第４９回 （２００４年０３月）
全てがフィクションのように思えてくる世界。
僕は何を信じて生きる？
僕は誰を信じて生きる？
ウソ、偽り、虚言、お世辞、
その中に何がある？
何が隠されてる？
何も信じられなくなった世界に、
誰も理解できなくなった世界に、
今の自分の存在すら危うく思えてくる。
虚構渦巻く世界。
あなたは何を信じて生きる？
あなたは誰を信じて生きる？
ただ、寄り添うだけで、
けれど、ただ、寄り添えられるだけで、
もし、あなたの心が温まるのなら、
もし、壊れたかけらが拾い集められるのなら、
一緒に時を過ごそう。
ただそれだけしかできない僕だけれど。
生きた証を感じさせる映画を。
| 戦場のピアニスト（２００２）
監督／ロマン・ポランスキー キャスト／エイドリアン・ブロディ、エミリア・フォックス、ミハウ・ジェブロフスキ |
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ピアニスト・シュヒルマンの数奇な運命。そしてその史実を伝えようとしたシュヒルマン自身の回想録と、ロマンポランスキー渾身の情熱によって、この映画は作られました。 戦火を生き抜いたピアニストの真実の物語。ポランスキー自身、ポーランドに生まれ、ワルシャワ空爆を体験しています。その痛ましい想いを、しかし自らの体験的感情よりも、史実として客観的に描ききっています。淡々と描かれる無惨な戦争での出来事。しかしその中に忘れてはならない事実が存在します。 善人なポーランド人やユダヤ人がいるように、悪人のポーランド人もユダヤ人も存在します。もちろんドイツ人にも。世界に存在する揺れ動く善悪に、人間は身を寄せているのです。 ☆☆☆ |
| ビューティフル・マインド（２００２）
監督／ロン・ハワード キャスト／ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス |
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生きていく上で、数々の困難は、私たちに舞い降ります。自分の生きた証として、自分の苦しみを受け容れることができたとき、私たちは、本当の自分の命と向き合うのかもしれません。 天才数学者ジョン・ナッシュ、彼はその明晰な頭脳を買われ、アメリカ国家の諜報活動にも参加します。統合失調症の症状が見え始めた彼に待ち受けた多くの苦悩。現実の多くの壁が彼に押し寄せます。妻アリシアの愛に支えられえ、自らの困難にナッシュは立ち向かいます。 私たちは、数多くの病の名前を知っています。しかし、その病の苦しみや症状をどれだけを理解できるでしょうか？私たちには知らないことが多すぎます。けれど私たちは、同じ社会の一人として、その苦しみを負う人たちと一緒に生きてゆくことはできるはずなのです。 ☆☆☆☆ |
