2015年2月9日 最終更新

工藤静香オリジナルアルバム推薦&全曲解説ページ


☆2015年のニュース
2/18にベスト盤『My Treasure Best -中島みゆき×後藤次利コレクション-』が発売されます。
これは、文字通り、中島みゆきが作詞、後藤次利が作曲したこれまでの全17曲
(このうちシングル5曲はすべてオリコン1位を獲得)に、22年ぶりとなる同コンビの新曲
「単・純・愛 vs 本当の嘘」もボーナスで収録された2枚組です。静香×みゆき×ゴツグさんの相性は抜群!

☆2012年のニュース

12/24のクリスマス・ディナーショーの様子をまとめてみました。よかったら来年以降のご参考にどうぞ♪

10/17に42ndシングル「キミがくれたもの」が発売!(PCCA-03696、\1300) 
絢香が作詞・作曲・コーラスを担当!
爽やかな仕上がりで、二人の“(見かけよりも)一途で純真”な部分がよく出ていると思います♪
テレビ東京系アニメ『フェアリーテイル』エンディングテーマにも起用されました。

2曲目は弦一徹作曲・編曲、しーちゃん本人作詞の「ガラスの花」。『Jewelry Box』以降の優美路線です。
『カレリア』好きなら超オススメ。

3曲目は松井五郎作詞、REO作曲・編曲の「バロックパール」。久々に妖しく吼える静香、必聴!
これ、作曲・編曲がすごく良いです!ちょっとケバい歌謡ロックって今、かなり貴重では?生で聴きたい〜!

そして、10/31には15枚組の『SHIZUKA KUDO ORIGINAL ALBUM COLLECTION』が発売!
(PCCA-03797、\30000)詳しくは、こちらのニュース記事もチェックしてください!
11/12必着で、シングルとBOXのW購入キャンペーン(全員にオリジナルタオル、300人にトークイベント招待)
のハガキ入り。予約なら10〜15%引きになるお店やサイトも多いので、前向きにご検討下さい!

下記1st〜14th、そして17thのポニーキャニオンから発売された15枚のオリジナルがアルバムBOXに!
初期の音がクリアになるのもいいし(後藤次利サウンドの緻密さが堪能できます!!)、
セルフ期以降(9th〜)の煌びやかな音も新鮮に蘇ります♪
今回は、アレンジも存分に堪能できるリマスタリングになっていますよ!
<オリジナル・アルバム一覧>読みたい所へJUMPしてください
(注)ここでは、オリジナル録音によるアルバムの数で何番目かを数えています。ミニ・アルバムやカバー・アルバムも含めます。
1st=ミステリアス 2nd=静香  3rd=JOY  4th=カレリア  5th=rosette 6th=mind Universe 7th=Trinity  8th=Rise me  9th=Expose

10th=Purple 11th=doing  12th=DRESS 13th=I'm not  14th=Full of Love 15th=Jewelry Box 16th=昭和の階段 Vol.1 17th=月影 18th=MY PRECIOUS

<このページを作りたい、と思ったわけ>

 ここでは、しーちゃん(=工藤静香、以下、これはあくまでも私の趣味のページなので、
仕事に関係なく勝手に“しーちゃん”と呼ばせていただきます。)のオリジナル・アルバムを推薦いたします。

しーちゃんのオリジナル・アルバムは、シングル曲が1曲しかないから、という理由だけで、
ベストだけしか聞かないというには、あまりに勿体無い力作も多い
のです。
それは、シングルを意味なく詰め込むよりも、なるべく新曲をたくさん入れてアルバム全体を
コンセプチュアルにしたい、といういかにも曲がったことが嫌いな彼女らしい考えなんですが、
でも、ホント聞いていただけると、その魅力がよく分かるんですよ〜。

で、このジレンマを少しでも解消するために、ワタクシなりに、しーちゃんのアルバムについて
全アルバム、そしてその収録された全曲をオススメしていこうと思います。
よろしければどうぞ〜。
アルバム
タイトル
発売日
ジャケット
オリコン
最高位
曲目(作詞/作曲/編曲)
太字は、特にファンの方に人気の楽曲で、私からもオススメします!
(『MY PRECIOUS』は、発売前なので私の独断です。)

☆アルバムのおもな特長
18th アルバム
『MY PRECIOUS
-Shizuka sings
songs of Miyuki-

2008年8月20日

PCCA-02728
\3,255(tax in)

(08/8/1推薦)
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20位
(10年ぶり
TOP20!)
曲目 太字はオススメ曲 作詞 作曲 編曲
@空と君のあいだに (4'56") 中島みゆき 中島みゆき 澤近泰輔
A銀の龍の背に乗って (5'45") 中島みゆき 中島みゆき 市川 淳
B見返り美人 (4'32") 中島みゆき 中島みゆき 澤近泰輔
Cやまねこ (3'56") 中島みゆき 中島みゆき 松浦晃久
D涙-Made in tears- (4'59") 中島みゆき 中島みゆき 前嶋康明
Eカム・フラージュ (3'38") 中島みゆき 中島みゆき 市川 淳
F浅い眠り (5'13") 中島みゆき 中島みゆき 市川 淳
G土用波 (4'45") 中島みゆき 中島みゆき 坂本昌之
H命の別名 (4'31") 中島みゆき 中島みゆき 澤近泰輔
I宙船(そらふね) (3'45") 中島みゆき 中島みゆき 松浦晃久
Jすずめ (4'45") 中島みゆき 中島みゆき 澤近泰輔
Bonus tracks -original-
K激情 (4'38") 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
L雪・月・花 (4'45") 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
MClavis−鍵− (5'57") 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
☆カバー11曲に、書下ろしシングルを3曲追加した中島みゆき楽曲集!
☆キャッチ・コピーは
「これぞベストマッチング!数々の提供曲を授かり名曲を生んだ
工藤静香=中島みゆきコンビ。膨大な中島みゆきライブラリから
厳選した楽曲に静香が新しい息吹を吹き込む!」
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回のアルバム紹介は、中島みゆき作品集ということでちょっと肩に、いえ、心にチカラ(笑)が入っております。
なんたって、しーちゃんもみゆき様も私が大好きなアーティストですし。通好みファンの多い中島みゆきと、
アンチファンの多い(苦笑)工藤静香の双方のニーズを満たせる文章が書けるかどうか甚だ不安ではありますが、
まずは思うままにあれこれ書いてみようと思います。聞き込んでいけば、今後どんどん変わるかもしれませんので、
まずは限りなく善良に解釈いただければ(笑)。

 私が本アルバムを初めて耳にした時、「しーちゃん、そこ、違うのでは?」とか「ちょ、ちょっと、もたつきすぎ!?」とか、
ファイルの整理などで、ながら聞きしていたのに、つい手を止めてしまいました。もう、長年のファンとは思えないほど
否定的に感じてしまって。それは、私の頭の中で、“中島みゆき様が歌う、中島みゆきの名曲像”というのがすっかり
確定していて、しーちゃんの歌い方をそれと比較してダメだししてしまったからだと思います。

 しかし聞き進めているうちに、「あれっ?この曲、しーちゃんのあのアルバムで聞いたような?」と錯覚するほど
彼女のオリジナル作品で聞いたような歌い方が随所に出てくるのです。駄々っ子のように可愛く這いずる低音とか、
マライアかぶれしていた時代(?)に習得したちょっと得意気な高音、更には真骨頂とも言えるヤサグレ系のパンチ中低音
・・と、そのすべてが静香節に還元されているのです。
 他の歌い手による中島みゆきカバーの多くは、オリジナルに忠実なものが多く、私の耳も自ずとそっち系を
予想した為、当初は本作を否定しましたが、元々ニュートラルに工藤静香のオリジナルだと思って聞いてみると、
とんでもなくよくハマるアルバムだと思います。

 では、いつものように全曲を振り返ってみましょう。
大ヒット曲「空と君のあいだに」は、お馴染みのシングル・バージョンの♪チャラリララ〜、チャララララ〜〜
というアレンジですが、サビの♪そっらーときみとーのあいだにうわぁぁ〜の“うわぁぁ〜”が、『Expose』風で
イカしてます。AMAZONSのコーラスも、相変わらず相性抜群。「銀の龍の背に乗って」は、瀬尾一三の
ドラマティックなアレンジとは対照的に、ややメランコリック。この歌でも力を抜いたヘニャ〜とした部分と、
高らかに歌い上げる部分のコントラストが面白い(というか、まるでしーちゃんの物真似みたいで笑えるかも(笑))。
「見返り美人」はマンドリンと打ち込みループのコンビが面白く、オリジナルより しおらしい美人像が浮かび上がる。
「やまねこ」はデビュー当時、機会あるごとに「大好きな歌」と公言していただけあり、
♪ぅあらっしぃ、ぅあけぇのきっさらぁぐぃ〜 とかハスッパに吼えまくっています(笑)。コーラス(KAZCO)との
掛け合いも絶妙。松浦晃久氏のアレンジ最高です。アルバムでは『I'm not』に入っていてもおかしくない秀作。
「涙」『Purple』あたりに入ってそうな、しんみりバラードに。サビの高音で声を裏返す部分に女を感じます。
それにしても、この歌をTVで披露して ♪男運は悪くなかった〜〜 なんて、歌おうものなら、
即座に2ちゃんねるで男運の悪い愚女スレが何十本も立ちそうな気が(苦笑)。
「カム・フラージュ」は、かっしわばらよしぇ様のヒット・バージョンではなく、明らかに中島みゆきの『御色なおし』から
耳コピして、自分流にしましたって感じのロック・テイスト。「浅い眠り」は、これまた瀬尾さんの大仰な感じとは
対照的に、まるで「in the sky」のような爽やかな始まり方。とはいえ、最後のセルフ二重コーラスは、期待通りに
毒づいています(笑)。近年のインタビューでお気に入りと発言している「土用波」も、「やまねこ」風に来るかな〜と
思っていたのですが、もう少し落ち着いた歌い方で、これはこれで歌詞の意味を考えさせて良い感じ。
『Doing』あたりの「セピアの口づけ」あたりが好きな人ならイケるはず。 「命の別名」は、個人的に、今回最も感動
した1曲です。実は曲名だけ見たとき、「オイオイ、しーちゃん、やっちゃうのかよ・・・・」とか正直不安だったのですが、
聞いてみると、まるで彼女の心の叫びのように胸に訴えるものがあります。『さんちゃんねる』で見せるヘタレな姿(失礼)
からは想像できないほど、本作や中島みゆきに対する彼女の真摯な姿勢を見せつけられたような気がしました。
中島みゆき版のシングルとアルバムの中間をいくくらいの歌い上げっぷりに注目。オリジナルでも、ここまで吼えたの
聞いたことがないかも。 「宙船」は、『mind Universe』『Rise me』にありそうなくらい、好き勝手に前のめりで
歌っています。大サビ直前の早口部分に一クセあるのも、実にしーちゃんらしい(笑)。そして本編ラストは、
打ち込みとピアノというシンプルな音をバックに歌った「すずめ」。これは、敢えて原曲の歌謡テイストを薄めて、
『月影』風に浮遊させることで、現代の不安げな感じも出したようで、これはこれでありかと。

 で、ボーナスとしてオリジナル書下ろしのシングル3作も収録。14曲聴いてみると、「雪・月・花」だけが
みゆき寄りの歌い方で逆に浮いているかも(でも、シーツの波間に意味を求めるほど、秀逸な歌詞です)。
それだけ、ほぼ全曲 しーちゃん流に消化していて興味深いアルバムです。

 ということで、毎度毎度の冗長解説ですが、気になった方は是非とも聞いてみて下さい。途中に出てくる『』風というのが
分からない方は、素直にBOOK ○FF(伏字です(笑))あたりに駆け込めば、大半が揃うはず。とはいえ、これまで
このページで全アルバムについて書いておりますが、結局はBOOK ○FFを儲けさせているだけで(笑)、
しーちゃんご本人や作家の方々に全く還元されないという歯がゆさもあったので、
新作が買える本作こそ、是非どうぞ〜!

 以上あれこれ書きましたが、百科事典サイトや巨大掲示板に無断で部分的にコピペしないでね(笑)。
個人でこっそり楽しんで下されば、私もグダグダと個人的に楽しんで書けますので。
(お金の絡んでいない文章を勝手に転載されて、そこだけ見た人から「あなたプロでしょ??」的に
メールで反論されるのが一番厄介) そこんとこ宜しくお願いします〜♪  
1st アルバム
『ミステリアス』
1988年1月21日

(06/5/1推薦)
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3位
曲目 作詞 作曲 編曲
@哀しみのエトランゼ (5'16") 田口俊 後藤次利 後藤次利
Aミステリアス (4'55") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
B禁断のテレパシー (3'47") 秋元康 後藤次利 後藤次利
C嵐の夜のセレナーデ (5'14") 田口俊 後藤次利 後藤次利
Dパッセージ (4'16") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
Eワインひとくちの嘘 (4'49") 松井五郎 後藤次利 後藤次利
FAgain (4'14") 秋元康 後藤次利 後藤次利
Gすべてはそれから (4'44") 秋元康 後藤次利 後藤次利
☆キャッチコピーは
「さりげなく未知の香り。そう、君はとってもミステリアス。」
☆ヒットシングル「禁断のテレパシー」「Again」収録!
☆LIVEの人気曲盛りだくさん!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 レビュー11作目にしてようやくデビュー・アルバムを取り上げることにしました〜!
どこかでも書きましたが私、セルフ期(9th『Expose』)以前は、「中島みゆき作詞」限定で
アルバムを聴いていたので、これについてもちゃんと聴いていなかったのです。
 で、あらためて聴いてみると・・・全8曲がまるで昨今のエイベックスのクアトロA面×2枚
のように楽曲のクオリティーが非常に高くて驚きました。勿論、ヴォーカルでの課題は
ちらほらとありますよ、1stですもん。だけど、そういう点に目をつむれば、これはかなり
レベルの高いポップス・アルバムだと思いました。

