第45回 (2003年07月)

閉塞感ってもんじゃないけれど、
なんだかね、パッと気分を替えてみたいね。
梅雨ドキは、今ひとつ、ジメジメして、
景気は明かりが見えてこないって言うし、
気持ちがワクワクすることも少ないし、
タマにはね、ババンと!(^-^)

「ババン」となんて簡単に起こるワケない。
いつもハッピーなんてどうだろう?
健康優良児ばかり追い求める社会も怖い。

そんなときは、足下から自分を見てみる。
もう一度、自分を見つめてみる。
ほら、けっこういい顔してんじゃん。
ほら、なかなか味のある顔になってきたじゃん。

そうそう、ちょっと深呼吸して
山にマイナスイオンを浴びに行って、
その積み重ねがこれからの心にババンとね!(^-^)

探し歩いているモノは何ですか?
自分の心に花をゆっくり咲かせたいですね。

 

エル・スール −南−(1983)

監督/ビクトル・エリセ

キャスト/オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボリャン

いつも追い求めていたモノは、自分では分かっていたつもりでも、自ら直視しようとすることが怖いときもあります。だれかに見ていてもらいたい自分、けれど見てもらいたくない自分もいます。自分を認知してゆくことが一つの成長の証とも言えるでしょう。

霊的的な力によって水脈を探しあてることのできた父の姿。しかし、故郷を捨て、いつも父の心の中にエルースールの地への思いを寄せていた父の姿。二つの父の姿を通して、娘であるエストレジャは成長します。彼女の目を通して、スペイン内戦や父の苦悩が浮かび上がります。

現実と回想を織り交ぜながら、優しく映像を映し出し、しみじみと感じさせます。気持ちが優しくなれるとき、それも一つの成長の証なのでしょう。

☆☆☆

 

オー・ブラザー!(2000)

監督/ジョエル・コーエン

キャスト/ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン

「宝物がダムに埋まってしまう!」、エヴェレットの誘いに乗って脱獄した3人の囚人たちは、ミシシッピーの田舎を駆け回ります。

1930年代の風景の中、ゴキゲンな音楽と共に彼らの珍道中が繰り広げられます。出会う人々たちは、彼らを幸せにしたり、不幸にしたり、しかし彼らの旅は止まらないのです。映画を楽しんでいるような登場人物たちと音楽によって、ワクワクハラハラさせられます。

いつの間にか人気者になってゆくズブ濡れボーイズたち。彼らの探しているモノ、求めているモノは一体、何だったのでしょうか?
コーエン兄弟が映画を愛しているからこそ撮れる映画、映画と音楽を楽しんでいるからこそ伝わる映画です。

☆☆☆☆

 

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