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『奈保子はアーティスト』広報活動第3弾!

奈保子作品は、ストーリー性の高い作品も多数!〜「潮風の約束」
  
←こちらは、「潮風の約束」の収録されたアルバム
『サマー・デリカシー』のジャケット。
今でも、購入できるようになっているのはウレシイ限り。
オリジナルは1984年6月1日に発売。あ〜る盤では\1,529!!(安い!)
track1〜5 作詞:売野雅勇&三浦徳子、作曲:八神純子
track6〜10 作詞:来生えつこ 、作曲:来生たかお

もちろん、集大成ボックス第2弾『JEWEL BOX 2』では最高の音質で楽しめますよ!
全国数十人(笑)のこのサイトのファンの皆様、お待たせいたしました。
今回は、河合奈保子さんの歌詞について触れてみたいと思います。


<JEWEL BOXはまさに“JEWEL BOX”!>
その前に、『JEWEL BOX 2』制作秘話(大げさ)を一つ、二つ。
(詳しい収録曲などは、コロムビアさんのサイトをどうぞ。)

あれは、2002年の春。奈保子さんの集大成BOXの第3弾の構成をコロムビアさんと
話し合いをした後、先方から
「disc1=オールリクエスト」「disc2=自作曲」「disc3=シンガーソングライター&筒美京平作品集」
「disc4=レア・トラックス」「disc5=ライヴ・バージョン」

という大まかな割り振りが決められ、その後選曲案をお互い考えましょうということになりました。
私が弁護するのもなんですが、コロムビアさん(ほとんど高野さんですね)は、
この選曲に関しても、本当に熱心に動いていらっしゃいます。

まず、disc-1では、収録時間ギリギリまでの17曲をファンリクエストの上位曲から
キッチリ選んでいらっしゃいます。また、結局、日本での版権がなくNGとなった
「艶情夜曲」(「愛のセレナーデ」広東語バージョン)についても、かなり粘り強く交渉されていました。

これが他社のコンピだったら「ベスト12」とか「ベスト15」とかゴロの良さ優先で収録して、
「もっと聴きたい人は別のCDも買ってね」とする所も多いのです。また、
著作権での印税の配分を気にして、「この曲を入れたら、関連会社(○○音楽出版といった
関連の出版社ですね)の利益が下がるから・・」と、上位でも収録を渋って数を間引いたり、あるいは
順位までいじっちゃう担当の人も中にはいらっしゃいます。
それに対し、このBOXは本当に忠実に上位曲をそのランキング通りに収録しています。
(私はこの目で投票結果を見せていただきましたが、ホントに順番通りでした!)

また、disc-4のレア・トラックで何作か通常のコロムビア発売ではない音源がある点も、
ご注目ください。BOXセットの中で、1枚のシングルだけ別会社から出たものが
あった場合、それをコンプリートに揃えないものも結構ありますよね。
それは、こういった企画でわざわざ他社音源を借りるということは、
関係者の許諾を得るために色々な所に頭を下げながら、実は自社の利益率が下がってしまうという、
まさに

「労多くして、実り少なし」
といった皮肉な作業だからです。つまり、他社音源を収録するということは、
それによってセールスが大きく上がるという自社内の説得と、
それによって作品の完成度が大きく上がるという社外の説得が必要なのです。

そんな不利な状況にもかかわらず、本BOXは、ファン・リクエストに出てきた意見を
忠実に汲み取った選曲となっています。(リクエストがそこそこあった「みんなのうた」の
「雨のてん・てん」も、音源の捜索をされていました。)

更に、第3弾BOXはアンケート結果での意見を忠実に反映し、コロムビアでは珍しく
ハードケース仕様にしています。しかし、レア曲の多い第3弾BOX(つまり、店頭での
注文数がそうそう取れないもの)の上に、楽曲の許諾、更にはブックレットのこだわりと、
制作面で妥協しなかったことで、最終的に連動特典がなくなり、封入ステッカーに変わったのかも
しれないですね。なんせ、土壇場で変更になったのですから。

以上のように、本BOXはかなり丁寧に作られたまさに“JEWEL BOX”なのです。
少々高い商品ですが、この点どうぞご理解いただけると嬉しいです。たかが、選曲のたたき案と
全曲解説・一部のインタビューで携わった私がいうのもおこがましいですが、
コロムビアさんはこれについて後々まで残る作品を作ろうと努力されました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


