉安生、島村英二、今 剛、
迫田到、石田鉄男
一途だからこそ少しじらして距離を置こうとするOLさんの日常を歌った竹内まりや風のミディアム・ナンバー。
こちらもサビの“Talk to your/my heart”の高揚感でハッとさせられる。従来ファンの方は7,8から聞くのがオススメ。
唐突 上杉伸之助 濱田金吾 戸塚 修 伊藤広規、角田順、宮崎全弘、永田一郎、
木村誠、梅原篤、濱田金吾
リオのカーニバルで恋にはぐれる女性の心情をフュージョン系のサウンドに乗せたアッパー・チューン。
(「ミ・アモーレ」の悲劇版?) この作品では、特にベース、パーカッションが効果的に使われていて非常に立体的。
10 さよなら夏のリサ 上杉伸之助 濱田金吾 戸塚 修 渡辺直樹、富樫春生、幾見雅博、宮崎全弘、
小山田祐治
過ぎ去った夏の日の恋に、風に癒されながら別れを綴るスロー・ナンバー。「死ぬことさえ考えた」ことからも、
その深さがうかがえる。2コーラスとリフレインの間のガット・ギターがなんともメランコリックで泣ける。
<ボーナス・トラック>
11 未成年
(通算45枚目シングル)
山川啓介 三木たかし 萩田光雄 (クレジットなし)
12 透きとおった時間
(通算45枚目シングルc/w)
山川啓介 三木たかし 萩田光雄 (クレジットなし)
13 夢見るように愛したい
(通算46枚目シングル)
売野雅勇 林 哲司 大村雅朗 (クレジットなし)
14 A PIECE OF MIND
夢見るように愛したい
〜English Version〜

(通算46枚目シングルc/w)
英詩:
R.Wright
林 哲司 大村雅朗 (クレジットなし)
15 決心(カラオケ)
(通算36枚目シングル)
山川啓介 奥 慶一 萩田光雄 (クレジットなし)
16 夜のてのひら(カラオケ)
(通算41枚目シングル)
来生えつこ 筒美京平 武部聡志 江口信夫、美久月千晴、青山徹、武部聡志、
木村誠、東郷昌和、桐ヶ谷俊博、本田あつ子
加藤ジョーグループ、森俊彦、大竹鉄男
17 未成年(カラオケ)
(通算45枚目シングル)
山川啓介 三木たかし 萩田光雄 (クレジットなし)
作品解説
 
 皆さま、こんにちは〜。今回は、ヒロリンの紙ジャケ復刻CDの個別紹介第2弾をお送りします。多分、このペースだと
22枚全部は全く無理ですが(笑)・・・つーか、第1弾のアクセス数も全く多くないし、他の作品みたいにAmazon購入にも
繋がらないし、こんな非生産的なことしても虚しいな〜〜、とかも考える訳ですが、最近2つの嬉しいメールがありまして

 1つは、25年ほどファンから遠ざかっていたが、本サイトにある紹介などを見て、復刻CDをほぼ全部揃え楽しい日々を
過ごしているという方からの御礼メール。こんな私でもお役に立てることがあると分かると嬉しいです!そして、もう1つは、
『ROYAL BOX』の感想で、「三人娘やフルーツ衣装の全容など、ブックレットの写真が、ライナーノーツに関連づけて
選ばれている」「LIVEのMC部分がマイナス表示になって、頭出しやシャッフル演奏の際、煩わしさがなくVERY GOOD!!」
といった賞賛メール。いやぁ〜、さすがヒロリンファン。気付く方は気付いてしまうのですね。

  ということで、すっかり気分を良くした私、“おだてブタ”さながらに今回も紹介ページを作ってみました〜。

 今回は、第一独身期(微笑)最後のアルバム『Me too』を取り上げたいと思います。このアルバム、『ファンタジー』
とは対照的に(汗)セールスが底抜けています。 (・・・と言っても、これまた言い訳がましく注釈しますと、確実に4桁で
他アーティストの紙ジャケ平均より間違いなく売れているので問題ではありません。) 私自身、ヒロリンファンの中でも
「『Me too』が一番好き!」という方に出逢ったこともありません。・・・つーか、“ファン”を公言する人の中では
皆無なのではないでしょうか。かくいう私も、95年(私がヒロリンのオリジナルを数ヶ月の間に買いまくった“ヒロリン元年”)
、このCDを購入した当時も、通しで聞いたことは殆どなく、比較的ホットでヒステリックな歌唱が楽しめる
「最初広いBEDに座った」〜「あなたのいらだちと私の理由」の2曲だけを掻い摘んで聞いてたような気が・・。
その次の「唐突」は基本的に好きな曲調なのに、サビが唐突に終わってしまう感じが消化不良だったし。私の初ヒロリン
CDである『My Favorite Song II』(89年)収録で『Me too』リード・シングルである「聞こえてくるラプソディー」もスルーして、
いつも「未成年」をリピートしてたような・・・。(←なお、この「聞こえてくる〜」に代表されるようなこの当時の歌唱を抑えて
歌った理由(推測)はセルフライナーノーツをどうぞ。)

 ここで、なぜこの作品に入り込めなかったのかな〜と自己分析してみます。
まず、全体にアレンジや歌声が軽やかで、悪く言えば楽曲自体あまり印象に残らない、ということ。そして、歌詞も薄味
(特に英語部分は音感重視で書かれた感じ)で、聞いた後にどういった内容なのか理解していない、ということ。さらに、
作詞の影森氏と上杉氏の担当割り振りが中途半端に前半と後半に分かれていて、当時バリバリ理系だった私は
この非対称性がなんか心地よく無いな〜と思ったり。(←これは、殆どイチャモンの世界ですね)