 さて、全曲を見てまいります。「ミステリーウーマン」というか(笑)「夜明けのランナウェイ」風
のイントロで始まる「哀しみのエトランゼ」は、初期のLIVEで大盛り上がりのマイナー調アッパー
・チューン。ドスの効いた声でいきなり他のおニャン子達の追随を許しません。「ミステリアス」
は、地味めのミディアム・チューン。ちょっと聴くとタイトル曲にするほど印象的ではないけど、
この時から切なさを表した節回しがサマになってますね。これが約1年後の名曲「恋一夜」に
繋がるのでしょう。そういった大物感まで含めての“ミステリアス”というタイトルなのでしょうか。
続くはデビュー曲「禁断のテレパシー」。これからして“おニャン子”ブランドをなぎ倒すような
作風ですね。アイドルと呼ばれると弱くなりがちな有線でも強かったのが納得です。ちなみに
私は90年のベスト『Unlimited』のリヴォーカル・ドス効かせヴァージョンの方が好きです(微笑)。
「嵐の夜のセレナーデ」(←うちのPC「蒼夜曲」と変換してしまう(笑)。)も、イントロ数秒で
観客から歓声があがるという初期定番曲。そういったノリの良いアレンジとセレナーデらしく
切ない想いをフューチャーした歌詞や歌唱とのバランスが絶妙。大サビ前の変則メロディーも
効果的ですね。ということで、もう4曲でハズレなし、お腹いっぱいなんですが、更に4曲(丁度
A面/B面という作りになっています)続きます。「パッセージ」は、カルナバル風のリズム、
サビでアイドル・ポップス風にメジャーに転調するのが良いアクセントになっています。
「ワインひとくちの嘘」はご本人もお気に入りのバラード。後のベストでこれを聞くと「声が幼い〜」
と違和感がありますが、この中で聞くと自然ですね。あと、こういった曲のエコーのかけ方が、
C級アイドルのむりくりなものじゃなく、これまた自然で、さすが渡辺有三さま〜と感心します。
2ndシングル「Again」は「禁テレ」を更にハードにした歌謡ロックナンバー。この「禁テレ」「Again」
の2作が後のしーちゃんの指標になっているような気がします。なお、本作もクライマックスで
半音上げになるのがよりヒステリックな感じでいいですね。コーラスとの掛け合いもケバさが
際立って◎。そしてラストの「すべてはそれから」は後次作曲でB面曲に多いミディアム歌謡。
これのみが、他7曲のクオリティとはちょっと異なるかも・・。いえ、悪い歌ではないんですが、
「別れるならもう一度キスしてよ、すべてはそれから」という内容がどうも胸に響かないんです。
これを松井五郎が書くなら往生際の悪い小悪魔になるだろうし、田口俊ならキレイな引き際を
書くだろうし、三浦徳子なら女性特有の狂おしさがあるだろうし・・、そういった感情の掘り下げが
この歌からは感じられないのです。やっぱり秋元康は、インパクト勝負のシングル向きな人だと
あらためて思いました。まぁ、アーティストの名刺を作るにはそれが大事だし、そういう意味で
初期は彼の作詞による力も大きいですね。

 ともあれ、全体としてはまるでシングル・コレクションのようなアルバムであらためて感心しました。
誰々参加とかテクノ歌謡とかで奇をてらった所がないのに1作1作がしっかりしているのもお見事。
これは、BOOK OFFで売ってたらライトなファンの方でも即買いでも後悔しないと思います。
2nd アルバム
『静香』
1988年7月21日


(05/8/23推薦)
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1位
曲目 作詞 作曲 編曲
@証拠をみせて (4'36") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
Aさよならの逆説 (4'28") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
BFU-JI-TSU (3'49") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
Cブリリアント・ホワイト
(5'15")
中島みゆき 後藤次利 後藤次利
D裸爪(はだし)のライオン
(5'11")
中島みゆき 後藤次利 後藤次利
☆大ヒット・シングル「FU-JI-TSU」収録!
☆全曲中島みゆきによる深遠な歌詞!
☆LIVEで一、二をあらそう人気曲
「証拠をみせて」収録!
☆「裸爪のライオン」は中島みゆきもカヴァー
うすちゃんの
“甘口”コメント
 これは、私がしーちゃんにハマったキッカケのアルバムですね。この頃の私は
大変純粋だったので、中島みゆきが楽曲提供していれば、誰が歌おうがレンタルしたり
買ったりしてました。で、「工藤静香はドスの効いた声が好きだけど、なにしろ
奈保子さんをベストテンから蹴落とした下手くそ連中のおニャン子だから・・」と
毛嫌いしていました(ファンの皆様、ホントごめんなさい。もう20年近く前の私の感想
なので許して!)のですが、中島みゆきが手がけた、ということで思い直したんです。
 で、聞いてみると、5曲なのにもう満腹な出来なんです。すっごく濃厚。これ\100で
よく売ってるけど、世の中の歌詞のいいポップスを聞きたい人、中島みゆきファンで
なくても、買っておいた方がいいですよ。あと、中島みゆきの声域の広すぎる所が
苦手な方(私は大好きですが)も、しーちゃんの歌ならポップなので、大丈夫!

 では、全曲解説。「証拠をみせて」は、もうイントロだけで勝っちゃう1曲。でも、
恋愛の相手から「証拠を見せて」と狂おしく言われたら「マジかよ・・って引いちゃう
男、多いんでしょうねぇ。アップダウンが激しい曲なので、カラオケでも盛り上がります。
「言わなかった言葉たちだけ伝われ」と歌う「さよならの逆説」も、む・・難しい歌詞。
それだけに中島みゆきファン必聴です。で、次がお馴染みのヒット曲「FU-JI-TSU」
。シングルと全く同じバージョンですが、この中で聞くと、とっても分かりやすい歌に
聞こえるのが不思議!で、「ブリリアント・ホワイト」は光を全て集めれば、白になる、
なーんて、すごく科学的な内容(微笑)なんですが、まぁ人が何色に見えても、
また何色に見せても、あなたにとって無垢に輝くってことかなぁと思います。当時は、
全然分からなかったけど(苦笑)。 で、最後の「裸爪のライオン」は大好き!
まぁ、内容はずっと孤独な少年が、希望を捨てずに旅に出るという内容なんだけど、
1行1行の歌詞が心に刺さりました。また、この時、アップテンポの曲はとことん
ドスを効かせていたしーちゃんの歌い方も面白い(逆に、Cは抑えすぎかな?)。
全体的に、歌詞の内容がよく分かるってのは、やっぱり歌い方がいいんだと思う。
ちなみに、彼女は当時ディレクターの渡辺有三さんから「ユーミンさんとみゆきさん、
どっちがいい?」と聞かれ、「断然みゆきさん」と答えたことから、このコラボレーション
が始まったらしい。やっぱり、本人がやる気があるといいものが出来るという良い例ですよね! 
3rd アルバム
『JOY』
1989年3月15日

(06/3/25推薦)
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1位
曲目 作詞 作曲 編曲
@天使みたいに踊らせて
(4'25")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
Aとても小さな傷心 (2'59") 松井五郎 後藤次利 後藤次利
B奇跡の肖像 (3'30") 戸沢暢美 後藤次利 後藤次利
C宇宙(そら)の正面 (3'39") 及川眠子 後藤次利 後藤次利
D寂しい夜は私を呼んで
(4'07")
麻生圭子 後藤次利 後藤次利
ENo no no no
〜琥珀のCocktail〜
(3'01")
田口 俊 後藤次利 後藤次利
F夢うつつジェラシー (4'14") 戸沢暢美 後藤次利 後藤次利
G硝子のサンクチュアリ
(3'52")
平井森太郎 後藤次利 後藤次利
H真夜中のコレクトコール
(3'30")
三浦徳子 後藤次利 後藤次利
I恋一夜 (4'31") 松井五郎 後藤次利 後藤次利
☆大ヒット・シングル「恋一夜」収録!
☆オリジナル・アルバムでは最大セールス!(累計42万枚以上)
☆3rdにして初のフル・アルバム。本人も大のお気に入り!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は、しーちゃん最大セールスかつ最もBOOK・OFFに溢れている89年の『JOY』を推薦します。
(その意味では最も救い甲斐があるかも(微笑)。)
 私自身は、この頃までのしーちゃんのジャケットの手の位置が気になっていて、実は中島みゆき作品
以外ノータッチだったという不届き者でしたが、実はこの作品『月影』の頃のインタビューを読むと、
“しーちゃんが最も満足したアルバム”だったとあって、非常に驚きました。その満足感が“JOY”という
タイトルなのかもしれませんね。(違っていたらスミマセン) 彼女は、これ以外でも“アルバムでは
色々やりたい放題やってみる”というのを理想としているようで、確かにバラエティに富んでいます。
 また、このアルバムは参加ミュージシャンが豪華なのも音から分かります。ざっと挙げてみると、
後藤次利、山木秀夫、今剛、大村憲司、門倉聡、藤井丈司、迫田到、浜口茂外也(おとっつぁんは、
ご存知・浜口庫之助さん)、Jake H.Conseption、坪倉唯子、広谷順子、RAJIなどなど主にスタジオで
有名な方ばかり!(というか、当時同じレコード会社だった中島みゆきのアルバムで見かける人多数)
演奏面でもかなり楽しめるアルバムとなっています。

 では、全曲を見ていきましょう。まず、初期のLIVEで人気だった「天使みたいに踊らせて」は、高音の
松田聖子お得意の“キュートな声の裏返し唱法”、低音の中森明菜風“ドス利かせ唱法”を併用している
のが魅力的。「とても小さな傷心」は、松井五郎さんのチョイシュールな世界を歌っているんですが、
ちょっとこの時のしーちゃんには難しかったかも・・。でも、♪Lunatic〜のハスッパセクシー加減が
なかなか面白いです。「奇跡の肖像」はこの年のセレクト・ベスト『HARVEST』になぜか収録されてるけど、
これまた耽美的な歌詞に熱情的な歌唱がちょっと不思議かも・・。でも、'92年あたりの唸りとかはないので
アイドル・ポップスとしては聴きやすいです。「宇宙の正面」は後藤次利がシングルのカップリングで
すきそうなミディアム・テンポ。ちょっとタイトルがカッコつけてる感じだけど(笑)、詞の内容は
当時Winkで大出世なさった及川眠子さんだけあって“あなたと出会えた奇跡”みたいなのをピュアに
歌っていてこちらもアイドル色が上手く出ています。「寂しい夜には私を呼んで」は、@A同様、サビで
急転回。というかこの@ADは、サビを入れ替えても、歌として成り立ちます(笑)。 ただ、10曲中
一番おさえた歌い方でおニャン子からのファンの方には一番受けが良いかも。「No no no no」も、
当時未成年ながら(笑)カクテルと恋の行方について歌っておられます。3分という短さと、最後の
♪No no no no その先は!!で終わるのが、こじんまりとしていて聞きやすいかも。で、次のF〜Iと
どんどんエスカレートしていく感じが本作のキモではないでしょうか。「夢うつつジェラシー」は、
Aメロ、Bメロでつのるジェラシーを並べ、サビ直前で急に音を上げ、サビで絶唱という感じが凄く
よく出来てる。シングルでもいけそうな感じです。戸沢暢美さんの女性ならではの視点も見事です。
「硝子のサンクチュアリ」は、しーちゃんの特にお気に入りの王道バラードですね。フェミニンな
歌唱が透き通っていい感じです。これが後のより熱を内に秘めた「めちゃくちゃに泣いてしまいたい」
やそれも超えて内省的になる「メロディ」に繋がる感じです。・・というか'97のツアーではこの3曲を
続けて歌ってます(笑)。 「真夜中のコレクトコール」は、「裸爪のライオン」風のサビ頭の曲で、女友達
へのエール・ソング。歌詞はかなり深刻だけど、メロディが「秋子」(「黄砂に吹かれて」c/w)風の
メジャー/マイナー・メロのチャンプルーで、それを緩和しています。この辺もアイドル色を保つ為の
手段だったのでは?(あの「MUGO・ん・・色っぽい」c/wの「群衆」しかり) で、ラストは、大作「恋一夜」
ですね。これは、もし作詞大賞みたいなのがPOPS部門でもあったなら、絶対にかなり上位のはずの
名曲だと思います。もう1行ごとにその切なさと激しさが交差していてゾクゾクします。松井五郎さんの
中でも大傑作では。あと、当時18歳でこれを歌うしーちゃんもお見事ですね。ちなみに、これも
’92の『Trinity』も偶然なのか必然なのか@AIが松井五郎作品。やはり、締めるとこ締めるにゃ
松井さんってことでしょうか。
 ということで、これはある程度こなれた歌唱ながら、アイドル・ポップスとしての限度を守っている感じ、
でも随所に難しい言葉や世界観を見せることで、一辺倒ではいかない作品に仕上がっているのが
幅広い方に受け入れられるのではと思います。シングルっぽい作品は少ないけど、その分、色んな
曲が味わえてお得ですよ〜♪
4thアルバム
『カレリア』
1989年10月4日


(06/09/06推薦)
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2位
曲目 作詞 作曲 編曲
@丘の上の小さな太陽
Part 1.少女
Part 2.恋
Part 3.出さなかった手紙・母へ
 (7'57") 
大貫妙子 後藤次利 門倉聡、
後藤次利、
菅原弘明、
藤井丈司
Aみずうみ (4'15") 吉沢久美子 後藤次利 門倉聡、後藤次利
、菅原弘明
B美粧の森 (5'00") 愛絵理 後藤次利 門倉聡、後藤次利
、菅原弘明
Cカレリア (4'36") 大貫妙子 後藤次利 門倉聡、後藤次利
、菅原弘明
Dla se n  (7'14") 川村真澄 後藤次利 門倉聡、後藤次利
、菅原弘明
E真昼の夢(instrumental)
(2'04")
後藤次利 門倉聡、後藤次利
、藤井丈司
☆しーちゃん史上最も繊細な歌唱が堪能できるコンセプト・アルバム!
30Pブックレット付の2面デジパック+ケース入り!本人の油絵も掲載!
☆歌詞面でも愛絵理(本人)、大貫妙子、川村真澄の初起用など挑戦作!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は『JOY』同様BOOK OFFに溢れかえりつつ、しかもノン・シングルゆえに救い出されることも少ない(泣)
『カレリア』をご紹介します。といっても、私、本作は多分しーちゃんのもので一番聴いてないかも・・(汗)。
その最大理由は、あの独特のアクの強いヴォーカルがほとんどなくて、自分的には引っ掛かりづらいのだと
思います。ですが、だ・か・ら・こ・そ!女性アイドルファン全般や岡村孝子や遊佐未森など萌え系(?)シンガー
ソングライターファンにも受け入れられる清楚なイメージ・アルバムとなっています。しかも、全面にヘルシンキ・
オーケストラの方々がコラボっておられて、サウンド面も繊細な感じで統一されています。更に、歌詞も
丘やら森やら湖やら雪やら空やら自然がモチーフとなっていて(これはコンセプト=カレリア、つまり
フィンランドの森と湖の多い地方から一貫していますよね)、その前後の作品の嘘やら嵐やら媚薬やらジェラシー
やら都会の喧騒の中での色恋沙汰とは別世界となっているので、今のバラエティー番組での毒舌トークに
辟易している人は、こちらのしーちゃんがオススメかと。(まぁ、わたしゃ音楽番組さえ出てくれれば何やって
くれてもいいです、はい。)