<「潮風の約束」の“ちょっとだけ秘密”>
さて、こんなに忠実に作られた『JEWEL BOX 2』なんですが、
実は、冒頭に記した「潮風の約束」は、僅少リクエスト曲ながら私が独断でdisc-3のたたき案に
入れちゃいまして、それが最終案に通った曲です。(ここだけ読んで怒らないで下さいね。)

別に自分としても、この曲がどうしても好き(笑)という訳でもなかったのです。
しかし、収録案に挙げた経緯として以下のようなことがありました。


当時、そのdisc-1の曲が決定した後、disc-2〜4のたたき案(コロムビアさんでの決定前のもの)を
考える際に、参考までに21位以下の投票結果を見せていただいたら以下の特徴が顕著になっていました。

その1:リクエストは「エスカレーション」以降〜(特に『スカーレット』まで)に集中

その2:奈保子さんの吠えるほどの熱唱型の楽曲はどれも人気


これらは、このシリーズのタイトルでもある「奈保子はアーティスト」と強く認識されているファンの皆さんの
意識の現われだと思い、「さすが、奈保子ファンはよく分かってる〜♪」と私も大いに共感しました。

それで、自分の所有している音源から、たたき案作成に向けてせっせせっせとMD編集を
してみました。そうしたら、disc-2(自作曲集)は、奈保子さんの多彩な魅力、それぞれの時期での
作曲でのテンションの変遷(つまり、優良ポップス調〜バンドサウンド〜
実験的なものも含め、ポップスにとらわれない作風〜原点回帰)の分かる面白いCDになったのに、
disc-3(シンガーソングライター&筒美作品集)は、大の奈保子ファンである私ですら、
聴いていて正直しんどくなってしまうのです。
いや、これが9曲くらいでアルバムコンセプトがあればいいのですが、20曲近く
奈保子さんが、マイナー調の楽曲を絶唱、絶唱、また絶唱されていて、すっごく
ヘビーな内容に聞こえてしまいました。(この点が、一般の人に奈保子さんを聞かせるとき、
我々ファンが注意する必要がある部分かもしれませんよね。>自分に警告(苦笑))

それで、特にスパーク系の楽曲が多かった'84年の楽曲から「潮風の約束」を選んでみて、
またそれ以前からもシンガー・ソングライター系のスローとかアップテンポでもポップなものを
チョイスしてみました。
(それでも、「別世界」より前のたたき案は却下されちゃいました。まぁ、それだけ
“アーティスト・奈保子”への支持が厚かったので、それ以前は収録しきれなかったのです。
そもそも奈保子さんの自作以外の膨大な佳曲を1枚のCDにまとめる、という作業が超困難
だったのだと思います。私も初期のあの曲とかあの曲とか大好きなのに・・。いえ、わがままは
いけませんよね!))

「潮風の約束」は、実は初めて聴いた時は、「「瀬戸の花嫁」系の地味な歌やな〜」
くらいにしか思っていなかったのです。(これまた、ファンの方、すみません!)

それが、何回か聴いていくうちに、歌詞のストーリー性の高さ、
奈保子さんの細かいビブラート(ホントに細かいです!これって“ながら聞き”では、
判断できない上手さかも。)とか相手への慎ましい想いがいっぱい詰まった歌唱、
そして故・大村雅朗さんの煌く海を彷彿とさせる編曲!!! にしびれてしまい、
これは、長く聴いても飽きない作品だと、思いきってたたき案に入れてみたのです。


いやぁ、この歌詞って今読み返してもゾクゾクしますね〜。
まず、バスがゆるいカーブで進む所なんて、映画の序盤を想起させるし、
その間にまぶしい景色が次々と飛び込んできて、終点の景色=日焼けした恋人が待っている
というのを思い出すまでが1番。
そして、2番では、あと1つカーブを曲がったところであなたに逢える、と
胸の高鳴りが最高潮になり、そこで、この町に住むという誓いを心で確かめる。
そして、ラストに、水玉のハンカチを窓から手を振るなんて、もう映画そのもの!!