 ちなみに、95年の新作『FULL CIRCLE』も一見して薄味ですが、コチラは演奏とか歌詞とか歌唱とか、繊細なレベルで
物凄くこだわりが見られ、マニア的にかなり楽しんで聞いてました。(一見澄んでいるが濃厚な鶏がらスープ的な味わい)

 というような理由で、『Me too』は、私の中でほぼ間違いなく“最も聞いていなかったのですが、今回の紙ジャケ復刻を
機に大きく変わり、“かなり聞いている作品”に変わりました!
特に、
夏に向けては一番好んで聞いております!

 キッカケは、マスタリング音源で歌と演奏のバランスをチェックしている時に、非常に心地良く感じたからです。
それまでの私のヒロリン聞き作法(笑)は、基本的に 主役=ヒロリン がどんな歌い方で、どんな歌詞なのかばかりに
集中し、あとはスティーブ・ルカサーの超絶ギターとか、EVEの扇情コーラスとか、京平先生編曲のストリングス洪水とか 
極端なオプションしか耳が無かったと思います、多分。しかし、このアルバムを歌詞や歌唱ではなく、全体の音に分散させ
て聞いてみると、バランスの良さに気付きます。これって、なんとなーくの軽い気持ちで聞けて、曲によって、
まったりしたり、しんみりしたりはあるけれど、後腐れがなく歌は歌として楽しめる別の喜び
があります。私は、
歌を聞いて、人生を変えてしまうほどの人間だったので、こういう聞き方を疎んだり蔑んだりして、その結果、こういった
喜びを若かりし頃、逃してきたのでしょう。

 で、この軽さって、一般の音楽ファンの方が“アーティスト・岩崎宏美”に最も期待していない部分で、また
「重い」「自慢げ」「生真面目」(←皆様ごめんなさい、私の言葉ではありません)とヒロリンを敬遠する人の音楽の聞き方
そのもの。つまり、『Me too』は、そういう人にオススメなのです。・・・って、
このディープなヒロリン・サイトで喚いても
効果ゼロでしょ
(苦笑)。←いえ!ここをご覧のディープな音楽ファンの方でも、『Me too』は既に古いCDで持っているから
別にいいやと思ったり、作品の魅力を軽視していたするでしょうし、そうやって復刻版『Me too』をネグっている人も
要注意です!(笑)

 あと、全体に漂う心地良いドライブ感は、軽快なアレンジだけではなく、歌詞中に車や旅に関するキーワードが
さりげなく散りばめられている
ことも大きいです。さらに、そのストーリーもあらためて読んでみると、「好きだけど
距離を置きたい」「別れても感謝の気持ちが残る」など、繊細な大人の気持ちを表している気がします。
これは、阿久悠先生の「あなた×私=LOVE!」みたいなストレートな路線でもなく、
山川啓介先生の「戦場とか橋とか夕映えと夜空とか地球を回す」とか壮大でもなく、
松井五郎先生の「手慰みとか娼婦とか10年はやいわ!」とか悪女フェロモン全開でもなく、
ただひたすら等身大、だけど大人だけが理解できる感情だと思います。そういった本人の微妙な感情をより忠実に表そうと
2人の作詞家とガッツリ組んだからこそ、この作品では音楽スタッフのうち、作詞家お二人のみを「Special Thanks」として
クレジットしたのかな、なんて勝手に想像したり。作家をこういう風にクレジットするというのは、中森明菜アルバム『不思議』
における吉田美奈子&EUROX並み、あるいは本田美奈子.のクロスオーバー作品における岩谷時子並みの多大な
貢献があったのかもしれない
ということです! (真相は分かりませんでしたが。)

 ということで、このアルバムは、ヒロリン・ファンの方は、一度ヒロリンのアルバムという事を忘れて、社会人数年目
あたりのご自分を思い出しながら聞けば十分楽しめます
し、特にファンでもない方は、当時チャートを上り始めた
杏里、今井美樹、岡村孝子あたり
がお好きであれば、あるいはその後でもZARDの爽快感とか、
菊地桃子は苦手だけどラ・ムーは好き
(笑)という奇特な方にも是非オススメです。リマスタリングで、
大きく生まれ変わっているのも本作の大きな特徴で、実に爽快です。

 なお、私がこれだけ言っても“聞かん坊”のファンの方は、ボーナス・トラックの「未成年」とか「A PEACE OF MIND」
従来のマッタリ・ヒロリンを堪能なさって下さい。(特に、「A PIECE OF MIND」はネスカフェのCMタイアップを狙ったの
では?とか妄想してしまうほど、グリッターな英語の歌い上げ) もしくは、「決心」「夜のてのひら」「未成年」の
オリジナル・カラオケで自らマッタリと歌い上げなさるのも良いと思います。

 それでもダメだという人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お願い、とにかくお買い求め下さい〜〜!(←泣き脅し)

 ともあれ、ヒットしていないアルバムでも自分の耳で正当な評価を見出せた時、ちょっと嬉しくなりますし、そして、
それがたまたま誰かと繋がった時、さらに嬉しくなるもので、この『Me too』は、それに十分値する作品だと思います。




2008年8月10日(随時加筆) つのはず誠(作品解説)/臼井 孝(企画)

 


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