 では、各曲を見ていきます。「丘の上の小さな太陽」は、変奏曲<バリエーション>となっていて、
何も知らなかった「少女」から「恋」の切なさを覚え、「母への想い」を胸の中で綴るというもう3パートの
タイトルを見ただけで想像できそうな内容ですが、当時のトップ・アイドルが10代のうちに優美な世界をきちんと
やっておくって貴重なことにも思えるので(だって20代になっちゃ出来ないっしょ、この世界って)、
しかもその歌詞を大貫妙子さんが書くことによって品を保っているし、わざわざヘルシンキまで行ってオーケストラ
音を入れたことで、昨今の弦楽器ザーザー音のみ取り入れたマンネリJ-POPとは一線を画しているし、斉藤由貴とか
南野陽子とかが好きだった人にもオススメかも。また、この中盤の「恋」のメロディーは、切なくてしーちゃんファンにも
オススメ。(「さよならの逆説」とか「Superstition」とか好きな人に。)「みずうみ」は湖での恋人との平和な日々
が歌われているんだけど、大サビの前でいきなり過去の恋人の影が現われるというのがスパイスになってますね。
でも、それも片平なぎさが手袋を口で剥ぎ取って・・ではなく、女性がしおらしく身を引いたという感じなので
ご安心を・・。「美粧の森」は、翌年の「千流の雫」に通じる“なんかもがいてるのは歌い方から分かるけど、
タイトルの意味がイマイチ分からず・・”というのが特徴。まぁ、初お披露目となる自作詞なので、あまりとやかく
言わないでおきましょう。これがなければ、後の秀作もなかっただろうし。美しいものの脆さもうまく出ています。
タイトル曲「カレリア」は3/4の変拍子でこれまたちょっと欧州のテラスでお紅茶でも飲んでいそうな雰囲気が
うまく出ています。・・で、ここまで抑えた歌い方で、そのまま“私が悪いんです〜、私が・・”的な世界で
突っ走るのかなぁと思えば、「la se n」で一転、強い調子でタメまくって7分間歌っておられます。でも、
ヘルシンキ大学のコーラス隊が支えているし、川村真澄の歌詞もスケール大きく希望を描いているし、ラブソング
というより、青春讃歌という感じでJ-POPという感じではありません。楽曲の構成もドラマティックでLIVE向き
ですね。そして、大いに盛り上がった後、「真昼の夢」の静かなインストで平和な日々に戻ります。

 ということで、この文章からも私の他人事目線がありありと伝わると思いますが(汗)、しーちゃんが
耽美アイドル路線を突っ走ったら、こうなりました、というのを全うしたという意味では貴重な作品だし、
コンセプトもしっかりしているし、これはこれでアリだと思います。楽曲は知らないものが多いとしても、
ブックレットもケース付で豪華!ご本人の油絵(この翌年から10年連続「二科展」入賞)も載っています。
なお、外箱とジャケットに印刷されている「真昼への夢」は「真昼の夢」の誤植ですので、ご了承下さい。
(同時期の斉藤由貴のベストでも同様の誤植が・・。校正も出来ないほど、リリースラッシュだったのね(善良に解釈))
5th アルバム
『rosette
(ロゼット)』

1990年4月4日


(06/1/13推薦)
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1位
曲目 作詞 作曲 編曲
@断崖 (4'42") 三浦徳子 後藤次利 Draw 4
AMirageの虜 (3'57") 松井五郎 後藤次利 Draw 4
BUnbeliever (4'48") 川村真澄 後藤次利 Draw 4
C瞬間の海 (4'11") 戸沢暢美 後藤次利 Draw 4
D月曜日の失踪 (4'44") 川村真澄 後藤次利 Draw 4
Eくちびるから媚薬 (3'56") 松井五郎 後藤次利 Draw 4
F愛の漂流者 (5'43") 田口 俊 後藤次利 Draw 4
G素直に言って (6'45") 愛絵理 後藤次利 Draw 4

☆大ヒットシングル「くちびるから媚薬」収録!
☆構成の複雑なメロディー満載、ゴッキーファン必聴!
☆初回盤は豪華化粧ケース入り!
(いっぱい売れたのでいっぱい見かけます(汗)
うすちゃんの
“甘口”コメント
 このアルバムは、全8曲というのが自分は中途半端に感じてしまって、あまり聴いてなかったんですけど、
カラオケに大抵の機種でほぼ全曲配信されているし予習しようとしたらドツボにハマったアルバムですね。
もう殆どの曲で構成がメチャクチャ複雑。大抵のJ-POPなら サビ→A→B→サビ、または 
A→A'→B→サビ、みたいにパターンが決まってるじゃないですか。でも、このアルバムの
曲は殆どの曲の展開がもうめっちゃスリリング!歌うのが難しいけど、歌えてしまえば実に快感です!
(というか、後藤次利メロディーのパターンをマスター出来るかどうかだと思います(笑)。)

 また、90年は殆どの編曲がDraw4名義になっているんですね。これは、前作『カレリア』からの流れで、
後藤次利+門倉聡+藤井丈司+菅原弘明+村瀬範恭 という5人ユニットなんですけど、
ベースあり、ストリングスあり、シンセあり、シーケンサーありみたいなてんこ盛り感が特徴です。
2000年代になって、ストリングスをザーザー入れてJ-POPをより感情的にするという手法が流行って
いますが、このアルバムはその10年も前に実践していたというのもポイント高いですよね。

 では、各曲を見ていきます。いきなりコーラスとしーちゃんの掛け合いから始まる「断崖」は、
中島みゆきの同名曲ではありませんが(当時すっごく期待した(笑))、中島みゆきの「証拠を見せて」を
更にドライブ感を増幅したような作品。のっけから サビ(静)→Aメロ→Aメロ→Bメロ→Cメロ→サビ(動)
といった展開で、トッポイ歌唱が冴えます。お次の「Mirageの虜」も同様にケバ立ったポップスで、
他のアルバムだと「震える1秒」とかのタテノリが入っていて聴いていて快感。「Unbeliever」は、この中で
唯一優しい歌い方、かつ構成もシンプル。ちょっと中途半端に耽美入ってますが、rosette=小さなバラが
出てくるのはこの歌だけだし、この不思議さがアルバムを象徴してるのかも。「瞬間の海」は、後の
「南風!!吹く前に」に繋がるしーちゃんでは珍しい陽気ポップス。海の眩しさが映える歌い方やアレンジが◎。
自分をリセットして、恋人を見つめようという戸沢暢美さんの視点もいい。で、続く「月曜日の失踪」
ポップロックだけど、こちらはもっと珍しくてOLさんのズル休みのお話。ちょっと幼さも見える歌い方が、
逆にそういった年齢の出来事だとリアルに思わせます。しっかし、“タイムカードに ルージュで
「このままじゃ 生きてゆけない」”なんて書く女の子、いるのかね?? まぁ、その辺もバブルってことで。
お馴染み「くちびるから媚薬」も大サビ前に♪夕暮れのまちかど〜 と変わったメロが入ったり、最後だけ
♪いいよ いいよ いいよ が変則的だったりと、こちらも勢い優先のヒット曲の割にこだわりがあって
面白い。「愛の漂流者」は、Aメロ→A'メロ→Bメロ→Cメロ→サビ しかも、最後の大サビまえにDメロと
こちらも、ビクついてしまいそうな構成。でも、メリハリをつけて歌えれば決まる歌ですね。90年のLIVEでも
しーちゃん自身、シングル・ノンストップという構成の中でこの歌を選んでいてキマッてました。で、
ラストが、ある意味問題作の本人作詞「素直に言って」。ファンの間では名曲と言われているし、ご本人も
ベストにこの歌を外さなかったり、物凄く思い入れがあって泣けてくるとある時期言ってたけど、実は
私自身、この歌はかなり理解できていません(爆)。 泣きのギターで始まり、しーちゃんがふにゃ〜とAメロ
を歌い、サビをしっとり切なく歌うというのはまぁ「群衆」とか「セレナーデ」のパターンかなと思うけど、
2コーラスが終わった途端、急に裏声中心で歌ったり、ラストの大サビで♪誰のために 何のために〜と
いきなり、唸り出したり、と1曲の中で3曲分くらいの歌の要素がある。あ!今考えたら、これって
中島みゆきの「二隻の舟」パターンだ!もちろん、パクリとか思わないけど、しーちゃんが「詞」と「詩」の
違いをあまり意識せずに書いた文に後藤さんが四苦八苦しながらそれぞれに面白いメロディーをつけた
のかもしれないですね。しかも、「素直に言って」と願いつつ、素直さが見つからないまま迎えるラスト。
とにかく、実験的な1作。もうこの1曲だけでも \500の価値は十分あります。

 ということで、このアルバムは8曲でもかなりてんこ盛りな内容でまさに“バラの花飾り=rosette”な
出来なのです。とはいえ、ヴォーカルで気張る部分に91年以降の時にこれ見よがしな(苦笑)ビブラート
も、94年以降のコケティッシュな甘え声もない分、すーーっと聴けると思います。(私は、その
“引っかかる”歌唱も大好きなんだけど) 複雑な筒美京平メロディー研究家や楽曲パターンに限界が
見えてきたミュージシャンの方(読んでる人がいるのか??)にも是非オススメの1枚です!
6thアルバム
『mind Universe』
1991年3月6日


(06/11/24推薦)
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1位
曲目 作詞 作曲 編曲
@腕の中のUniverse   (4'10") 安藤芳彦 後藤次利 後藤次利
A橋  (3'39") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
B無名の休日  (5'07") 森本抄夜子 後藤次利 後藤次利
CSuperstition (5'04") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
D震える1秒 (3'43") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
Eぼやぼやできない (3'41") 松井五郎 後藤次利 後藤次利
Fつぎはぎのポートレイト(4'37") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
GEmbrace    (4'31") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
H「愁・」      (5'06") 愛絵理 後藤次利 後藤次利
☆シングル「ぼやぼやできない」(ノンタイアップながら30万ヒット)収録!
☆軽やかなバンドサウンド中心のアルバム!
☆初回盤は歌詞カードとは別に16p特製ブックレット&
当時ポニキャンが得意としていた(微笑)特製ケース入り!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 はい、このページも初回の『DRESS』から1年4ヶ月経って遂に最後となりました。1ページ作るのに1年4ヶ月かよ!!と
昨今のブログ&SNSヘビーユーザーの皆様から呆れられそうですが、ワタクシ、本当は書くのとっても苦手なのです。
まぁ、でもこのページスクロールしても、スクロールしても終らないので、くれぐれも印刷ボタンを押さないようにご注意
ください。(笑) 
 さて、最後になったのはしーちゃんが最後にアルバム1位となった『mind Universe』について語ります。これは前作
『rosette』がサウンドもメロディーも凝りまくって疲れたーという反動なのか、シンプルな曲の展開のものが多いです。
あと、歌い方も“90年代のしーちゃん”とは思えないほど優しい。(単に、当時、夜な夜な飲みまくっていて、それで低血圧
なまま歌ってるのかもしれませんが(ウソ)) 『カレリア』の時のようにアイドルの延長で可愛く、というより、女性目線で
優しく歌っているのが分かります。パープルで統一したブックレット(特製ブックレットはエメラルドグリーン)も、
そんな女性ファンを意識したのかもしれないですね。91年くらいまでまだJUNONとかの人気アンケートで上位でしたから。
(でも、私は音楽的に良かったらノープロブレム!)
 では、各曲を見ていきます。「腕の中のUniverse」はアルバムタイトルにもなるように「永遠に愛しあって命を受け継ごう」
みたいな身近だけどスケールの大きな歌詞・・。そのせいか、なんかガンダムとか戦闘モノのアニメ主題歌になりそうな
メロディーラインなのが、ちょっと異色です。これが大好きという人はあまりいないかも・・。(汗)詞、曲、歌声はそれぞれに
いいんだけど、なんか「1+1+1=0.5」みたいな印象を受けます。つづく「橋」は、60年代風ツイストの失恋ソング。“橋”
というタイトルは、“彼女とあなたの間の橋=私”から来てるようなんだけど、それをタイトルにするかな、というのも、これまた
違和感ありあり。まぁ、でも冒頭2曲はカラオケで歌いたくなるメロです。で「無名の休日」は、絵の具のついた手でイチゴを
食べたり、TELわざと出なかったり、と森本さんが事前にしーちゃんの取材をしたかのようなリアルな日常が出てきます。
(さすがに彼氏は元・族でした、とかは出ませんので悪しからず) ちょっぴりカリプソ風のサウンドが新鮮。「Superstition」
はタイトル通り、「首すじのホクロ」や「細くて長い小指」が不幸を呼ぶという迷信に不安げな女性をしっとり歌ったミディアム。
ディテールが女性的でいいですね。・・でも、本人の性格とは正反対なような気もしないでもないですが(爆)。
「震える1秒」は、続く「ぼやぼやできない」と、シングル候補を争ったのではないかと思うほど歌いやすいスカ・ポップ。
サビのコーラス隊との掛け合いもまるで筒美京平ポップスのようで面白いです。しかし、「ぼやぼやできない」の方が、
サビの「ぼやぼやでーきない」や「DADADA]などの印象的なフレーズや、間奏のギターのリフや流暢なキーボードとか、
全体のポップ感があって、シングルにしたのかなーと勝手に想像。ともあれ、この2曲も気楽にカラオケで歌えそうな佳曲
ですね。で、「つぎはぎのポートレート」は中島みゆきらしいストーリー性の高い「失恋・その後」を描いた歌詞を
メジャーコードで爽やかに仕上げたという、ゴツグマジック全開の1曲ですね。程よい疾走感がバイクに乗っている風で
良いです。(チェッカーズの「Jim&Janeの伝説」風といいますか) 「Embrace」は、この前年の「私について」(これまた
中島みゆき作詞)の続編みたいな歌で「ただ 愛のためだけに」と連呼されてます。(ちなみに、中島みゆきが05年に
岩崎宏美に提供したのは「ただ・愛のためにだけ」・・・ややこしい!) でも、これがしーちゃん史上で最後かなというほど
癖のない素直な歌い方(これ以降はネコ撫で声とか、芯の強さが入った情熱的な声とか)なので、キツイ感じは皆無で
すーっと入ってきます。ちなみに、このみゆき作詞の2曲は、本人も歌ってないので、みゆき様セルフカヴァーも密かに
期待しています。(特に、「つぎはぎ〜」。)で、最後がGSロック風のサウンドにニューミュージック的シンセを足した後期の
甲斐バンドのような音の「『愁・(しゅうてん)』」。しーちゃんが作詞で、この時期の彼女らしい(微笑)悲観と楽観を織り
交ぜた構成となっています。2コーラスまで“あれはゆきずり・・ゆきずり・・”と未練たっぷりなのに、大サビ前で改心して
素直になるという、まぁ彼女が好きな中島みゆき・夜会的な構成でもあります。歌い方も、特に大サビでメリハリがあるのが
聴き所でしょうか。
 ということで、このアルバム、大ネタのバラードで勝負!ってのが一つもなくて、カラオケで気軽に歌ってちょ!の連続
のような構成となっていますね、こう振り返ってみると。でも、それが、当時カラオケでどれだけ早く彼女の歌をマスター
するかっていう流れを最も素直に汲んでいるのかもしれないですね。なので、皆さんも楽しく歌いましょ!
7th アルバム
『Trinity』
1992年3月18日