比較的心象風景の多い来生えつこさんの中でも異色かつ珠玉の詞ではないでしょうか。

他にも、石川優子作品の「初めての疑惑」もリクエストは少なかったはずですが、
実際に収録されているのは、こちらもストーリー性の高さ、奈保子さんの丁寧な歌唱、
そしてやはり、大村さんにより、街角に一人取り残されたような気分になる
パッポッポパポッポと鳩が呟いたような(?)編曲が印象的できっと最終案に選ばれたのでしょう。
(大村雅朗さんは、「疑問符」の洗面器音、「微風のメロディー」の春〜初夏に滑り込むようなイントロと、
本当に印象的で絶妙な作品が多いですね。こんな才能豊かな人が星になっちゃったなんて悲しいです。)
これは最終案を見た瞬間は意外でしたが、そういった理由を考えて大いに納得しました。

でも、他の方のサイトで「潮風の約束」が大変人気だとファンの方からお聞きして、
「あぁ、2〜3曲だけ選ぶとしたら、どうしても絶唱系奈保子を推したいけど、
こういった静かな佳曲も、みんな本当は好きなんだなぁ」

ととても嬉しかったです。やはり、歌には歌詞の完成度の高さも大切なんだなぁ
とあらためて思いました。


<歌詞の完成度とヒット曲の印象度>
それにしても、奈保子さんに関して、ロングヒッターである割に
一般人の認知が少ないのは、長い活動の中で、
歌詞の比重が小さかったからではないかなぁ、と思います。

例えば、奈保子さんと同期の柏原芳恵さんは、
シングルのトータルセールスは、奈保子さんの7割程度、
アルバムに至っては3〜4割程度なんですが、

「春なのに」は今でも卒業ソングとして上位で紹介されるし、
「ハロー・グッバイ」もフレンドリーな歌詞で有名です。
また、香港で大ヒット、日本でもロングヒットとなった「最愛」も、
かなり幅広い世代で内容が知られています。
(余談ですが、私は「ロンリー・カナリア」の行間まで読めてしまう
歌詞と、それを行き過ぎないよう爽やかに装ったアレンジが大好きです。)

だからなのか、一般の音楽ファンの中には、柏原芳恵さんの方が
奈保子さんよりも売れていたと思う人が結構いらっしゃいます。


奈保子さんに有名曲が少ない要因として、
多くの歌詞を手がけた“売野雅勇さんの力不足”説もあるかもしれません。
しかし、売野雅勇さん自身は、他のアーティストではエターナルな(微笑)名曲を
多数手がけておられるのです。例えば、
中森明菜の「少女A」「十戒(1984)」あたりの歌詞なんて
その後の雑誌の見出し等でもじゃんじゃん使われてたし、

(そうそう、話はそれますが、「(モーゼの)十戒」を“じゅっかい”と
読んでしまうのって、圧倒的に30代が多いんですよ。これも、物凄い影響力ですよね!)

チェッカーズでも「ジュリアに傷心」などいまだにイントロがなるだけで、
何も見ないで歌いだす人もいるほどに歌詞のインパクトは大きいですよね。
だから、氏の作詞力不足というのもちょっと違うかな、と。


また、奈保子さん自身の歌詞の解釈については、
前述の「潮風の約束」や「初めての疑惑」では存分にストーリーテラー
としての実力を発揮しているし、自作曲期以降の表現力も言わずもがな、です。

なのに、エスカレーション以降〜セルフ時代直前までその魅力が目立たなくなるのは、
やはり歌唱力の目覚しい成長から、作詞よりもメロディーのドライブ感など
作曲に力点が置かれた(そして、それを意識して作詞は意味云々よりも、
音の響き、サビのキャッチーさに重点を置かれた、とか?)が考えられますね。
また、『白昼夢海岸』『九半』(←ちょっとマニアぶってみました。(笑))は、
英語リフレインが多く、必然的に歌詞のプライオリティーも低くなりますし。

現に、私自身も、「唇のプライバシー」なんかは当時の高校生ならかなり
刺激的な歌詞だったはずなのに、なんてこの人、張り上げたり、寂しそうに歌ったり
表現力があるのだろう!!ってただただ感心してましたから。

