第01回 (1996年03月)
なんだかとても寂しげで、悲しい。
もう雪は降らないかもしれない。
けれど、固められた雪は、すぐに溶けることもできずに、
ただ、春の訪れを待っている。
そんな雪だるまを眺めながら、ぼーっとしている時間は、
無駄なようで、心が落ち着いたりもする。
昔読んだ本をもう一度読み直したり、
クリアしたゲームに再びトライしたり、
大好きな映画をまた観たり、
誰にでもあるそんな時間を大切にしたい。
そんなこの頃なのである。
大好きな映画は、本当にたくさん。
観てみたい映画も、たくさん!
そんな中で、家族について考えさせられる、すてきな映画を。
「ギルバート・グレイプ」(1993)
監督/ラッセ・ハルストレム キャスト/ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、レオナルド・ディカプリオ |
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「家族の絆」といっても、それは同じ形であるはずがありません。「強い絆」といっても他者から見れば異質に思うこともあるでしょう。それでも家族のすばらしさを経験することによって、たくさんの人々と信頼関係を結ぶ基盤となっていくものだと思います。 自分たちの周りの問題には敏感になりがちですが、その領域から一歩外れると、無関心になりがちな私たちです。家族の在り方、そして社会の中他者とどのように共存していくか、しみじみ考えさせられます。 "Where's ARNIE?"兄ギルバートが弟アーニーに呼びかけるシーンが胸を打ちます。母を想う家族の心が深く心に残ります。ハンディを持ったアーニーと、彼の家族の優しさに、私たちが見失いそうな心を呼び起こさせてくれます。 ☆☆☆☆ |
「かぼちゃ大王」(1993)
監督/フランチェスカ・アルキブジ
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「ハロウィンの夜に、かぼちゃ大王が現れて願いを叶えてくれる」。スヌーピーの漫画の中のその話から精神科医アルトゥーロと13歳の少女ピッピの絆は深まっていきます。 疲れた精神科医と患者、そして疲れきった社会。家族も疲れ果てていて、そんな中で、自分が信じられるものを探してゆこうとする人々。自分の境界線を必死で守ろうとする子どもの姿は、私たちが 自分たちが作り上げていく社会は、どんどん自分たちの領域を狭めてしまう。どんどん窮屈にしてしまっている。生きることへの、明るさと自由は、社会の効率化のために置き去りにされてしまっている。そんな社会が現実に存在します。 ☆☆☆ |