(05/7/31推薦)
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3位
曲目 作詞 作曲 編曲
@めちゃくちゃに
泣いてしまいたい
(4'59")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
AMOONLIGHTの
せいじゃない
(5'26")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
Bmy eyes (4'55") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
Cあなたのいない風景
(5'28")
安藤芳彦 後藤次利 後藤次利
Dマジック (4'21") 愛絵理 後藤次利 後藤次利
Eニュースの中の青春
(5'49")
安藤芳彦 後藤次利 後藤次利
F霧の彼方へ (4'16") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
Gふたりにさせて (5'12") 康珍化 後藤次利 後藤次利
H黄昏が夜になる (5'04") 森本抄夜子 後藤次利 後藤次利
I捨てられた
猫じゃないから
(7'39")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
☆人気シングル「めちゃくちゃに泣いてしまいたい」収録!
☆ブックレットは20p仕様。薔薇を基調としたイメージの
レトロなヘア・スタイルは貴重かも!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は、殆どの作曲を後藤次利が手がけていた時期から選んで、曲の完成度、本人の歌唱力、そして表現力
という3つのバランスが最も熟したアルバムだと私が思う'92年の『Trinity』をご紹介します。(奇しくも“三位一体”
という意味です。)
 アルバム『月影』のインタビューで、しーちゃんがバラエティに富んだものを常に目指していると言ってましたが、
こちらもバラードあり、アップテンポありと楽曲も多様だし、歌い方も切なく歌ったり、歌い上げたりと面白いです。
それでも、全曲が後藤次利なので、お得意のケバい歌謡路線という大前提は外れてなく、しーちゃんも、その範疇を
越えるような歌い方は少ないので、歌謡曲ファンには聴きやすいつくりですね。バラードが特に上手くなっている
のが、ヴォーカル面での特長ですね。 さて、各曲を見ていきます。
 「めちゃくちゃに泣いてしまいたい」は、ノンタイアップながら、有線やカラオケでロングヒットだったので、
ご存知の方も多いですね。’92の『紅白』でも歌われた切ないバラードで、女性に大人気です。(どうでもいいけど、
'92〜'94のしーちゃんて、演歌のど真ん中で紅白に出てますよね。あれ、なんでなんでしょ?)続く「MOONLIGHTの
せいじゃない」
も松井五郎作品で、長文タイトルですが、この歌はちょっと抑えた歌い方とパーカッションの音が
ムーディーでいいですよね。「my eyes」は、真骨頂のケバケバ歌謡。LIVEでも変なウィッグかぶって歌ってたのが、
マドンナというよりもRumico的で(笑)似合ってました。「あなたのいない風景」は、80年代のアイドルによく見られた
失恋を癒すために異国を旅するというエキゾチック歌謡。こちらはオーロラが出てきて白夜を歌っています。
♪はーなれたーのにー!の説得力が大きい!「マジック」は、この中では唯一の自作詞。歌手が主人公で感情の
激しさが際立っています。♪いいじゃん〜と可愛く歌う部分と、その直後の♪あなたによって変わるわ〜の力みのギャップが
快感!「ニュースの中の青春」は、ニュースの中にも、今でも、未来でも変わらない恋人達の気持があり、私もそんな
一コマをあの人と・・、と、テーマは良いんだけど、ちょっと内容がしーちゃんに合ってないような・・。ともあれ、これまでに
ない作品で異彩を放っています。ブックレットのコンセプトは、この歌詞の“時代遅れの流行が突然新しく見えてくる”から
来てると思います。「霧の彼方へ」は、ご本人もシングルでもおかしくない、というほど推薦の歌。確かに、インパクトのある
イントロ、スリリングに展開していくAメロ、Bメロ・・というのは「くちびるから媚薬」とも共通していますが、こちらはサビで吠えて
いるので、よりパワフルです。ちなみに、私もカラオケでよく歌いますが、「え、これシングル??」といつも尋ねられるほど
キャッチーです。是非とも、シングルしか知らない方、聞いてみて!「ふたりにさせて」は静香版・「絶体絶命」ですね。
現在まで唯一この作品で康珍化さんが作詞をしています。百恵さんの「絶体絶命」は、主人公が諦めてますが、こちらは
「あなた散歩してて!あたし、カチンときたの!」と、火花のスパークぶりがドラマティックで面白い!「黄昏が夜になる」
一見地味な歌なんだけど、少しずつ熱が高まっていくような歌い方もアレンジも秀逸。本人も、偶然有線で聞いて良い歌だと
思ったらしい。グレナディンという言葉の使い方がいいですね。そして、最後は、単一曲では自己最長(7分39秒)のバラード、
「捨てられた猫じゃないから」。ちょっと大作を意識しすぎて後奏が2分半もあったり、歌唱の力みも半端じゃないけど、
まぁフラれても明日があるよ、と情感たっぷりに歌っています。坪倉唯子のコーラスも扇情的でいい感じ。
以上、バラエティに富んでいる作品なので、どうぞご参考下さい!
8thアルバム
『Rise me』
1993年4月1日


(05/10/09推薦)
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3位
曲目 作詞 作曲 編曲
@さよならLONELY
これっきりLONELY (5'14")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
ADo Done (4'33") 愛絵理 後藤次利 後藤次利
B渇いた花 (4'06") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
・高尾直樹
Cきみが翼をひろげるとき
(5'57")
松井五郎 後藤次利 後藤次利
・高尾直樹
D他人の街 (4'27") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
EGong (4'18") 三浦徳子 後藤次利 後藤次利
F悲しみのOCEAN (4'50") 岡田冨美子 後藤次利 後藤次利
GHOT BODY (4'37") 安藤芳彦 後藤次利 後藤次利
Hそのあとは雨の中
(5'07")
中島みゆき 後藤次利 後藤次利
・高尾直樹
I慟哭 (4'45") 中島みゆき 後藤次利 後藤次利
・高尾直樹

☆ 最大ヒットシングル「慟哭」
(フジテレビ系ドラマ『あの日に帰りたい』主題歌)
ほか中島みゆき作詞曲3曲収録!
☆ ブックレットは20p、"ケバかっこいい"
しーちゃんのモノクロ・フォト満載!
☆全曲、カラオケ向きでキャッチー!
(大抵の機種で全曲配信されています。)
うすちゃんの
“甘口”コメント
 これは、現在のところ最後となっている後藤次利が全曲を手がけたアルバムですね。
この5ヶ月前に、ベスト・バラード集『Empathy〜Best of Ballad』が出ていて、ここで新曲の6曲は
すべて本人("愛絵理"名義)が作詞、一部の曲は作曲まで手がけたので、次のアルバムは
いよいよ全曲セルフかな〜とも期待していたのですが、本人が作詞したのは「Do Done」1曲のみ
だったので、当時残念だった記憶があります。それでシングル「慟哭」が大ヒットしたにも
関わらず、アルバムは今までと同程度のセールスになった要因かもしれませんね。でも、しーちゃんが
ボーカルに徹する分、中島みゆき+職業作家が能力フル回転で一流の歌謡ポップスを作っている点で
このアルバムは非常によく出来ています。割と全体がこじんまりとまとまっているのは、収録される
予定だった「あなたしかいないでしょ」が本人の強い意向で秋のシングルまで取っておいたということも
あるでしょうね。あの曲ほど気張って歌っているのがないですし。でも、@CHとバラードが多めなので、
バランス的には問題ありません。更に、本作は高尾直樹さんがコーラス・アレンジすることで、作品全体に
厚みが加わっています。これも歌唱映えしている大きな要因ですよね!

 では、各曲を見ます。「さよならLONELY これっきりLONELY」は、工藤静香・王道ロッカバラード。
「抱いてくれたらいいのに」の続編的な作品です。5年間の成長も見えて安心して聴いていられますね。
「Do Done」は、しーちゃん作詞で、"シャンパン"や"くの一"と、以前に比べ小道具が出てきて職業作家
っぽさも垣間見えるミディアム歌謡です。で、より歌謡色を強めたのが「渇いた花」で、本人もシングルで
いけると思ったというほどキャッチー!サビで転調する感じが詞の渇望感をより強めていますね〜。
「きみが翼をひろげるとき」は、これまでベスト・アルバムのBonus Trackで多かったタイプの静かな
バラードをより博愛的に仕上げた感じ。松井五郎さんがウルトラマン関連作品で訴える勇気や希望を前に
出している点が実は異色の作品です。続く「他人の街」も、ポップス歌手が歌うにはあまりにテーマが
社会的です。まぁ'88年にそれこそ"わけも分からずに"軽く歌ってる「群衆」もあったので、それの
成長編とも取れるいい作品です。で、B面の1曲目的な役割になっている「Gong」はアルバムタイトルも
出てくるほどインパクトがあり、全作中最も高速ロック(微笑)です。ガンダムとかのアニソンになっても
いいくらい躍動感があって男の子受けも良さそう。「悲しみのOCEAN」「HOT BODY」はギターのリフが
似ているせいか、どちらがどちらかよく混同してしまうんですが、"およがーせてよ"のハスッパな感じが
出ているのが前者で、よりトッポく決めているのが後者といった感じでしょうか。どちらもミディアムなので、
区別さえつけば(汗)歌いやすいです。で、次がコンサートやディナーショーでアルバム曲なのによく
歌われる珠玉バラード「そのあとは雨の中」ですね。これは、中島みゆき作詞ということもあり、この恋が
始まるのか終わるのか謎めいたまま終わりますが、結局はこの恋という過程自体が大切だと言っている
ような気がします。後半の♪伝わればいい〜の"いい"の部分を"ウィーウィー"と歌っているしーちゃんが
面白い(笑)。 92年〜93年は、この力みがみられますよね。で、ラストは本人が菊池桃子と姉妹役で出演
した月9ドラマ『あの日に帰りたい』主題歌(ドラマタイトルはユーミンなのに、なぜ作詞はみゆき・・・。)で
お馴染みの「慟哭」。このドラマティックで悲しい内容の歌詞をよくこんなにポップに出来たものだと感心。
おかげで、カラオケ定番曲となりました。ゴッキー×しーちゃんの相性の良さが如実に出た佳曲ですね〜。

 ということで、この時期の可能性をいろいろと探っているのがこの『Rise me』なんだけど、やはり一人の
ライターが全曲手がけるという限界なんかも見えてきています。(もちろん、作品全体はかなりキャッチーで
ハイレベルなんですが・・・。)ということで、次の『Expose』↓で大暴れしちゃうんですよね〜。

ちなみに、私、ポニキャンさんで隠れ名曲のバラードをコンパイルするお仕事の機会があり、
しーちゃんの「そのあとは雨の中」を選ばせていただきました。2005年10月19日発売の
『名曲発掘!ジュエル・バラッズ』(PCCA-2189)なんですが、よろしければ見てやってください〜♪
9thアルバム
『Expose』
1994年9月7日


(05/9/20推薦)
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5位
曲目 作詞 作曲 編曲
@Blue Rose (4'38") 愛絵理 都志見隆 澤近泰輔
A冷めてく音 (4'59") 愛絵理 羽田一郎 羽田一郎
B夢 (5'44") 愛絵理 飛鳥 涼 澤近泰輔
C僕よりいい人と・・・
(5'06")
愛絵理 都志見隆 澤近泰輔
Dnaked love (4'54") 愛絵理 松本俊明 澤近泰輔
EJazzyな子猫 (3'58") 愛絵理 鈴木キサブロー 澤近泰輔
FAdamas〜
征服せれざる者 (4'02")
愛絵理 羽田一郎 羽田一郎
GI'm nothing to you
(6'28")
愛絵理 松本俊明 羽田一郎
Hstep (4'30") 愛絵理 飛鳥 涼 澤近泰輔
IPain (5'15") 愛絵理 鈴木キサブロー 羽田一郎
JJaguar Line (4'06") 愛絵理 尾関昌也 羽田一郎

☆しーちゃん、セルフプロデュース第1弾!
初の全曲本人作詞アルバム!
☆ヒットシングル「Blue Rose」「Jaguar Line」収録!
(オリジナル・アルバムでシングルが2枚入るのは、
本作が初めて!)
うすちゃんの
“甘口”コメント
 これは、しーちゃんがセルフ・プロデュースしたということで、私は当時聞きまくりましたね〜。
でも、これはファンの人の中でも好き嫌いが分かれちゃうかもしれないですね。なんたって、
歌い方が優しいもの、甘えたもの、サディスティックなもの、伸びやかなものと実にバラエティーに
富んでいて、オマケにこの前年の年末だったかNYを留学だったかなんかで行ったりきたり
したもんだから、英語の発音がやたら明確で、しかもヴォーカルもエラい高音を出してみたり
(その片鱗は’03年秋のシングル「あなたしかいないでしょ」に現れていますね)と、本当に意欲的!
自分で作詞しなきゃ、変わらなきゃっていう気負いが全体に滲んでるけど、これを24歳でやった
という点だけでも大いに素晴らしいです。私なんて同じ歳の頃、まだ大学に残ってましたから(苦笑)。

 さて、全曲を見ていきます。まず、セルフ第1弾は、シングルA面では2作目となる「Blue Rose」
この扉を開けるというプロローグ的な始まりがいいですね!コーラスは、ポンポコリンの坪倉唯子
さん。Little Kiss名義の「A.S.A.P」同様、このケバさがしーちゃんに最高に合っています。
トッポい歌唱と構成の複雑なメロディーが奏功して、ロングヒットとなりました。
TANPOPOとのダンス共演も素敵でしたね。この年の紅白も、なぜか演歌枠にもぐりこんでたっけ。
しかも、対戦相手は当時ウワサだったYOSHIKIのいるX JAPAN。NHKってこういう演出好きね(微笑)。
で、次が妖しい歌い方の「冷めてく音」。どうもこのアルバムに出てくる男は相当ワルですね。
的場浩二どころではありません。続く「夢」は、ASKAの大陸的なメロディーが美しいです。
で、しーちゃんもそれに合わせて優美に歌っていて見事。上野美術館でも流れていましたね。
「僕よりいい人と・・」は、本人が「こんな事は絶対にイヤ!」というシチュエーションを想像して
書いたという失恋ソング。サビの一部から始まるという構成と、未練タラタラの歌唱が良いです。
で2曲フェミニンなのが続いたかと思うと、ここからが悪女っぷりで弾けています。「naked love」
愛欲に狂うというのがテーマで、歌い方も歌詞も相当いっちゃってます。これ、カラオケで
本気でやってみると、周りが引くはず。それだけ面白いです。英語も多用しています。
「Jazzyな子猫」は、これまた男に狂わされる女の姿がトッポく描かれています。Jazzyというより
Crazyな子猫かな?でも鈴木キサブロー作品ということもあり、メロディーは分かりやすい。
「Adamas」は、YOSHIKIの影響をもろ受けたようなヘビメタ歌謡。歌い方も、サディスティックで
怖いくらいハマっています。3曲ヘビーな曲のあとは、淋しげなバラードの「I'm nothing to you」
これまで気張って歌うロッカ・バラードが多かったけど、これはメリハリがとっても大切な
スムージーなバラードですね。2番の「愛してる 今言ってもーおーぉー」の高音が切なくて秀逸。
この歌もそうだけど、このアルバムの曲は、構成が複雑だけどそれが歌謡色を薄めていますね。
「Step」は、もろチャゲアス〜って感じのメロディーに、恋人をたしなめるように可愛く歌うしーちゃん
が魅力的。「Pain」は、待っている女の切なさや淋しさを歌ったバラード。この一途さも歌うなんて
本当にこのアルバムは歌い方もシチュエーションも多彩です。で、ラストが、シングルの
「Jaguar Line」なんですが、TVではダンスが激しすぎてサビの息の上がり方がハンパじゃないことで
憶えている人も多いと思います。(Aメロ、BメロがTVとCDで全く同じに聞こえる、なんてツッコミは
止めてね・・(苦笑)。)でも、このヒット・アーティストがいきなり声にディストーションをかけまくった
という点が既に実験的。歌詞も、サバンナでハンターと女豹が戦うなんて設定で、しかも1番だけじゃ
分からない内容。しかも、「羽の飾りをつけた男が私の周りに矢をはなつ」で終わって、「で?」
ってツッコミたくなるかも。でも、これもダンスが決まって素敵でした。
 ということで、このアルバム、歌詞も歌唱もぜーんぶ好きっていう人は、よほどのしーちゃんフリーク
しかいないだろうって思えるほど、バラエティーに富んでいます。しかも、その多重人格ぶりも
もの凄いですし。でも、まるで一人オムニバスのようなお得感もあるし、面白いですよ〜。是非。
10th アルバム
『Purple』
1995年8月2日