その対極にあるのが、何でもニュートラルに歌える松田聖子さんで、
だからこそ松本隆さんの短篇集のような詞の世界が実にフィットしたのでしょうね。
(もちろん、彼女のブレーンのファッション・センスも相当高くて、ゆえに同性を
惹きつける大きな要因だったのだろうけど。対して、奈保子さんの
'86のEASTのあのCDとかLDをドレスに貼り付けるというセンス、
女性たちにLIVEを見せてまず引いてしまうのがこの部分なんですが、
私も未だに分からない・・・。)


また、『Calling You』『ブックエンド』が作曲や歌唱のキャパシティが大きく広がりながらも、
J-POP的評価がイマイチ高くないのも、演奏が重視されたミックスもさることながら、
歌詞の再構築に余地があったのではと思います。

当時、記憶力抜群(私の中で、ですよ)だったのに、この時期の奈保子さんの歌は、
1番と2番を間違えてしまうものが異常に多いのです。
どんなメッセージなのかは理解できるのですが、1番→2番での
詞の流れがないのです。だから、麻生圭子さん作詞の「眠る、眠る、眠る」は
同時期ながら、ちゃんと歌えるんですよね。(でも、この歌がセルフ作曲でないことに、
当時相当なショックを受けCDを買うのに1年ためらってた、というまた別問題が発生しましたが。
あー、なんて純粋なバカ!!(笑)) また、その3年後の、『engagement』収録の
「「愛してる」」も、話の流れがあって大好きな歌です。こんなストーリー展開の
ある歌を奈保子さんが書けたなんて!!と感慨にふけった想い出があります。

でも考えてみたら、その2枚のアルバムの作詞の大半を担当した さがらよしあきさんは、
ミュージカルも多数手がけておられ、ミュージカル風の詞が多かったからこそ、
1番と2番でまったく同じ内容なのかも!!(例えていうなら、5分間の間に
目玉焼きを焼きながら歌って踊って、みたいな振りにはよく合ってるのかもしれません。)

今、あれこれと考えながら書いていて、ようやく自分なりに納得しました。


そういう訳で、今後、奈保子さんがマイペースで活動を再開されるとすれば、
歌詞重視の楽曲が聴きたいですね〜。スケール感の大きい、幅広い世代が
口ずさめるようなフレーズのあるものを願いたいです。(←勝手なお願い)



ということで、今回の「奈保子ンピレーション」は、歌詞の素敵な奈保子さんの楽曲を
集めてみました。上を読むと、歌詞へのダメだしが多いように見えるかもしれませんが、
全然そんなことはなくて、一般的なレベルよりも随分心にぐっと来る楽曲が多いですよね。

また、今回自分で選んでみたら、年代順のままでもすんなり聴けるのがポイント!
それぞれの年代を意識した等身大の歌を歌ってこられたんですね〜。

今回は歌詞を中心に書こうとしたら、脱線エピソードが多くて長くなっちゃいました。
興味のある方は、是非ともCD購入のご検討や他の「奈保子はアーティスト」だと音楽的に評価
されているサイトでのお勉強などをオススメいたします!


<奈保子ンピレーション:ストーリーテラー 河合奈保子> 
なんとMARUさんのサイトの「歌詞探訪」で、素敵な歌詞を公開されています。(ご協賛有難うございます!)
是非とも、奈保子さんの歌の素晴らしい世界を歌詞からも堪能して下さい!
曲目
(ジャケット表示曲は、
現在発売中のCDに
収録されています。)
作詞
作曲
編曲
「収録シングル」/
『収録アルバム』
(発表年月日)
うすちゃん的“甘口”コメント
(詳しい歌詞は検索サイトを見てね!)
ハリケーン・キッド
 
三浦徳子
馬飼野康二
馬飼野康二
「大きな森の小さなお家」
B面(1980.6.1)/
『LOVE』(1980.10.10)
デートで、彼氏が他の女の子といる、
ことにやきもちを焼いちゃう
という可愛らしい情景が当時の
奈保子さんに物凄く似合っています。
「水玉模様のヘアーバンド」なんて
当時でもかなりブリブリのスタイルなのに
嘘っぽくなく想像させるのも奈保子さんの
歌唱とキャラクターの魅力ですよね!
ラブレター
 
