2009年10月22日作成

障子久美『GOLDEN☆BEST』紹介ページ 
(ゴールデンベスト・イン・ビクター・イヤーズ)

  
(2009年9月16日発売、VICL-63466、\2,000(税込)
ジャケットからAmazonにリンクしています。お好きなCD店でお求め下さい。


【これらの作品の特長】
☆90年代前半にデビューし、日本的な叙情ポップスからAOR、ブラック・コンテンポラリー
まで幅広くこなせる実力派女性シンガーソングライターのビクター時代('90-'93)ベスト♪


☆佐藤竹善(SING LIKE TALKING)との珠玉デュエット「A Neverfading Love」収録♪

☆もちろん、ビクターのゴルベスならではの最新リマスタリングで音質が飛躍的に向上♪
(中古CDでのみ集めてきた人も、別作品のように楽しめます)

☆杏里、今井美樹、広瀬香美、アンジェラ・アキ、吉田美奈子、SING LIKE TALKING、
平井堅 など洗練されたアーティストが好きな方ならハマれそうな充実のベスト盤♪

【収録曲一覧】
☆ビクター時代の音源からタイアップ曲と特に入手困難な8cmシングル曲を中心にセレクトされています♪
☆ドラマ主題歌としてヒットしたシングル「あの頃のように」以外は、すべて廃盤から復刻されています♪

曲順 曲名 作詞/作曲
=全曲 障子久美

/編曲
収録情報(最高位はオリコン調べ)/タイアップ実績/
○楽曲の特長 ※個人的な見解なのでご注意ください
1 あの頃のように
(single version)
/岩本正樹
single 1991.5.9 & AL『PRIME』 1991.7.3/
TBSドラマ「それでも家を買いました」主題歌

○女性がもう一度愛を誓うというメロウなミディアム調の楽曲、
最高位12位、26万枚以上のヒットで彼女の代表曲に
2 WANDER /武部聡志 single 1990.6.21& 
AL『RHYTHM OF SILENCE』 1990.2.21(最高位77位)
/明治乳業「スイートストロベリー」CMソング

○デビュー・アルバムおよび初シングル収録のポップ・チューン。
シティ・ポップスと呼ばれた時代のキラキラしたシンセ音が懐かしい。
3 戻らないとき /松任谷正隆 AL『RHYTHM OF SILENCE』 1990.2.21
○恩師・ユーミンだんなが直々にアレンジしたバラード。別れた
恋人への未練も相まって、80年代以前のユーミン作品を想起させる。
4 わかっているわ
/佐藤博 AL『MOTION&MOMENT』 1990.11.21 (最高位38位)
○相手に愛想を尽かしつつも別れられないという
女性の微妙な心理を乗せたブラックコンテンポラリーな楽曲。
5 どこかであなたを /松任谷正隆 AL『MOTION&MOMENT』 1990.11.21
○夢を追い続ける友へのミディアム調のエールソング。
軽やかなビートと伸びやかなボーカルのバランスが絶妙。
6 TREASURE CHILD /DND Project AL『PRIME』 1991.7.3 (最高位15位) 
○昔の恋人を偶然見かけ、その手が握っているのは
細い髪、赤いリボン、小さな手の“TREASURE”・・・。
大人の女性の真情に迫るバラード。
7 雨の街から /REX SALAS AL『because it's love』 1992.6.21 (最高位57位)
○雷のSEから始まるがムーディーなサックス以降は、もろAOR風。
「遠い街」で大切な人に気付く女性の叫びに似た熱唱バラード。
8 my only angel /BRAIN SIMPSON AL『because it's love』 1992.6.21/
TBS「世界の結婚式」テーマソング

○結婚を決意する女性を綴った王道バラード(これも洋物風)
9 heartache /REX SALAS AL『because it's love』 1992.6.21 
○突然振られてしまった女性の痛みを叫び上げるように歌う
ダンサブルなナンバー。90年前後のANRI風のサウンド。
10 最後の願い /EVERETTE HARP AL『because it's love』 1992.6.21
○元恋人への最後の願い、それは、別れを後悔しているという
最大の嘘・・(なんだか演歌っぽい詞ですが、曲調は洋物です)
11 MISTY RAINY DAY
(single version)
/浅田裕介 single 1993.4.21
(AL『SCOPE OF SOUL』は別バージョン収録)