(06/4/3推薦)
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7位
曲目 作詞 作曲 編曲
@Ice Rain (6'02") 愛絵理 都志見隆 門倉聡
AWing (4'32") 愛絵理 松本俊明 澤近泰輔
BDeadline (5'115") 愛絵理 都志見隆 羽田一郎
CTomorrow's river
(6'18")
愛絵理 松本俊明 松浦晃久
DOlivia (5'33") 愛絵理 松本俊明 門倉聡
EBloom (5'13") 愛絵理 都志見隆 末原康志
FMoon Water (5'11") 愛絵理 谷本新 澤近泰輔
Gvirgin flight -1996-
(5'03")
愛絵理 都志見隆 門倉聡
Hさぎ草 (4'47") 愛絵理 澤近泰輔 澤近泰輔
IVenus (5'03") 愛絵理 都志見隆 澤近泰輔
☆大ヒット・シングル「Ice Rain」&意欲シングル「Moon Water」収録!
☆全曲本人作詞、セルフ・プロデュース第2弾!
☆初回盤は16P歌詞カードのほかに
20Pのイメージ・フォト・ブックレット封入&特製ケース入りで、
オリジナル・アルバムでは最高レベル!

多少値が張っても初回盤にこだわる価値あります!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 このアルバム、実は買った当時、ほとんどフルで聞かなかった・・。いえ、正確にはかけっぱなしで
寝ると、必ず4曲目あたりで寝てしまってました(苦笑)。というのは、全篇ほぼバラードで統一されている
ので、すっごくリラックスしてしまうのです。彼女自身『JOY』のようにある意味とっちらかった(笑)アルバムが
目標のようで、多くのアルバムはそういったオムニバス感があるのですが、その真逆ともいえるほど
まとまったこのアルバムは、きっとディレクターの田中洋子さんやボスの渡辺有三さんにしたがって
「女性に好かれるアルバムを作ろう」というコンセプトがあったんだと思います。
紫と黒で統一された全体のアートワークといい、付属のフォトブックレットといい、しーちゃんの写真と
いい、まるでファッション・ブックのようによく出来ています。(本作ではHair&Makeもプロまかせ。
風まかせ(笑)の『doing』とのギャップが激しすぎるような・・。)
 とにかく、そんな統一感が女性の方々に支持され、下がり気味だったセールスが持ち直しました。
しかし、聞き込まないと「変化の乏しいアルバム」に聞こえて、売れたと同時に中古に大量に売られた
ようです。でも、今回聴きなおしてみて、曲調が似通っている分、歌詞や編曲に明確な区別がある
良い作品だと気づきました。

 では、全曲解説です。「Ice Rain」は、セルフ以降(’94年以降)、カラオケで最も長く歌われた歌で、
私も人の歌唱をよく聞きました。6分あるので、変化のない歌い方をする女性は遠慮して・・(以下自粛)。
それだけ、ストーリーのあるいい歌ですね。特に、しーちゃんの♪両手を離したーらぁ〜の一瞬を
叫ぶように歌うのがシビれます。「Wing」はハモンド・オルガンみたいな筒を通した音がループになって
るのが面白いですね。メロディーも、単調なのに後半段々エスカレートする点が、単調な日々から
一気に飛び立とうという雰囲気がよく現われてます。「Deadline」は収録曲唯一のアップテンポ、ハウス
っぽいんだけど、これも単調なようで後半どんどん急展開していくのがスリリングで面白い。しーちゃん
の歌い方もどんどんテンション上がってます。ちなみに、この歌にある「猫の手も借りないで抜けだそう」
って日常会話であまり使わないと思いません?(微笑)おそらくメロディーに合わせる様に作詞するから
だと思うのですが、次の『doing』までこの「字面で言いたいことは分かるけど、こんな事口にするかな?」
という傾向がちらほら散見されます(微笑)。 でも、女性のイライラ加減はよく出ていますね。
で、エンディングが超合金ロボがガシガシ歩くような音の「Tomorrow's river」はサビの
大半が英語という意欲作なんですが、こちらはこちらで「good-bye isn't forever」というネイティブに
怒られそうな文が出てきます(汗)。 でも、これと次の「Olivia」は、この世にいない旧友に語りかける
という異色作で好きですね〜。特に、「Olivia」は一見ベタなバラードだけど、「女友達に逢いに行く」→
「実はこの世にいない」→「一人で逝った」と徐々に物語が明かされていく感じが見事です。「Bloom」は、
全体ほとんどアコギの音だけに、静かにしーちゃんが「冗談じゃないよ〜」と恋心を綴るのが余計に
沁みます。「花が感じるまま濡れて」とここまで言い切ったのは偉い!で、次のロンドン録音のシングル
「Moon Water」は、TVで観て“ど、どこがサビ??”とうろたえた人も多いんじゃないでしょうか。(私も
その一人です。)でも、このアルバムの中で、しかも「Bloom」と続けて聞くと、“エロきれい”な情景が
よく歌えていて良いですね。ちなみに、このシングル、オリコン14位と当時初めてTOP10入りしなかった
ことで“失敗”と言われますが、当時月曜日発売(つまり9日間の売上の集計)が普通の時代に、
金曜日発売(4日間の集計)で初動6万枚だったんだから、実はかなり買われているんですよ。まぁ、
それだけ「Ice Rain」で大きくファンを取り戻してたんですが・・。この時のしーちゃんはTRFのCHIHARU
とよくつるんでて、(’95年の年末も一緒に家で迎えたり)、トークでも「愛していれば男でも女でも
関係ない」みたいなことを言ってたりと、なんか“不思議ちゃん”でした。「virgin flight-1996-」は、サビ
以外覚えてなかったんだけど、10曲中最もシブヤ系の打ち込みループで、女性の自立を歌ってるので
これ、しーちゃんファン以外にも聞かせたい曲ですね。おフランスな雰囲気がよろしい。唯一日本語名の
「さぎ草」は中島みゆきにインスパイアされたのか'93の夜会タイトル♪花の色うつりけりな〜という
歌詞で始まります。『静香』収録の「ブリリアント・ホワイト」(これも中島みゆき作詞)と同じテーマかも。
収録曲中、最も物悲しい曲調ですが、次の「Venus」で救われるように出来てます。本作はベスト企画
『Best of Ballad カレント』にも入っていて、“向かい合えない恋”に別れを告げ、“あなたを待つ
小さな手のひら(子ども)が真実ね”と、いちいち説明すると下世話な状況を可愛い歌い方と歌詞で
包まれた秀作。これも、“シングルしーちゃん”しか知らない人に聞いてもらいたいですね〜。
 ということで、見かけサラっとしていますが、非常に深いアルバムです。どうぞお試しあれ!
11thアルバム
『doing』
1996年5月17日


(06/10/20推薦)
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16位
曲目 作詞 作曲 編曲
@loving    (5'10") 愛絵理 中崎英也 中崎英也
Aルナ-月の女神- (4'47") 愛絵理 鈴木キサブロー 澤近泰輔
Bメロディ   (5'30") 愛絵理 中崎英也 中崎英也
C7       (5'47") 愛絵理 松本俊明 松浦晃久
DGirl      (5'23") 愛絵理 松本俊明 末原康志
E風になりたい (6'09") 愛絵理 松本俊明 門倉 聡
Fセピアの口づけ (5'04") 愛絵理 谷本 新 末原康志
G紫陽花  (5'58") 愛絵理 都志見 隆 澤近泰輔
H蝶      (5'11") 愛絵理 藤井尚之/愛絵理
/松浦晃久
松浦晃久
I翼を広げて  (6'25") 愛絵理 松本俊明 松浦晃久
☆本人全作詞&セルフプロデュースアルバム第3弾!
☆シングル「7」(「TVおじゃマンモス」エンディングテーマ)、
「蝶」(「たかの友梨ビューティークリニック」CMソング)
というシングルでもやりたい放題時期だった意欲作2作が収録!
全国洋画系ロードショー『爆走!ムーンエンジェル〜北へ〜』
主題歌「ルナ」、挿入歌「メロディ」「Girl」、エンディングテーマ
「翼を広げて」収録!(つまり、サントラ的側面もあるのです。)
☆なぜか10曲中9曲までが5分以上!
これをドラマティクと取るか、冗長と取るかはあなたの感性次第です!
うすちゃんの
“甘口”コメント
  今回は、しーちゃんのオリジナル・アルバムで急にセールスが落ちた『doing』について語りたいと思います。
このアルバム、女トラック野郎役を大映映画よろしく(微笑)好演した『爆走!ムーンエンジェル』の映画サントラ的役割も
あるんだけど、マイナーな映画館で2週間くらい上映されすぐ次のに代わった様なものだったし(内容もVシネマチック・・
まぁそれはそれで面白かったですが)、しかも、この時期、映画『極道の妻たち−危険な賭け−』(主題歌はこの後の
シングル「優」。こちらもオススメ!)のロケも平行してたのに、アルバムはしっかり出したい!と思ったらしく、
タイトなスケジュールの中、大ネタがないまま発売されているような感があります。あと、ジャケットもフツーに床に
寝転がっていたり、お姫様風段カットはユニークとして、あまりにナチュラル・ボサ髪だったり・・(Hair&Make:AERIゆえ)。
だから、冷静に見ればセールスが落ちる要因は沢山あります・・・・。

ですが!だからといって駄作ばかりという訳ではございません。むしろ、ヴォーカルの多様っぷりは、この数年前のような
嫌味がなく、ここで確立されたのかも。また、↑で太字にしているようなシングル以外の曲がいい味出しています。
ちなみに、タイトルは“(演技とか絵とか音楽とか)色々忙しくやってるよ!”みたいな意味だったと思います。

 では、1曲ずつ捌いていきましょ。「loving」は、『Rise me』の「さよLONこれLON」(勝手に略(笑))と同じパターン
のロッカバラードだけど、こちらは猫なで声と優しい歌い上げがピアノ・バー風で雰囲気良いですね。それにしても、
前にも書きましたが「後悔など先に立つものじゃないから」なんて日本語、私この歌でしか聞いたことない。(微笑)
「ルナ」は、鈴木キサブローならではの歌謡ケバいポップス。澤近さんのシンセドラムも程よくチープでいい感じだし、
AMAZONSのコーラスも80'sって感じで、しーちゃんと一緒にルナ号(本人がペインティングしたトラック)に乗ってる
気分になります。他にも、「loving」のコーラスは当時、シンシアとして活躍していたshunkay=Crytal Kayママ、
「7」はヒップホップ系のfeat.ヴォーカルで活躍されてるMelodie Sextone/Leon Daniels と、何気に話題性高いです。
「メロディ」は、カップリングだけど、本人的にはA面級のお気に入り曲というバラード。考えたら、久々に可愛くて切ない
歌い方かも。とてもヤンキー・ドライバー(笑)には思えない。・・いえ、ヤン・ドラだからこそ心はピュアよ、ということかも。
これは、大人の片想いというテーマでいいです。かと思うと次の「7」は、『Expose』の「naked love」風の強く妖しげな
歌い方で“make me come!”とかイッチャッテます(微笑)。 TVでは、男性ダンサー、クンタ&キンテとの絡みも妖しげ
でした。「Girl」は、歌詞がドラマティックで、助手席にピアスが落ちててせつな〜と河合奈保子「THROUGH THE WINDOW」
的でもあるんだけど、困っちゃう、まいっちゃう とかくやしいくらい、苦しいくらい とかの対句とかも技巧的でそれでいて
自然に感情移入できるタッチになってます。曲は、松本俊明さんにしては普通だけど、まぁそれも“Girl”の日常っつーこと
かもしれませんね。「風になりたい」は、これまでで最もプリティー工藤な歌い方かも。もう驚くほどブリブリで。
まぁ、相手を優しく励まそうということなんで、こうなったんだろうけど、それにしてもあらためて聞くと、下心を感じそう。(笑)
でも、ラスト「幸せをはこーびたいの」の部分で急に高音になる所が聞いていて快感。 あと、Bメロに登場するサラブレッドが
草原を駆ける様子は、ロケとかで見たんだろうな、と勝手に想像(微笑)。 「セピアの口づけ」は、ファンに人気・・というか、
お父様の勘七さまも生前大変お気に入りだったというミディアム・ロッカバラード。当時で過去最低のキーで歌ってたんじゃ
ないかと思うほど、這うような低音がカッコいいです。是非生で聞いてみたい!「紫陽花」は、昼ドラ調の切ない都志見
メロディーに、愛に生きるしーちゃんの歌詞が乗ったフェミニンバラード。考えたら歌の中で「紫陽花」は登場しないんだけど、
ブックレットのピンク色や横の写真、そして「雨に打たれても在るがままにいきたい」という歌詞からか十分彷彿させますね。
これ、シングルでもいける作りになっています。そして「蝶」は、藤井尚之参加のミディアム・チューンですが、曲だけで
この後何かが起きそうな感じが出せるってのは、やっぱチェッカーズ時代からのこの人の技ですね。ちなみに、作曲で
「愛絵理」連名になってるのは、歌詞を乗せるのに本人がいじりたかったらしく、電話でサクサクっと相談したらOKが出た
そうです。多分、2番のAメロや大サビだと思うんですが、それがより展開をスリリングにしています。あと、コーダーでの
♪ンダァダッダダダァァ〜みたいな即興も当時の彼女らしくて微笑ましい。そして、ラスト「翼を広げて」は、映画の
エンディングにふさわしいスロー・バラードなんだけど、ラブソングとエールソングの双方を意図したのか、焦点がやや
ぼやけていて、歌声も全く張らずに自分の声を重ねどりしたような感じで・・・。その意味で“隠れた異色作”かもしれませんね。
(善良に解釈) でも、考えてみたら、こうやって歌の内容によって歌い方を大きく変えること自体、やはり ユーミンでも
まりやでもなく 紛れもなく中島みゆき的で、そしてそれがみゆき同様に 作品によってセールスが大きく動いてしまう要因
なんだろうなとつくづく思いました。多くの日本人が、結局音楽性の豊かさよりも安定を求めているというか。
でも、私はしーちゃんのこんな努力を買います!皆さんも、買ってください!・・・・まずは250円で!(笑) 
12th アルバム
『DRESS』