竜 真知子
馬飼野康二
若草 恵
シングルA面
(1981.12.5)/
『サマー・ヒロイン』
(1982.7.21)
※微妙に別バージョン
この歌は、♪(好きです)言えないけど〜
って、今お前、歌ってるやないか、というツッコミ
とか、♪ためらい、らい、らい〜という
メロディーを考慮した歌詞も話題ですが、
純粋に女の子のふとした感情のディテールが
よく描かれていると思います。
Invitation
 
竹内まりや
竹内まりや
大村雅朗
シングルA面
(1982.12.1)/
『あるばむ』
(1983.1.21)
「けんかをやめて」は賛否両論だったのに
対し、こちらはかなり人気ですよね。
セルフカバー率の大変多いまりやさんが
歌っていないのは、本当に奈保子さんを
強く意識して作ったからかも。
特に、2番のサビが大好きです。
恋ならば少し・・・ 来生えつこ
来生たかお
大村雅朗
『あるばむ』
(1983.1.21)
歌詞自体はそんなに練りこまれておらず、
すごくシンプルなんだけど、奈保子さんの
優しくはにかんだ歌い方がすごく
上手く乗った歌だと思います。
これも心にすっと入ってきますね〜。
Sky Park
石川優子
石川優子
大村雅朗
『スカイ・パーク』
(1983.6.1)
これはもう無条件に(?)良い歌で、
鳥=奈保子さんをイメージして
作ったなぁ〜って容易に想像させる所が
既に素晴らしいです。こう考えると、
私は、奈保子さんの歌唱やキャラへの
反映度で歌詞の良し悪しを選んでいる
ようですね。(笑)
こわれたオルゴール
谷山浩子
谷山浩子
瀬尾一三
『ビューティフル・デイ』
(1983.7.24)
これは、オルゴールと自分の恋の
繊細さをシンクロさせている所が
いいですね。それにしても、谷山さんは
奈保子さんへの提供が「エスカレーション」
以降(いわゆる挑発路線)だというのに、
それよりもっと前の奈保子さんのイメージ
を抱かれているようですね。
でも、一貫している善人さがよく合っています。
UNバランス
 
売野雅勇
筒美京平
大村雅朗
シングルA面
(1983.9.14)/
『ハーフ・シャドウ』
(1983.10.21)
※微妙に別バージョン
奈保子さんに書いた売野雅勇作詞曲の中で、
最も歌詞が好きなのがこれですね。
1行1行にストーリーの運びがあって、
それでいて心のチグハグ感もきちんと
出ているという所が。そういえば、この歌に
出てくる主人公って
「お前、何考えとんやぁ?」ってつっこまれそう
なくらい、思い込みがイッちゃっていますよね。
なんか、パロディのドラマが作れそうです。
潮風の約束

あ〜る盤でも入手可能
来生えつこ
来生たかお
大村雅朗
『サマー・デリカシー』
(1984.6.1)
前述のように、情景描写が見事です。
「微風のメロディー」の次のシングルに
これを出していて、もしヒットしていたら、
叙情歌手への道を歩んでいたのかなぁ。
確かに、その方が本人のキャラとも見事に
シンクロするし、セルフ期にも自然に
繋がるし・・。でも、もしそうだったら
「ジェラス・トレイン」とは巡り会えなかった
でしょうし、「コントロール」路線で
良かったのかな。
コントロール
 
売野雅勇
八神純子
鷺巣詩郎
シングルA面
(1984.6.1)
「UNバランス」に続く精神安定剤第2弾。
(詳しくはBOXのブックレット参照、
この部分のみ私がインタビューしました。)
これは、奈保子さんの切なくも狂おしい
歌唱が映えるような言葉選びが
いいですね。あぁ、こうやって“考えすぎ”
だから、精神安定剤の名前なのかも。
10 ハーフムーン・セレナーデ
 
吉元由美
河合奈保子
瀬尾一三
シングルA面
(1986.11.28)/
『スカーレット』
(1986.10.21)
これも言わずもがなの名曲ですね。
全体を彩る秋の気配も好きですが、
「幸福(しあわせ)を探す
幸福ふたり」という部分が大好き。
そうか、そうやって探している
事自体、幸せなことなんだ〜って
思うようになりました。この歌、
歌詞もアレンジも何より歌唱も
スケール感があるので、再評価
されると嬉しいですね〜!
11 黒髪にアマリリス
吉元由美
河合奈保子
瀬尾一三
『JAPAN』
(1987.6.24)
この歌はねぇ、売野さんもブックレットに
書いているけど、歌詞の設定が異質で
好きですね。両親の恋の為に、
自分がとび色の瞳と黒い髪を持つ
ハーフとして生まれ、そして
今は別に暮らしているという所がいい。
分数にして僅か4分足らずの歌なのに、
まるで歌の主人公に関する履歴書があるかの
ように伏線がバシバシ感じ取れる歌詞が秀逸。
12 悲しい人
 