○雨降る日に別れを迎え、心まで湿る女性の悲しみを乗せた
ミディアム・バラード
(別れの話は陽のあたるテラスで紅茶を飲みながら、が一番(笑))
12 LABYRINTH /浅田裕介 single c/w 1993.4.21
プリンス系スキーリゾート・タイアップ曲

○優柔不断な彼の側に、微笑する女性、私は恋のラビリンス・・
15曲中最もアップビートの異色ナンバー。
13 Time!
(single version)
/障子久美 single 1993.7.21
(AL『SCOPE OF SOUL』は別バージョン収録)

○恋に破れた友人に動き始める「TIME」を持ちかける
エールソング。吉田美奈子風の多重コーラスが豪華で美しい。
14 A Neverfading Love
(duet:佐藤竹善)
  
/塩谷哲 AL『SCOPE OF SOUL』 1993.9.22 (最高位68位)/
○文字通り永遠の愛を誓う感動的なバラード。有線でも長年
リクエストされたり、結婚式で演奏されてきた知る人ぞ知る名曲。
15 桜の咲く頃に /REX SALAS AL『SCOPE OF SOUL』 1993.9.22
○大切な人との再会を誓ったシンプルなアレンジゆえに
歌詞が心に迫るバラード。この作品で契約終了したことを考えると
これはファンへのメッセージソングだったのでは、とも受け取れる。

【本作品について】
 ここでは、障子久美がビクター時代に発表した楽曲で構成されたベスト盤をご紹介いたします。
障子さんは、松任谷正隆が校長をつとめる「マイカ・ミュージック・ラボラトリー」出身者として90年にデビュー、
翌91年にドラマ主題歌「あの頃のように」が25万枚のロングヒット、その後ビクター在籍の93年までに合計5枚のアルバムを発表、
さらに95年からはコロムビアやインディーズなどで3枚のアルバムを発表されています。

 確か障子久美と宇都美慶子がほぼ同時期に松任谷正隆プロデュースでデビューしていて、私自身も、
この二人を混同していたほど大きな記憶はなく、障子久美のヒット曲「あの頃のように」ですら、当時はTVを持っていなかった為
知らなかったほどです。しかし、その後、佐藤竹善とのデュエット曲(14曲目)が、有線で頻繁にかかっていたのが印象的で、
問い合わせてアルバム収録曲というのを知り、当時は近くの中古店もダウンロードもなかったし、どうしても手元に欲しくて
新品で買いました。(ちなみに、宇都美さんの方は、中森明菜「今夜、流れ星」の作曲から、明確に意識するようになった。)
ということで、いわゆるリアルタイムでは、彼女のことを語れるほど私はよく分かっておりません。


 しかし、その後アルバムを何枚か集めてみたら、凄まじく歌唱力や作曲能力の優れた人だと分かり、驚きました。
どこまでも伸びていく感じは大橋純子や岩崎宏美、八神純子を彷彿とさせるし、90年代のトレンディな声は杏里や今井美樹
っぽくもあるし、ジェットコースター的でスリリングなコード進行は広瀬香美みたいだし、AORへの傾倒はSING LIKE TALKING
の女性版みたいで心地よいし、この人を「あの頃のように」の一発屋と見てしまうのは実に勿体ないな〜と思いました。
きっと松尾潔さんあたりがプロデュースしていたら、今でもヒットしそうだし、吉田美奈子さんあたりだったら、ますます
売れないかもしれないけど、歴史に残る名盤が出来ていただろうし、とにかく逸材であることには変わりありません。
それにしても、5作のアルバム内のヘアスタイルもドレッドだったり、OL風のショートヘアだったり、
ボューミーなカーリーだったりと、実に変化が激しく、これも音楽の多様性が滲み出ていますね。