1997年3月19日


(05/7/16推薦)
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18位
曲目 作詞 作曲 編曲
@赤いドレス (3'00") 愛絵理 西司 吉川忠英
A銀の爪 (4'44") 愛絵理 松本俊明 松浦晃久
BPoisen Kiss (4'46") 愛絵理 寺田一郎 CHOKKAKU
Cおたより (5'42") 愛絵理 松浦晃久
・蛎崎弘
松浦晃久
D微熱 (4'32") 愛絵理 はたけ 澤近泰輔
E激情 (4'38") 中島みゆき 中島みゆき 瀬尾一三
F例えば (5'14") 愛絵理 はたけ CHOKKAKU
G摩天楼 (4'38") 愛絵理 松本俊明 松浦晃久
HFlash Back (5'40") 愛絵理 松本俊明 澤近泰輔
Ieternity (2'55") 愛絵理 松浦晃久 松浦晃久

☆大ヒットシングル「激情」収録!
(テレビ朝日系ドラマ『ゆずれない夜』主題歌)
☆24p写真集風のブックレット。エレガントでセクシーな写真と
深紅で統一された歌詞カードと文字のデザインがクール!!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 このページで一番目に紹介したかったのが、1997年の『DRESS』。なんでかっていうと、バラエティに富んでいながらも
『DRESS』の下に潜んでいる激情やら、都会的な雰囲気やら、寂しさやらが詰まっていてとってもコンセプチュアルだから
です。だから、全曲通して違和感なく聴けますし、1曲ずつのクオリティも高い。それ以前だと、全部の作詞はアタシがやる!
みたいな気負いがあったと思うんだけど「激情」で、自分では思うように書けず、中島みゆきに託したことが、逆に他の自作詞
のクオリティを高めているのがよく分かります。だって、言葉のはめこみにも、90年前半に見られた無理がないもん!

 では、各曲を見ていきましょ。 「赤いドレス」は、吉川チューエイさんのアコギ1本で歌うロッカ・バラード。かっこいい!! 
全体のイントロの役目もしています。「銀の爪」は、弾けられる歌謡ポップス。♪下ろしかけたジッパーを 上がりかけた
テンションをもとに戻し〜ってところが、技巧的。 銀の爪と金の爪を対比しているところも、みゆき的でいい。 
「Poison Kiss」は、クールなポップス。MISIAのコーラスでも活躍している佐々木久美さんのグルーヴ感も最高。
小悪魔的なしーちゃんのヴォーカルも表情が豊か! 4曲目「おたより」は、変わって伸びやかなバラード。すっごくキレイで
伸びやかな声なのがイイ!歌詞もファンへのメッセージだけど、スケール感があって成長を感じる。しーちゃんの高音って
「あなたしかいないでしょ」のラストの部分が最高かなと思ってたんだけど、「あなた〜」みたいにトッポくなく、優しいファルセット
での高音という意味でもこれは貴重な作品ではないでしょうか。「微熱」は、もろシャ乱Qの高湿度なミディアム。
抑えたヴォーカルとサビ後半の裏声が切なさを増している感じ。「激情」は、ご存知大ヒットシングルだけど、この位置に
持ってくることで、ドラマの中心的役割を果たしていますね。「微熱」で抑えた分、この曲で熱情に任せるってのが
またしびれる!これって巧く歌いすぎるとドライブ感がなくなるし、内容をつかまずに歌ってしまうとドラマティックな構図が
見えなくなるし、実はとっても難しい歌だと思います。だから、しーちゃんが歌うととっても映えるんですよねぇ。ちなみに、
こちら、伊藤咲子さんの最近のレパートリーらしいですよ。ドラマティックな歌い上げが魅力のサッコさんの「激情」も聞いて
みたいですね。で、後半に入ると「例えば」は、本人もろくにコンサートで間違えないで歌えたことがないというヤヤコシサが
あるけど(苦笑)、この天邪鬼カゲンが最も上手く出たと思う。この詞なんかは、特に成長したなぁって思います。続く「摩天楼」
は、スローなAメロから、アッパーなサビまでの展開が難しいけど、なかなか峰不二子的に忍び足⇒逃げ足って感じがいい!
「Flash Back」は、大人のダンス・チューン。トッポさにも角が取れていい感じ。そして、最後はとっても切ない「eternity」
なんで、こんな切なく哀しい歌で終わるんだろう、でも、“遠くない未来で待ってるあなたを”というのは、
数年後?それとも来世?そういった謎で終わっちゃうのもなんともニクいです。

 ということで、このアルバム10曲ともそれぞれの役割があって、とっても個性的なアルバムです。ちなみに、この楽曲を
メインに行われた3年ぶりのツアー『DRESS』がまたいいんですよ〜。こちらは、あまり中古でみかけない(多分、買われた方
の満足度が高くて、手放している人も少ないはず!)けど、アルバム@で始まりIで終わるという全体の構成が最高!
是非とも、借りてもいいので見て欲しいです!
13th アルバム
『I'm not』
1998年4月29日


(06/3/7推薦)
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19位
曲目 作詞 作曲 編曲
@delusion-妄想- (3'39") 愛絵理 はたけ はたけ
Aaway (4'55") 愛絵理 はたけ はたけ
Bカーマスートラの伝説
(4'53")
愛絵理 はたけ はたけ
CIt's OK (5'17") 愛絵理 はたけ はたけ
DPop corn (4'13") 愛絵理 はたけ はたけ
EWho knows (5'18") 愛絵理 はたけ はたけ
FBlue Velvet (3'52") 愛絵理 はたけ はたけ
Gdoggie (3'40") 愛絵理 はたけ はたけ、森宣之
Hノスタルジア (4'39") 愛絵理 はたけ はたけ
Iglacier-氷河- (528") 愛絵理 はたけ はたけ
☆愛絵理&はたけ(シャ乱Q)の共同プロデュース!
☆ロングセラーシングル「Blue Velvet」、
異色シングル「カーマスートラの伝説」収録!
☆全作詞:愛絵理、全作曲:はたけ で
セルフ・プロデュース期で最もまとまりのある作品!
☆ブックレットは20p、モノクロの写真や配列を崩した
文字レイアウトなどアーティスティック!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 これは、フル・アルバムとしては最もコンセプチュアルな作品じゃないでしょうか。なんたって、
全作詞が愛絵理、全作曲&編曲:はたけ、演奏は、はたけ、鮫島秀樹(元・ハウンド・ドッグ)、そうる透、樋口宗孝(ラウドネス)、
厚見玲衣(元・VOW WOW)、向山テツなど日本のロック&ヘビメタ界を牽引してきた敏腕ミュージシャンで固められているという
のが、大きな特徴です。そのケバいロック感がしーちゃんのヴォーカルと非常に相性が良いので、これはとってもナイスな選択
だと思いました。
 また、このアルバム、全アルバム中で歌詞の情景がもっとも絵画的で明確なものが多いです。それは、やっぱりこうやって
一プロジェクトとしてアルバム制作を進めたことも大きいのでは。途中に発売されたかなりのロングセラーだったシングル
「雪・月・花」(中島みゆき作品)が未収録という潔さもしーちゃんらしくて、初心者の方は聴きづらいかもしれませんが、初めて
でも分かりやすい作品だと思いますよ〜♪
 では、全曲を見ていきます。「delusion-妄想-」は、しーちゃんが苦手としていた畳み掛けるような早口言葉系アップテンポ。
なかなかスペイシーな妄想が面白いです。サビ最後の高音のエコーが強すぎるのも、宇宙に広がる感じで、まるでアニメ戦闘
モノ主題歌のようなカッコよさ。続く「away」は「Blue Velvet」がミディアムになったようなチョイワル&コケティッシュな歌い方が
面白い。歌詞も“激しいけど実は内気なので助けて”、みたいなツッパリの本音(笑)となっています。「カーマスートラの伝説」
は、「Blue Velvet」の二番煎じのように思われがちですが、これも歌詞が面白い。「女で生まれたことを使い 生きてますか?」
なんて『Wの悲劇』の三田佳子を彷彿とさせるしまだ日本でインド映画が流行る前から“カーマスートラ”を持ってきたり、TVで
インド系の妖しい衣装をまとったり(あの眉間のビンディもすっごく勇気が要ると思うんですが・・)、とやってくれちゃいました。
「delusion」もそうだけど、こちらも♪あなたのためだけにぃぃぃーーで、ヒステリックな程高音になるのが聴いていて快感です。
イントロや間奏のチャチャチャチャチャラチャラーみたいな音も面白いです。4曲目の「It's OK」は、本作唯一のバラード。
歌い方も、一時の得意気なビブラート熱唱ではなく、二人の愛の世界を綴った歌詞に沿うようなあまーい歌い方です。
『Rise me』収録の「そのあとは雨の中」の続編のような作品。5曲目だけど次から第2章という感じの「Pop Corn」は、文字通り
弾けた感じの軽快ロック。「ノリノリ」とか「キラキラ・ルージュ」とか軽い言葉が並べられているのも技巧的です。このアルバム
ってどれもメロディに言葉がしっかり乗っているのも大きなポイントですね。あの『Best of Ballad Empathy』と同じ作者とは
思えないほど(スミマセン)、上達なさっています。これも、高音がギリギリで、LIVEでちゃんと歌えるかな?と心配するほど
ですが、しーちゃんって歌唱が少し不安定(これまた失礼)な割にこの高音はLIVEでもほぼ成功するのがお見事です!
「Who knows」はアルバム中2番目に人気のミディアム歌謡。砂漠地帯でのアバンチュールを想う「黄砂に吹かれて」第二章
といったところでしょうか。これは、おニャン子ファンの人でも聞きやすいです。「Blue Velvet」はお馴染みの大ヒット曲ですね。
PVの錯乱した感じも良いです。ちなみに、これタイアップ(『ドラゴンボールGT』)の関係で1番が大きく変わったそうですね。
(発売も1ヶ月延期)確かに、1番のサビより前って冒険モノにかなり矯正されてる感じ。でも、そこが大衆性をうまく取り込めた
んでしょうね〜。♪くびったけ〜をセクスィーに歌うご婦人方、たくさん見てきましたが、やっぱしーちゃんの良い意味での
俗っぽさには勝てません!(この時の衣装も下着に見えるほど(笑))「doggie」は、目が覚めたら自分が犬になっていた
という過去最大級の異色作。これも歌詞が「ワンワン」「ニャンニャン」(高部知子じゃないよ)と出てきて面白いです。こちらは、
高音の裏声が頻発していてコミカルなポップ・ロックだけど歌うと意外と難しそう。ラスト前の「ノスタルジア」は、ファンの間でも
(私もです(笑))大人気のアッパーなロック・チューン。ちなみに「断崖」同様、こちらも中島みゆきのカヴァーではありません。
またまたちなみに、これもカラオケで歌うと難しいです。変則的なリズムがずっとループしてるだけで乗りにくかったり、Aメロと
Bメロの間が4小節もあって下手だと間延びしがちだったりで、私も最初失敗しました(苦笑)。でも、ドラマティックな展開なので
歌えると気持ちよいと思います。これを歌うしーちゃんは、裏声で声を切るような歌い方がエロケバくて(笑)素敵!そして、ラスト
「glacier」はラストとは思えないほど扇動的なゴリゴリのロック、しかも歌詞の内容も悲しみが続かないように“心凍らせて”と
願っています。超高音に突き放すように終わるメロディーは、まさに、初期の浜田麻里チャン路線、これまた難しい!
この歌はサビのメロディーのしつこさの上に歌唱とギターの駆け引きが続くようで興味深いですね。

 ということで、このアルバム、歌詞も歌唱も演奏もかなり気合い入っているので、起き掛けや寝しなには聴きづらいかもしれま
せんが(微笑)、大雑把風なのに緻密なので良いと思います。初期のコンサートによく来ていたヤ○キーの方も気に入るはず!?
14thアルバム
『Full of Love』
1999年6月2日


(06/10/24推薦)
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32位
曲目 作詞 作曲 編曲
@Blue Zone   (4'13") 愛絵理 都志見 隆 澤近泰輔
Aダイナマイト (4'05") 愛絵理 南木直樹 CHOKKAKU
コーラスアレンジ:
佐々木久美
BToward・・・ (4'26") 愛絵理 寺田一郎 澤近泰輔
CLOOSE     (4'19") 愛絵理 桑原秀明 羽田一郎
Dずっと      (5'04") 愛絵理 楠瀬誠志郎 澤近泰輔
コーラスアレンジ:
楠瀬誠志郎
ESEASIDE   (5'43") 愛絵理 楠瀬誠志郎 澤近泰輔
FSuper       (4'40") 愛絵理 イクマアキラ CHOKKAKU
コーラスアレンジ:
高尾直樹
GTHAT IS WHY (5'17") 愛絵理 吉川 理 CHOKKAKU
HZIGUZAGU  (4'56") 愛絵理 イクマアキラ イクマアキラ
Iすべてを僕が・・・ (4'12") 愛絵理 羽田一郎 羽田一郎
Icolor        (5'40") 愛絵理 楠瀬誠志郎 澤近泰輔
コーラスアレンジ:
楠瀬誠志郎
☆本人全作詞&セルフプロデュースアルバム第6弾!
☆シングル「Blue Zone」(「TOYOタイヤ」CMソング)収録!
☆聴きやすさがテーマで、11曲中8曲が5分以下!
いろいろと(微笑)コンパクトです!
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は、『Full of Love』を書くことにしました。このアルバムもですね、オリALへの
シングル曲が「雪月花」から止まっているから、当時のALの作り方からすれば「雪・月・花」「きらら」「in the sky」
「一瞬」あたり普通なら入れちゃうと思うんですよ。コンセプトが異なるならば『ロミオ道行』みたいに、Bonus Trackとか
で収録すれば、お得感も出るしライトなファンも買いやすいかと。でも、そんな事をしないのがしーちゃん様で、今回も
「Blue Zone」一発で勝負しています。・・いえ、私はこれでいいんですが、あまりにコンセプト一筋で、いいんすか、?? と
こちらが心配になるほど・・・。ポニキャンもそれを許してしまうなんて、まんざら金儲け主義の会社でもなかったのです。
で、案の定(爆)セールスがガックリ落ちて、・・・。(あと、全くの余談だけど私はジャケットがちょっと恐かった。
なんか体に人面瘡(by『血まみれ観音』←凄いタイトル!)があるみたいで、プレイヤーに乗せてもジャケットはほとんど
正視したことがないという。いえ、歌詞カードの紙質は上質のモード系の写真集みたいでとってもいいんですよ♪(汗))
全体にサウンド面で印象深いのが多いので、ある意味、現代のJ-POPの傾向にかなり近く、聞きやすいのではないかと、
そう思うわけでございます。