吉元由美
河合奈保子
高橋千治
&NATURAL
シングルA面
(1988.3.1)/
『Members Only』
(1988.4.1)
これは、竹内まりやの「駅」に
インスパイアされて奈保子流に
より嫌味なく、物悲しく仕上げた感じの
歌ですよね。2番のサビが好きです。
「燃える想いをもう一度だけ」と
次の行の間に、進もうとして引き返して
しまう自分の気持ちと、それを連れ去る
電車の流れが感じ取れて絶妙です。
13 GT天国
吉元由美
河合奈保子
高橋千治
&NATURAL
「Harbour Light Memories」
B面(1988.7.21)/
『Members Only』
(1988.4.1)
数え唄風の歌詞が面白いですね。
ちょっと早口な語尾も聴いていて
楽しいし。「ノスタルジック・ダンステリア」
の姉妹歌ってとこでしょうか。
14 眠る、眠る、眠る
麻生圭子
都志見隆
ミッキー吉野
シングルA面
(1990.9.1)
実はこの歌の数年後、曲がり角を迎え
歌詞がよく身に沁みました。(笑)
私の場合、遅すぎる転職を選んだん
ですが。(でも、好きな道なので、
これで良かったと思います。)
あ、話が反れました。サビが全編
裏声で歌われていますよね。
それが、歌詞の悲壮さを抑えていて
、また「眠りなさい〜」と促している
ようで、曲によく合っていると思います。
15 エンゲージ
吉元由美
岸正之
清水信之
シングルA面
(1993.10.21)/
『engagement』
(1993.11.21)
これか「Dear John」かと悩んだのですが、
今回はあえてこちらを選んでみました。
「治りかけた傷の跡をはがさないで」
という部分が本当に痛切でよく分かります。
久しぶりの吉元さんの歌詞のためか、
ドラマのテーマソングだった為か、
オーソドックスに丁寧な歌い方ですね。
16 「愛してる」
河合奈保子
河合奈保子
西平 彰
『engagement』
(1993.11.21)
奈保子さんが三角関係を書けるなんて!
(失礼)と初めは大変驚きました。
でも、決してエゲツナイ行動に出ている
訳ではないので、聴いていない方ご安心を。
難しい言葉は何一つ使われていないのに、
自然に心に浸透されるその速度が好きです。
17 FOR THE FRIENDS
吉元由美
岸正之
西平 彰
『engagement』
(1993.11.21)
これは、'95のLIVEで聴いたことも
大きいですね。
「あなたが私を望むなら会いに行く」
という気持ちでスタンバっておられる
ファンの方も多いことでしょう。(微笑)
それにしても、作詞の吉元さんは
奈保子さんには「誰もが孤独」がベースに
あるのに対し、平原綾香さんには
「誰もが一人じゃない」とよく使うんですよね。
多分、
「みんな一人一人自分の道を歩かねば
ならないけど、決して一人で生きてるん
じゃないよ」と言いたいのだと思うけど、
これを二人で真逆に表現しているのが、
興味深いなぁ〜といつも思います。
これは、奈保子さんの性格に翳りを
持たせるためだったのか、それとも
時代に合う言葉を選んだのか・・・。

全アルバムBOXならこちら!
←シングル・コレクションBOXはこちら! 

アルバム名曲&レアトラック集はこちら
「潮風の約束」も収録!

私個人は、水玉のハンカチを手に結んで
窓から手を振る、というラストシーンが
大好きな歌ですね〜。
 


2005年3月13日 つのはず誠

関連ページ:再現!河合奈保子さん伝説LIVE『音の流れの中で・・・』解説ページ

関連ページ 河合奈保子CD BOX第2弾『JEWEL BOX 2』推薦ページ

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