 話はちょっとそれますが、日本の音楽事情に拠るところなのか、世界的な通則なのか、はたまたエンタメに限らず社会の常識
なのか、私には分かりませんが、少なくとも邦楽界って、いろいろ出来るよりも、偉大なるワンパターンがある方がセールスが
安定するんだな・・って、私は10代の頃からずっと疑問だったんです。素人時代の考えだから極端な対比かもしれないけれど、
中島みゆきより松任谷由実とか、本田美奈子より中山美穂とか、中村美律子より天童よしみとか、吉田美奈子より大貫妙子とか 
90年代でも様々な提供曲を歌った広末涼子よりTK一本調子だった鈴木あみとか ・・・同じ才人だとしても、後者の方が
セールス的に遥かに上で、その一方で色々歌えた前者は「天才」どころか「器用貧乏」なんて酷い言葉すら与えられてしまう。
なんだか、それってとっても理不尽な気がして、これを反面教師に、私は前者のアーティストたちの音楽を貪欲に聞いてきた
気がします。(といいつつ、松任谷由実と中山美穂は中古をキッカケに全作揃えていて、好きなアルバムも多いのです(笑))

 そんな僻目の私には、この障子さんの音楽の多様性がめちゃハマりで、発売から数年経っていようが、新譜と同じように
何度も聞いていました。それで、今回9月にGOLDEN☆BESTがまとめて出るという機会に、「あの頃のように」以外、
ビクター時代の楽曲はすべて廃盤という障子久美さんを、まずは手軽に入手できるベストを出しておくべきでは、とメーカーに
ご提案して、それを受け入れていただき、ついでに選曲の仕事をいただきました。
シングルヒット1枚、アルバムは5枚でセールス合計20万枚弱という状況ゆえ、どう屁理屈を並べても、
「今、なぜ障子久美か??」が答えられないし、ましてやLP時代の人(これなら初CD化の大義名分がある)でもないし、
よくぞ出して下さったと思います。ビクターさんに感謝しております。でも、さすがに全曲紹介ページなど作る余力も
ないだろうし、ここで私がごちゃごちゃと書いてみた次第です。

 で、今回発売されてから聞き直してみたら、意外と歌詞が湿っぽいものが多くて驚きました
突然別れを切り出され動けないとか、別れた恋人への未練が断ち切れないとか、別れたのを後悔していると嘘をついてとか、
もしも彼と結婚してたら“あの女の子”の母親は私だったのかなとか ・・なんというか女性の本音をえぐり出すような歌
多いのです。しかしながら、音楽学校であれこれ学んだせいか、卓越した歌唱や作曲センスで、ぐいぐい歌ってしまうことで、
ドロドロ感を中和しようという作戦だったのかもしれないけれど、私は歌唱や作曲で引っ張られてサラリ聞き流していたような。
聞き込んでいたはずなのに、結婚バラード「A Neverfading Love」と再会を誓う「桜の咲く頃に」以外、歌詞をさほど
意識してなかったのです(汗)。でも、考え方を変えれば、聞き流してメロディーや歌声中心に聞いても、
歌詞カードを読みながらじっくり味わうこともできる音楽とも言えますね
(微笑)。

 ちなみに、今回の選曲クレジットには私が名を連ねていますが、その基準とは
「あの頃のように」と、中古店でももはや入手困難な8cmシングル曲、そして有線で人気だった「A Neverfading Love」以外は、
すべてファンの方のコミュニティ内のご意見を「正」の字方式で数えて考えました。ですので、名作と言われる
4thと5thアルバムの楽曲が多めとなりつつも、全アルバムからセレクトされています。また、お店やネットの曲目一覧で
分かりやすいように、曲順は1曲目に代表曲を置いてはいますが、2曲目以降は、すべて発表順となっています。

 多分、このCDは大きく注目されることはないと思いますが(汗)、それでも今聞いても十分耐えうる良質なポップス
詰まっていますので、一度聞いていただけると嬉しいです。まずは中古で1枚買ってみて(個人的には5thの『SCOPE OF SOUL』
がオススメ。一番売れたのは『PRIME』ですが。)、その後こちらのベスト盤をお試しいただくのも良いかと思います。

日本には、こんなに頑張っていた女性アーティストが活動していたんだと驚くこと必至です。しかも本作
FLAIRスタジオでのリマスタリングはやっぱり最高峰で、特にキラキラ感が大きく増しています

 以上、どうぞご参考下さいませ♪

2009年10月21日 臼井 孝(本CDの選曲・帯コピーの考案)


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