 では全曲をみてまいりましょう。「Blue Zone」は、「Blue Rose」と同じ布陣でのケバ歌謡ポップスで凄くキャッチー
ですね。女性アーティスト初の13年連続シングルTOP10入りなるか!?とTV・新聞で煽ってたのが懐かしい・・。
(結果は言うまい!) この歌の覚えやすさ(そして、買って聞くCDというのは異なる手軽さ)がアルバム全体を
象徴しているようにも思います。(それにしても、ラストの英語コーラス煩雑で判読できず・・。)「ダイナマイト」は、
ファンキーな歌謡ロックで、CHOKKAKUさんのシンセでピコピコとかホーンでざわざわとか、あと自問自答する
部分のヴォーカルをディストーションかけたりとか、色々技巧的で面白いです。せわしないスピード感も◎。
メロディーの展開も面白いのは、南木さんがギタリストとして色々ご活躍だからでしょう。「Toward・・・」は、
夕暮れ時になぜか淋しくなる(黄昏泣きか!?)という中間的な内容のミディアム。歌い方もアンニュイで内省的。
そしてコーダーで突然外人さんのコーラス・・。なんだか小品てんこ盛りの珍しい作品です。「LOOSE」は、この
アルバムプロモーション時に“浜崎あゆみにも楽曲提供したライターが参加!” (PRに苦労したのね・・。)なんて
言われた桑原氏のハイパー・ダンス・ナンバーで、『Rise me』収録の、「そのあとは雨の中」の続編っぽいんだけど、
何も進んでなくて、むしろ、「そのあと“も”雨の中」(笑)というか・・。歌ったり踊ったりには良い歌だと思います。
「ずっと・・・」は「好き」28連発の可愛いバラードですね。これまでになく明るく、心境の変化を感じます。で、
続く「SEASIDE」はもろサーファー・ソングで、歌の中に稲村ケ崎とか鵠沼海岸とかサザンかよ!みたいに地名
が出てきます。そういえば、この前年の秋からサーフィンを始めたしーちゃんが、季節と逆行してどんどん
黒くなっていくのが少し不安だったなぁ。 ともあれ、本作も楠瀬誠志郎さんらしい上品なポップソングです。
そうだ、このアルバム、なんかしっくりこないなぁと思ってたのは全体がダンサブルなのに、数曲、楠瀬さんの
90年代前半の「愛は勝つ」とか「君がいるだけで」に通ずるスタンダード型ポップスが入ってるからだと
今聞いていて思いました。まぁ、でも駄作という意味ではありません。(しかも、今から買う皆さんは\250以下で
買えるはずなので、文句は言ってはなりません!(笑))「Super」は一変して恋狂い女のファンキー・ポップス。
「THAT IS WHY」は、亡兄を想う導入部から、これまでを“ただのまぐれ”と振り返り、今後も進むのは恐い
という、過去最高に内省的な歌ですね。でも、最後は、“時は待たないけど遅くない”とちょっと希望をのぞかせ
ています。今までみたいに張って歌わないし、アレンジも大げさじゃない分、気付かないけど実は、歌詞はかなり
変化しているのが多いですね、本作は。で、「ZIGUZAGU」は、しーちゃんも大のお気に入りのミディアム・ダンス・
ナンバー。ダンスというか、杏里の「Dancin' with the Sunshine」みたいに、ゆるいグルーヴ感のあるエアロビ・ナンバー
(微笑)で、本人も友人のダンスBGM用に曲を編集して贈ったそう。歌詞も、ちょっと冷めてるけど、そこそこの
温もりは欲しいという、そして、歌い方もけだるいけれど、決める部分はビシっと言うみたいな感じで、メリハリが
利いていて良いです。ちなみに、作曲は元E-ZEE BANDで現在はD-51のプロデュースをしているイクマアキラ
さんですね。私、この人のメロディー展開かなり好きです。「すべてを僕が・・・」は、『Jewelry Box』の「us」の
前編のような歌詞ですね。でも、まだバッシングを受ける前だったのか、あるいはダンサブルにするのを優先した為か、
歌詞はあまり気にならず。当時としては珍しい“僕”歌が堪能できます。で、ラストはアルバムタイトルが歌詞に
出てくる「color」で、これからの世界を二人で描こうというラブ・バラード。アレンジはあくまでも自然体です。あと、
この歌も海の景色が出てきていて、その後日本でも流行ったローハス・ミュージックの先取りだったのかも。
 ということで、いつもよりはテンション低め(汗)の誉め方ですが、個人的には「ZIGUZAGU1曲でも\500くらい価値
あり!」といいたい楽曲です。カラオケでも全曲配信されてますし、練習用にどうぞ。「えぇ、しらなーい?」と
言われた時は「浜崎あゆみやD-51にも提供している人が参加したスーパーALだよ??」と強気に出ましょう(笑)。
15th アルバム
『Jewelry Box』
2002年7月3日


(06/2/8推薦)
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60位
曲目 作詞 作曲 編曲
@maple (5'31") 愛絵理 菅原サトル 菅原サトル
Amy dear (5'47") 村野直球 MIZUKI 成田忍
Bus (4'16") 愛絵理 宮崎歩 TSUKADA
C足下を飾る太陽(4'38") 愛絵理 藤本和則 澤近泰輔
DEndless World
(5'13")
NAHO
(田中菜穂)
飯岡隆志 澤近泰輔
EWonderful Moment
(5'35")
国岡真由美
(ICE)
宮内和之
(ICE)
野崎貴朗
F宝石箱 (5'48") 古内東子 古内東子 小松秀行
G深紅の花 (4'42") 橘朋実 YOSHIKI YOSHIKI
HBelieve Again
(4'59")
NAHO
(田中菜穂)
渡辺未来 成田忍
IPRAY (3'55") 愛絵理 津田直士 藤本和則
Jmaple -remix-
(6'38")
愛絵理 菅原サトル (remix:
Hiroshi Watanabe)
☆結婚後、初のアルバム!
☆人気シングル「maple」「深紅の花」収録!
☆タイアップ曲多数収録!
「maple」→テレビ朝日系ドラマ『九龍で会いましょう』主題歌
「my dear」→ロッテ「エステな生活」CMソング
「深紅の花」→日本テレビ『火曜サスペンス劇場』エンディング曲
☆実は、全アルバム中、最もバラエティーある作家陣!
実力派多数!

うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は、しーちゃんの結婚後初のアルバム(前作より3年ぶりとなる新作)をご紹介します。
 確か、このアルバム発売時はミセス誌に出たり、デビュー以来(初でしたっけ?)のインストア
・イベントでも子どもの話ばかりが中心となっていて、おまけにリード・シングルの「maple」が
伸びやか〜な、幸せいっぱい!みたいな作品で、この作品のジャケットも優美な感じなんですが、
実はこのアルバムの収録曲って、その優美路線と、強く生きようと心に誓うような路線の両極の
タイプの楽曲が共存している不思議なアルバムです。それは、この99年以降、キムタクさんとの
交際が発覚し、結婚時に只ならぬバッシングを受けて、その波乱の末、幸せに落ち着いたという
3年間すべてを象徴しているかのようです。まぁ、幸せ路線だけではないのは、時間がない中で
11曲(しかも1曲はremix、CIはGのc/w、Fは@のc/w)かき集めただけかもしれませんが・・・。

 では、各曲を見ていきましょう。イントロの弦楽器系の音からしてすぐに優美路線だと分かる
「maple」は、詞の内容も幸せオーラ全開です。後半転調する部分は、TVではやや不安定な
歌唱もありましたが、それほど久々に高音に挑戦しています。カラオケで歌うのも快感でしょう。
しかし、2曲目から途端に暗転するのがこの作品の魅力。「my dear」は“強くきみを守るよ 傷つける
ものから”と母性の強さがにじみ出ています。ロック調のアレンジが、ギスギスした世界からの救出
をより物語っているよう。続く「us」では“無情にも過ぎてゆく時代の中で 牙をむき爪を立て”なんて、
まるで長渕剛か中島みゆきが書いてしまいそうな孤高の歌詞でゾクゾクします。メロディーも
ガンダム主題歌プレゼン用みたいな宮崎歩さんの躍動的なもので、歌い方も闘ってる感じが強い。
これは01年にシングル化の話もあったので、まさに“過熱報道”最中の心境といったところでしょうか。
ちなみに、しーちゃんでは珍しく「僕ら」が主人公の歌です。「足下を飾る太陽」も、曲調はR&Bの
お洒落路線なのに“何が大切か 何を求めるか 何を信じて生きてゆけばいい”なんて歌詞や
“生まれくる命よ強く生きて 恐れる事はない きっと 越えられるね”とこちらも、不安真っ只中の歌詞。
澤近さんのシンセサイザーの無機質な音や、ラスト4回しつこすぎるほどのサビのリフレインが
印象的。因みに、作曲の藤本さんはCHEMISTRYのブレイクで注目を浴びた方ですね。松尾潔さん
が関わった作品でいつもいいお仕事なさっています。5曲目の「Endless World」もシンセでギーギー
鳴ってる喧騒の中を震えるように歌う感じなんですが、2コーラスが終わったところで、希望を見出し
続く後半に繋がります。やっと、ここで暗雲が引き始める。“終わらない旅”から“終わらない世界”
へと続いていきます。そして、6曲目以降が幸せ路線なんですが、「Wonderful World」は、ICEの
二人による作品で、これまでにないくらい(笑)爽やかな楽曲で、かなり意外な感じです。しーちゃんの
ふにゃーとした歌唱もICEならかなりフェミニンになるのが◎。フェミニンといえば続く「宝石箱」
古内東子さんのカラオケそのまま借用したかのようなオケで歌っています。ただ、歌い方は男性に
頼りすぎることも、突き放すこともなく自然でたおやかな感じが新鮮。火サス主題歌の「深紅の花」は、
当時レーベル・プロデューサーのYOSHIKIによる作品ですが、曲の大半がサビという不思議なバラード。
ストリングスが随所に入っていて、YOSHIKIさま〜って雰囲気になっています。ちょっと言葉が綺麗
過ぎるのが共感しづらいですが、その辺もYOSHIKIプロデュースの魅力かもしれません。
「Believe Again」は浅香唯のカヴァーでは勿論なく、「Jaguar Line」ほどではないですが、曲全体に
ディストーションがかかっていて、こちらも不透明な未来を想わせます。歌詞も曲も非常にスタンダード
だけど、声の処理で心境の揺らぎを表したのかもしれないですね。10曲目の「PRAY」は、全体を総括
したような儚い世の中だけどあなたの輝きを祈り続けるという内容。00年の録音だけあって、
ちょっとこちらも孤独と闘っている感じが出ています。ラストは「maple -remix-」で、発売当時は
なんか蛇足かも?なんて思いましたが、全体を通して聴いてみると、1曲目はパーソナルな
喜びを歌っているのに対し、こちらはもっと宇宙全体への祈りのような作品に変わっていて面白い
です。10曲目で終わるよりこれで最後、喜びも悲しみもすべて宇宙に還るという風に中和する感じ。

 ということで、このアルバムは2極に分裂してはいますが、これまでのしーちゃんのアルバムには
ない魅力がいっぱい詰まっていて後藤次利作品でお腹いっぱいの人なんかにはオススメです。
ヒットメーカーも多数参加なさっていますし。なお、本作は既に製造中止となっているのですが、
まだちらほらと店頭でみかけますので、新品をお求めの方はどうぞお早めに〜。
16thアルバム
『昭和の階段
Vol.1』

