2012年7月14日作成

岩崎宏美・妄想ミステリー「黄昏ジェラシー」

(Amazon画像のリンク貼りました。でも、価格高騰にご用心!)
<おことわり>
以下の記述はすべて私の
妄想なので、これをあたかも事実のように
Wikipediaに転載したり、ドヤ顔でどこかのコミュニティで吹聴したり
なさらぬよう、どうぞよろしくお願い申し上げます♪

☆☆感想をメールなりブログなりTwitterなりで頂戴できると、とても励みになります!!
<目次>

実は、シングル候補だった??

意外なところに乳姉妹!

異名同曲の歴史に学べ

妄想探偵・誠ちゃんの結論
<参考CDのご紹介>
ディズニー・ガール[+6]
オリジナル発売は1983年10月21日。2007年の紙ジャケ
復刻にて、この物語の主人公「黄昏ジェラシー」が
唯一聞けるCDに。LPでは、1981年12月5日発売の
2枚組『EXCEL ONE 岩崎宏美のすべて』に初収録。
すみれ色の涙から・・・[+5]
オリジナルは1981年11月5日発売。
2007年に紙ジャケ復刻にて、
ボーナス・トラックに『EXCEL ONE』の5曲が収録。
ウィズ・ベスト・フレンズ[+2]
オリジナル発売は1977年5月25日。2007年に紙ジャケ
復刻。「悲恋白書」と「メランコリー日記」が聞ける。
ボーナス&リマスタ抜きなら1994年のQ盤もどうぞ。
戯夜曼[+9]
オリジナル発売は1985年6月5日。2007年に紙ジャケ
復刻。「射麗女」と「決心」、初期カラオケ曲9曲が聞ける。
中島みゆき『Singles』
オリジナル発売は1987年8月21日。
その後、1994年、2004年に再発売。
「誘惑」収録。
☆実は、シングル候補だった??

 皆さんは、ヒロリンこと岩崎宏美(ここでは愛をこめて“ヒロリン”と呼ばせていただきます)が歌う「黄昏ジェラシー」という楽曲を、憶えておいでだろうか。「すみれ色の涙」がリバイバルヒットした1981年の年末に、未発表曲をふんだんに収録した変則ベスト『EXCEL ONE 岩崎宏美のすべて』で発表されたものの、長くCD化されず、それから26年後の2007年4月25日(ちょうどデビューからまる32年!)の紙ジャケ復刻シリーズ『ディズニー・ガール[+6]』のボーナス・トラックとして初CD化した楽曲なので、シングルだけのファンや、近年の爽やか&穏やか路線以降のファンの方はご存知なくて当然だろう。かくいう私も、90年代からの後追いファンで、95年〜96年の数か月の間に過去の名作を一気に買いまくり聴きまくったが、この作品はあまり憶えていなかった(汗)。

 そんな私だが、2007年に紙ジャケ復刻企画に携わることで、ご本人のライナーノーツ聞き取り用に、前もって準備するために、あらためてこの作品を聞いて驚いたのだ。

「この作品、不自然なくらいに、めっちゃ惜しい!」

 大げさなまでにドラマティックなイントロは、シングルを相当に意識しているし、Aメロの中低音も、サビの「恋の彩(いろ)はジェラシー」のややヒステリックな終わり方も、ヒロリンの超得意な声を意識しているし、メロディーはデビュー当時から要所要所でヒロリンを支えてきた萩田光雄ならではの力作で、単にアルバムの数合わせで作られた実験作とは考えられないほど、ヒット狙いなのだ。

 だけど −ものすごく“上から目線”で申し訳ないのだが− 詞があまりに杜撰・・・。タイトルとか、キーワードとかは良いのだが、全体の感情がチグハグなのだ。しかし、作詞の小林和子は、当時でも田原俊彦「恋=Do!」とか桜田淳子「ミスティー」とか既にヒット実績のある人なので、これは彼女の力不足というよりも、時間のない中の急務で、あれこれ二転三転した後に、シングルがボツとなり、ここで、そのお蔵入り集として世に出たのではないかなぁ〜と
妄想した。

☆意外なところに乳姉妹!

