第48回 (2004年01月)

生命が叫び声をあげ、
魂がうねり声を響かせる。
地球は戦場、
だれもが認知する戦場。

隣の部屋から笑い声がする。
その声は、味方?、敵?
何もかもが信じられなくなり、
何もかもが虚構に思えてくる。
ここは現実、
ごまかされない現実。

悪と善を区別しようとした歴史。
全てに混在する善悪を振り分けようとして、
いつしか正義の名の下に繰り返される殺戮。
省みたはずの戦争という歴史。
しかし現在も何も変わっていない。
平和のフリをする狂気の指導者。
顔を並べ替えても、
人を憎み蔑む思想は濁流の中に存在する。


闘いが終わらない人類を描く映画を。

遠い夜明け(1987)

監督/リチャード・アッテンポロー

キャスト/ケビン・クライン、デンゼル・ワシントン、ペネロープ、ウィルトン

黒人運動家のスティーブン・ピコの批判記事を書いたことからピコと出会うことになったウッズ。ウッズは、ピコの人間的魅力に引き寄せられます。そしてウッズはアパルトヘイトの現実を世界に知らせるため、南アフリカの地を脱出する決意をします。

ドナルド・ウッズの原作を元に、アパルトヘイトを描いた映画として話題になりました。世界中で、平和とは何か?、ジャーナリズムとは何かとさまざまな論争を巻き起こしました。その後、黒人の大統領が生まれた南アフリカ共和国。この映画も、世界に訴える力を持ち得ました。

しかしまだ、差別はあります。憎しみや妬み、人間の気持ちは一朝一夕には変わりません。南アフリカ共和国の名とアパルトヘイトの文字が連鎖される哀しみは、簡単に消すことができるものでなないのです。

☆☆☆

 

サルバドル 遙かなる日々(1986)

監督/オリバー・ストーン

キャスト/ジェームズ・ウッズ、ジェームズ・ベルーシ、ジョン・サベージ

現実を伝えることを使命とするジャーナリスト。彼らは戦地に赴き、現実を直視し、一人の人間として感じたことを映像と文章で表現します。命を張って伝達する彼らを動かすモノ、終わらない戦争は、彼らに許容しがたい現実を突きつけるのです。殺し合う世界、憎しみあう世界の中、ジャーナリズムの果たす役割は、どんどん大きなモノになっています。

ジャーナリストのボブは内戦中のエルサルバドルに入国します。現実を目の当たりにしたボブは、戦地の悲惨さを痛感します。
同じ国の中で殺し合い、他国の人間も巻き込んで続く戦争。どんどん開発される兵器。人類は自らを破滅の方向へと導いているに他ならないのです。

☆☆☆

 

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