第39回  (2002年07月)

そうさ、僕たちは、それでも生きていくんだ。
一昨日、そういえば、僕はそんなことを口走っていたかもしれない。
それは、もう一昨日のことでしかなく、けれど今日は、今日でしかないんだ。
だから、それでも、僕たちは、生きていくのさ。
そう、これが僕の今の答えなんだ。

秘密の話をしようか。
これは誰にも言えないコトなんだけど、って。
だから誰にも言えないんだ、ごめんね。
これが今の僕の答えなんだ。
でも、明日には秘密でなくなっているかもしれないからね。
それは、誰にも分からない、僕の明日の答えなんだ。

なんだか青臭いっていう、そうなんだ。
それが今の僕の答えなのかもしれないんだ。
だから、僕は進化してるってコトにもなるだろっ?
僕はOKさ、だから、キミもOKなんだ。

自分をさがして、さまよう、そんな素敵な映画を。

 

スモーク(1995)

監督/ウェイ・ワン

キャスト/ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート、ストッカード・チャニング

作家ポール・オイスターが、ウェイ・ワン監督のために書き下ろしたという脚本は、見事な構成と、描かれる人物へのたしかな愛情により、人生がとても味わい深いものだと形容したくなるような描写になっています。生きることをより楽しみたい、生きることは様変わりしていくものでも、自分の生き方を大切にしたいと感じずにはいられません。

ニューヨークの下町のタバコ屋を舞台に、オーギーとポールは語ります。「秘密を分かちあえない友達なんて友だちと言えるか?」「その通りだ、生きていることの価値だ」と。

自分を生きていくことは、かぎりない他者への尊重と、生きることに対する価値を大切にすることなのだと伝わります。

☆☆☆☆ 

 

ダウン・バイ・ロー(1986)

監督/ジム・ジャームッシュ

キャスト/ジョン・ルーリー、トム・ウェイツ、、ロベルト・ベニーニ

虚しさの漂う世界は、いつの間にか人間を無気力に追いやってしまうのかもしれません。しかし、自分たちの生きる道を見つけたいと思う気持ちは、いつしか、大きなエネルギーを生むものなのだと思います。心にぽっかりと開いてしまった穴を生めることができるのは、それは、どんなに話をぼかしてもても、やはり自分で探し出したものでしかないのです。

刑務所から脱走した3人の放浪を、モノクロの映像が追います。ひょうひょうとした人物たちが、いつの間にか、愛着を帯、人間像を浮かび上がらせます。

彼らのゆくところは、どこなのでしょうか。明日への自分を探し求める岐路をさがす旅立ちが待ち受けているのです。

☆☆☆ 

 

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