 ここで、あらためて『EXCEL ONE』の初収録曲を見てみると、「思秋期」「万華鏡」の別バージョンがあったり、『パンドラの小箱』や『10カラット・ダイヤモンド』のボツ作と思われる筒美京平作曲・編曲があったり、「すみれ色の涙」「れんげ草の恋」に続くような草花シリーズ(当時『窓辺のサフラン』というオリジナル・アルバムが発売予定だったとか)があったり、ここ数年のシングルやアルバムとリンクした作品が多くて興味深い。・・ということは、この「黄昏ジェラシー」も、この時期の何かとリンクしたものではないかと、これまた
妄想(2回目)したのだ。

 1978〜1981年あたりのお蔵入りと言えば、1981年の一発目に予定されていたシングル「メルヘン(仮)」が挙げられるだろう。これは、当時の予約発注書や本人のラジオで、「新曲は中島みゆきの書き下ろし」ということが告知されていたが、最終的には、オフコース(当時)の松尾一彦書き下ろしの「胸さわぎ」に変更された経緯がある。
 この「メルヘン(仮)」は、一部ファンの間ではその翌年に中島本人が歌ってヒットしたシングル「誘惑」ではないか、と推測されているらしい。確かに、

・前半の物語性は、どこかメルヘンチック(「メルヘン」というタイトルでも違和感なし)

・当時の中島みゆきには珍しく前向きな結末(提供曲だった可能性有り)

・何よりサビの「あなた」「わたし」は、ヒロリンお得意のキーワード
 (おそらく、ヒロリンサイドから発注があったはず。ちなみに、中島みゆきは
 「ん・色っぽい」とか「あるある・る・る」とか、強引なクライアントにも忠実(笑))

など、「誘惑」が提供作らしきことは、とても納得がいく。そんなこともあったな〜と思い出しながら、「黄昏ジェラシー」のメロディーに試しに「誘惑」の歌詞を載せて歌ってみたら・・・、なんと!

「誘惑」と「黄昏ジェラシー」は、ほぼ同じように歌えてしまうのだ。これにはかなり驚いた。しかも、よく見てみると、

・Aメロ→Bメロ→サビ という曲想が全く同じ

・サビのラストに、Aメロのラストと近似メロディーを置くという珍しいパターン

・他にもところどころメロディーが似ている(「黄昏〜」は「誘惑」の音域を上下に広げた感じ)

などの共通項から、「黄昏ジェラシー」は、「メルヘン(仮)」をもとに、よりヒロリンにカスタマイズされたメロディーで作られた楽曲ではないか、と
妄想(3回目)した。しかも、前年に発売された岩崎宏美のアルバムの中の隠れた楽曲「黄昏ジェラシー」によく似た作品を、中島みゆきが全くの偶然のオリジナルとして後から発表するのも不自然だし、やはり「誘惑」の根幹はもともと1981年以前に作られていたことが濃厚だ(妄想4回目)

☆異名同曲の歴史に学べ

 ちなみに、ヒロリン楽曲ではメロディーの差し替え可能が他にも見られる。まず、ファンに最も有名なのがシングル「悲恋白書」(編曲は萩田光雄)とアルバム『ウィズ・ベスト・フレンズ』収録の「メランコリー日記」(こちらの編曲は青木望)。マイナー調とメジャー調の2曲を作った上で、メジャー調のものがシングルとして採用され、残ったマイナー調に歌詞がつけられた。

 そして、もう一つは、アルバム『戯夜曼』収録の「射麗女(しゃれいど)」とシングル「決心」。実は、このアルバムも、全作詞:松井五郎と思いきや、シングルの「決心」のみが(「聖母たちのララバイ」等でヒロリン実績が大きい)山川啓介の作詞というのが個人的に気になっていたのだ。普通、こうしたコンセプチュアルなアルバムなら、全曲同じ作詞家でいくべきだろう、と。また、「射麗女」と「決心」は、雰囲気が似ていることも気になった。後追いで一気に何十曲も聴いていると、似ているものは自ずと混同してしまい、聴き比べてしまうのだ。そうして詳しく聴いていて、この2曲も全く同じ曲想であることに気付いた(ちなみに、今回も編曲はどちらも萩田光雄氏!)。