2002年10月30日


(06/07/10推薦)
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66位
曲目 オリジナル 作詞 作曲 編曲
@元気を出して
(4'17") 
薬師丸ひろ子('84) 竹内まりや 竹内まりや 澤近泰輔
A恋人よ (4'16") 五輪真弓('80) 五輪真弓 五輪真弓 澤近泰輔
Bカサブランカ
・ダンディ
(4'06")
沢田研二('79) 阿久悠 大野克夫 佐々木章
Cかもめはかもめ
(4'51")
研ナオコ('77) 中島みゆき 中島みゆき 澤近泰輔
D氷の世界 (3'40") 井上陽水('73) 井上陽水 井上陽水 佐々木章
E黒の舟唄 (4'35") 野坂昭如('71) 能 吉利人 桜井順 澤近泰輔
Fなんとなくなんとなく
(2'09")
ザ・スパイダーズ
('66)
かまやつ
ひろし
かまやつ
ひろし
上畑正和
Gコーヒー・ルンバ
(4'03")
西田佐知子('61) Jose Manz Perroni
(訳)中沢清二
Jose Manz Penoni 澤近泰輔
Hアカシアの雨が
やむとき (4'05")
西田佐知子('60) 水木かおる 藤原秀行 澤近泰輔
Iカスバの女 (3'17") エト邦枝('55) 大高ひさを 久我山 明 澤近泰輔
J黒百合の歌 (3'45") 織井茂子('54) 菊田一夫 古関裕而 澤近泰輔
Kテネシー・ワルツ
(2'50")
江利チエミ('52) Redd Stewart/
Pee Wee King
(訳)和田寿三
Redd Stewart/
Pee Wee King
澤近泰輔
L星の流れに (4'38") 菊池章子('47) 清水みのる 利根一郎 澤近泰輔
☆しーちゃん初のカヴァー・アルバム!(昭和時代限定)
ブックレットとディスクには本人の幼少期のフォトが掲載!
02年当時の坂本スミ子(?)風メイクとのコントラストが絶妙!
☆「なんとなくなんとなく」はイオンクレジットサービスCM曲
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は02年発売のカヴァー・アルバムの救出を試みます。当時は、中森明菜、原由子、椎名林檎、
福山雅治と次々に大ヒットして、じゃあ私も・・という目論見があったのかどうかは定かではないが、
「知名度のあるアーティストのカヴァー集は売れる」という定説を見事に覆してしまった(爆×2)アルバムです。
 でも、それはファンの大半が生れていないほどの昭和の初期からの選曲が大半を占めたことや、また
そういった楽曲に馴染みのある中高年の方は「工藤静香なんて(ケッ!)」みたいな失礼な先入観があるから
仕方ないのかなぁと思います。もし、チェッカーズとか松田聖子とかカヴァーしてたらまた違った結果になった
のではないか、と。
 ところが、このアルバム。驚くことにその昭和初期の楽曲ほど凄まじいほどに本人によく馴染んでいるのです。
(おそらくジャケット裏表紙のデカダン(?)な濃厚メイクもそれを意識したのでは。)ちょうど年代を遡る曲順に
なっているので、順を追って見ていきましょ。
 「元気を出して」は、薬師丸ひろ子や竹内まりやヴァージョンよりも、アコースティック調でシンプルなテイスト。
若奥様向けにはこの肩の力の抜け方がよろしいのでは。しかし、続く「恋人よ」では一転して、収録曲中で最も
力んだ熱唱。ビブラートとドスを適宜効かせているので故・淡谷のりこ先生にも“カス”と言われないはず。
「カサブランカ・ダンディ」はグラム・ロック風(「Blue Rose」風?)のサウンドとお決まりのトッポイ歌い方
(♪他に何もすーることはぬぁぁぁうぃぃぃぃ(ァゥ)〜の部分が最高(微笑))と「Jaguar Line」ほどではないが
適度にディストーションのかかった歌声が効果的でまるでしーちゃんオリジナルのよう。「かもめはかもめ」は、
感情を敢えて抑えることでこの歌のスタンダードとしての良さを引き出している感じ。さすが、みゆき曲のツボを
よく心得ていらっしゃいます。オリジナルにはない後半のリフレインが絶妙。「氷の世界」は「カサブランカ〜」風
だけど、圧巻はやはり後半の♪こ・ほぉ・りぃのせかぃぃぃぃ〜でしょうか。裏声で悶えているのが新たな魅力。
(ただし、ちあきなおみさん版「氷の世界」ほどご乱心ではないので、あれを聴くとちょっと物足りないかも。)
「黒の舟唄」は、チカちゃんこと澤近泰輔のピアノ1本で歌うことが、こういった男唄との相性の良さを引き出して
いる感じ。単調なメロディーでも転調を取り入れて、男っぽさと女らしさをうまく共存しています。
「なんとなくなんとなく」は、まぁお買物カードのCMソングらしく素直に楽しい。本作では、ケバ歌謡が
大半を占めるのでこういうのもあってよろしいかと。
 そして、やや無難な前曲をインタールードとするかのように、以降の後半6曲がディープで新たな世界に
誘います。まず「コーヒー・ルンバ」は元々浮遊感のある異国風ポップスをしーちゃんが魔法使いのように
鼻にかけて歌っていて、ますます摩訶不思議な雰囲気に。まるで「カーマスートラの伝説」の衣装で歌っている
かのよう。「アカシアの雨がやむとき」は、流されていくようなメロディーラインに、なんか本当に死の渦に巻き込ま
れていくような歌唱が乗って、こんな意味だっけ??とあらためて驚かされます。(それにしても、全篇にわたっての
ポツポツという雨風の音はちょっとうるさいかも・・・。)「カスバの女」では、時代錯誤も甚だしい場末の女を歌って
いるのに、しーちゃんが歌うとまるで歴史ドラマを見ているかのように、リアリティーが出てきます!実際は、
キムタク夫人として幸せの絶頂にいながら、なんでこんなに悲惨な女性を歌えるのか・・。凄いの一言に尽きます。
(ところで歌詞カード「一夜の火花」となっているのに「一夜の花火」としーちゃんが歌っているのは、意図的?)
「黒百合の歌」は♪あーあーあーはっはー〜という雄叫びが一見してコミカルだけど、聴いているとシャーマン
がかっていて引き込まれます。ハスッパな言葉遣いもしっくり。(ちなみに、「ニシバ」とはアイヌ語で旦那様という
意味です。)「テネシー・ワルツ」は独壇場とも言える“巻き舌しーちゃん英語”で、ムーディーに聞かせます。
そして、ラストの「星の流れに」も時代の渦に巻き込まれた女性の恨み節を“堕ちてしまった女性”になりきって
やるせなく歌っています。ただし、ラストということもあってか、ラウンジ風で重くしすぎないようにして、現代に
引き戻すように工夫されているように感じました。とにかく、この後半6曲の“いっちゃった”選曲は鬼気迫るものもあり、
お見事!
 ということで、この馴染みのない歌こそが、彼女の新たな魅力として、非常にオイシイ部分でもありますので、
是非とも、店頭から救い出してくださいまし。なお、当初収録される予定だった山口百恵さんの「曼珠沙華」は
05年に出た『山口百恵トリビュートThank You For ・・・part2』に収録されています。こちらもどうぞ〜♪
17thアルバム
『月影』
2005年6月1日


(06/5/6推薦)
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86位

・・順位は
必ずしも
作品の優劣を
示しては
いません。
曲目 作詞 作曲 編曲
@intro (0'47")  Jin Nakamura Jin Nakamura
Areplay (5'07") 愛絵理 Jin Nakamura Jin Nakamura
B心のチカラ (5'01") 前田たかひろ h-wonder h-wonder
C月夜の砂漠 (3'31") 愛絵理 Jin Nakamura Jin Nakamura
DLotus〜生まれし花〜
(5'15")
 
山口寛雄
・愛絵理
山口寛雄 中野定博
EBREAK OF STILL
(3'42")
川村サイコ Jin Nakamura Jin Nakamura
FRain (4'08") 愛絵理 岡野泰也 岡野泰也
Gくちびるを眠らせて
(4'01")
田形美喜子 DREAMFIELD 華原大輔
HMemories (4'54") 村山晋一郎 村山晋一郎 村山晋一郎
I深海魚 (4'02") 松井五郎 Jin Nakamura Jin Nakamura
J大切なあなたへ (4'11") 愛絵理 村山晋一郎 村山晋一郎
Koutro (1'39") Jin Nakamura Jin Nakamura
☆3年ぶりのオリジナル・アルバム!
☆シングル「Lotus」
ダイハツ「Tanto」CMソング)心のチカラ」
映画アニメ『ふたりはプリキュアMaxHeart』主題歌)収録!
☆しーちゃんいわく、「今までで最も満足なアルバム」!
(バラエティーに富んでいるという意味で)
うすちゃんの
“甘口”コメント
 今回は、06年5月時点で最新アルバムの『月影』の全曲解説をしてみます。
なお、本作については発売前に全体の概要をお伝えした推薦ページや、プレス用資料掲載ページ
もありますので、よろしければご参照下さい。(ここでは各曲の解説中心ですので。)
 まず全体を聴いた感じは『JOY』『Expose』や『Full of Love』のような多様な作品でありながら、
うまくまとまっているように私は思いました。それは『JOY』のゴツグ・メロディーのようにパターンが
ある意味典型的という訳ではなく、また『Full Of Love』のように中間的な楽曲が多いという訳でも
ありません。なんでかなぁ〜とふと考えてみると、歌い方が全体に統一された感じだからかも
しれません。以前だったら超ハスッパな声から猫撫で声まで1枚のアルバムで使っていたのに対し、
本作ではそれがPOPSの範ちゅうにとどまっているような気がします。とはいえ、やっぱりしーちゃん
らしい歌い分けは残っているので聴いていて心地良いです。
 本作の構成は全10曲を浮遊感のある「Intro」「Outro」で挟んでいます。この辺も全体に
流れを感じさせる理由の一つかもしれないですね。「replay」はちょっとエレガントな歌謡ポップスと
いう感じで、懐かしくもあり、新しさも感じます。“熱く甘い情熱 深く苦い欲望”など歌詞での成長ぶり
も楽しめます。(本作は、自作詞、他作詞どちらも自分のものにしているのが見事。無理に自作詞を
しょって完成度の低いものを乱発する昨今のJ-POPより潔いですよね。)ともあれ、安定した主婦業を
こなしているとは思えない渇望ぶり(笑)です。「心のチカラ」は愛娘もファンというアニメの映画主題歌。
アニメならではの希望を前に出した歌い方やイントロもサマになってます。「月夜の砂漠」は、南米音楽
(?)風のイントロと「黄砂に吹かれて」続編的な歌詞がエキゾチックかも。でも、以前より特に高音が
細くなっているので濃厚な印象がなく聴きやすいです。「Lotus」は久しぶりのシングルということもあり
TVでよく観ましたねぇ〜。ダイハツCMでは静かなAメロがかかってましたが、サビの切なさが良いのに
、とTVの前で地団太踏んでました(笑)。ちなみに、シングルの“We can create a flower together with
love”は“ひとつの花が見えるだろう”と改詞されています。これナイス!でアッパー→ミディアム→スロー
と来て、6曲目以降アッパー→スロー→アッパーと更に起伏が激しくなります(微笑)。
「BREAK OF STILL」はインド歌謡的なイントロやアウトロの♪バリアー、バリアー(?)というしーちゃん
コーラスが不思議なアゲアゲ・チューン。(本作は本当にJin Nakamura(中村仁)さんの貢献が大きい
ですね。)過去最速レベルの早口も面白いです。一転して「Rain」はウェットなバラード。過去の恋愛を
歌っているんだけど、中音域のみを使っているせいか普段の生活のある女性を思わせますね。とは
言え「不倫」とかそういった下世話なニュアンスもなくステキです。そして再び超アッパーな歌謡路線の
「くちびるを眠らせて」でファンの方からもかなり人気が高いです。(私も同感!) この歌が一番突き抜け
て歌っていますね。「嵐の素顔」を彷彿とさせます。あと、これは歌詞の完成度が非常に高いですね。
安易な言葉を並べている訳じゃないのに、ストーリーがよく見える。それでいて、メロディーに乗った時に
トガって耳に入ってくる感じが素晴らしいです。田形美喜子さんが、今後中森明菜さんへの提供とか
あれば是非聴いてみたいですね〜。「Memories」はサビがすべて英語詞というスムージーなミディアム
チューン。'98の『Best of Ballad カレント』の時みたいなカドが取れて(あの「抱いてくれたらいいのに」
の出だしって一瞬広東語ヴァージョンかと思いましたモン(爆)。)流れに身をゆだねられます。そして
12年ぶりとなる松井五郎作詞の「深海魚」。以前のような激しい情念系を前面には出してないけれど、
穏やかな中にも沸々とほとばしる寸前の熱情が垣間見れてゾクゾクします。やっぱり女の業を
書かせたら阿木燿子さんか松井さんですね〜。職業作家ルネッサンスを夢見てしまうほど傑作です。
あ、もちろん、水面下における情念が再現できるしーちゃんの声も抜群です。で、歌モノの最後は
「大切なあなたへ」で、文字通りお子さんに向けたメッセージを乗せたバラードですね。これも
以前だったら“目指せ、マライア!”みたいな巻き舌&高音で気張ったんでしょうけど、強いけど優しい
歌声が堪能できます。また、今回ブックレットでファンに向けた感謝の言葉も初めて掲載されたし
長年新作を待っていたファンに向けたエールソングにもなっていますね。えぇ、私もLIVEがあれば
行きますよ〜。(笑) ということで、様々な魅力のあるベスト盤的な聴き心地のアルバムです。
こちらはBOOK OFFにもあまりないので、是非新品でどうぞ〜(微笑)。
『月影』推薦ページはコチラ

(注)ここでは、オリジナル録音によるアルバムの数で何番目かを数えています。ミニ・アルバムやカバー・アルバムも含めます。
1st=ミステリアス、2nd=静香、3rd=JOY、4th=カレリア、5th=rosette、6th=mind Universe、7th=Trinity、8th=Rise me、9th=Expose、
10th=Purple、11th=doing、12th=DRESS13th=I'm not、14th=Full of Love、15th=Jewelry Box、16th=昭和の階段Vol.1、17th=月影


最後まで読んで下さった方への特典(笑)
<工藤静香・セールス部門・マメ知識> ゴシックはその部門で意外に健闘している楽曲
順位 A・TOP200ロングセラー作 週数 B・TOP100ロングセラー作 週数 C・TOP100内セールスTOP10 万枚
1 抱いてくれたらいいのに 38 MUGO・ん・・・色っぽい 27 慟哭 93.9
2 MUGO・ん・・・色っぽい 31 黄砂に吹かれて 22 恋一夜 60.7
3 黄砂に吹かれて 28 恋一夜 21 黄砂に吹かれて 58.6
4 恋一夜 26 嵐の素顔 21 MUGO・ん・・・色っぽい 54.1
5 きらら/in the sky 25 FU-JI-TSU 20 嵐の素顔 52.4
6 嵐の素顔 25 きらら/in the sky 18 A.S.A.P. 49.8
7 FU-JI-TSU 25 くちびるから媚薬 18 くちびるから媚薬 48.9
8 雪・月・花 24 千流の雫 17 メタモルフォーゼ 44.0
9 Ice Rain 24 Blue Rose 16 激情 42.4
10 Please 23 抱いてくれたらいいのに 16 Ice Rain 41.4
ここでは、しーちゃんの過去のセールスデータについてまとめています。よく雑誌などで語られるセールスデータは
TOP100までで、TOP200までの記録(アルバムはTOP300まで)に延ばされたのは03年度以降なんですね。
で、しーちゃんの場合は02年までで殆どのヒット作が出ているので(今後、あるのかもしれませんが・・・(汗))、
上の表でいうと「B」のものをよくご覧になっていると思います。ですが、実はしーちゃんって100位を落ちてから
TOP200内で粘る楽曲が非常に多い
のです。ぶっちゃけ、それだけを言いたくて「A」の表を作ってみました。

 これを見ると、「抱いてくれたらいいのに」が実はTOP100水面下ではその倍以上のロングセールスで、彼女の
中で最もロングセラー作だということが分かります。実際に、この歌は多くの人に歌われ、しーちゃんの歌では
1,2を争う人気曲ですよね。で、さらに驚きが8位の「雪・月・花」。目立ったセールス・アクションではなかった為に
「中島みゆきを起用したが失敗・・・」みたいに時々言われますが、どっこい全盛期の楽曲と双肩のロングヒット
だと分かります。この歌は、歌詞がジワーーーっとくるタイプですから、このロングヒットも納得。シーツの波間で
探しモノ(?)をしたそこのあなた!もきっとそうでしょう。(私もです(爆))
また、10位の「Plaese」も当時では珍しい「1位→12位」という急落チャートだったばっかりに失敗作と
言われますが、これまた半年近くチャートで粘っていました。もちろん、しーちゃん自身、リリース・ローテーションが
他のアーティストよりも緩めだったので、自ずとロングセールスになる傾向もありましたが、それでも半年というのは
非常に長いですね。私自身も、この歌の突拍子もない展開がクセになっております。(微笑)

 今回は、とりあえずTOP10を載せましたがご希望に応じてTOP20だったり、ラジオ・有線なども掲載します。
何かございましたら、こちらまで何なりとご意見をどうぞ〜。


以上、勝手に執筆(随時誤植分を更新中(汗))  臼井孝


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