 これまた
妄想(5回目)なのだが、当初、全作詞:松井五郎が企画されていて、そこから何曲かカメリアダイヤモンドのCMタイアップが考えられていたのでは、と。そして、第1弾にミディアム調の「夢狩人」が採用され、第2弾としてアップテンポ調の「射麗女」が考えられていたが、CMに使う秒数内ではどうもインパクトが足りない。そこで、より高音が際立ったメロディーに変更しつつ、これまでヒロリンの魅力を熟知してきた山川啓介の歌詞を採用して生まれたのが「決心」ではないか、と。「決心」については当時の統括ディレクター飯田久彦氏が、2010年の『Dear Friends BOX』内のインタビューで「何回も(書き直しの)注文が出た」とおっしゃっているので、何らかの変更があったのは事実のようだ。
☆妄想探偵・誠ちゃんの結論

 さて、そんな歴史に習って、「黄昏ジェラシー」と「メルヘン(仮)」の関係を
妄想してみる(6回目)

・まず、中島みゆき作詞・作曲の「メルヘン(仮)」が作られた

・歌詞は、中島みゆき色にヒロリンらしさを盛り込み見事だが、メロディーが非常にみゆき流

・メロディーのみ、ヒロリンの特長を活かそうと、萩田光雄氏に依頼

・今度は、みゆきサイドに思う所があり、歌詞・メロディーともに取り下げる

・残ったメロディーに、歌詞を付けて出来たのが「黄昏ジェラシー」
・取り下げた楽曲を作り直して中島みゆき本人が歌ったのが「誘惑」

 ちなみに、ヒロリンは「今度の楽曲はみゆきさんだよ」と聞いていただけで、レコーディングをしなかったようだ。また、この時期の音楽的なアイデアについて不明点があった時、「それは小池(ディレクター)さんの作戦だから、彼に聞いて下さい♪」と、うっちゃる(笑)ことが多かったので、後に小池秀彦氏に取材した時に、「小池さんが、みゆきさんの曲、返してしまったんですか??」と無礼にも(本当に失礼!)尋ねたのだが、小池氏もこの経緯についてご存知ではなかった。・・というか、ビクター、日本テレビ音楽、芸映の三者が一丸となった“岩崎宏美”というビッグ・プロジェクトを、入社1〜2年目の社員さんが独断で動かせるわけがないってこと、ちょっと考えたら分かるでしょうが!!(>気づけよ、私

 以上、「黄昏ジェラシー」をあらためて聞いていただければ、これまでの何倍も楽しめるのではないだろうか。『EXCEL ONE』には、「愛しても愛しても」「そして哀愁」「アデュー・アデュー」など、作曲・編曲が萩田光雄という作品がまだあるので、これらも異名同曲が存在するかも?
妄想は続くよ、どこまでも〜♪
<あとがき>

 ということで、ちょっとあれこれ発見したので、三流コラム風に(笑)まとめてみました。書き方によっては、
もっとスキャンダラスに妄想することも出来るのですが、岩崎ヒロリンも中島みゆきさんもまだまだ現役ですし、
これが火種となり、よからぬ噂を立てるのは私の本意ではありません。
どうぞ、これを機に、過去の音源を聞き直しつつ、未来に向けた骨太な(微笑)コアファンに育って
いただければ嬉しいです。あと、誤植は、いつものようにこっそりメールください。では、お楽しみください♪

2012年7月14日(随時加筆) つのはず誠(作品解説)/臼井 孝(企画)

関連ページ「1975〜1988:LP24枚の紙ジャケCD復刻解説ページ」

関連ページ「カヴァーアルバム『Dear Friends』推薦ページ」


関連ページ「1995〜1999:高音質SHM-CD解説ページ」

関連ページ「16枚組LIVE BOX『ROYAL BOX』解説ページ」

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