2007年11月29日号

勝手にタケちゃん通信 勝手にたけちゃん通信

「別れは ある朝 突然に」編

我が家のゴールデンレトリバー、ラッシュ(11歳♂)と
パティ(10歳♀)は本当に仲がいい。
ご飯を一皿であげても、お互いにのんびり分け合って
食べてたりする。
パティがラッシュの顔を舐めてたりもする。ラッシュが
寝ている身体に、パティは枕代わりに頭をのっけて
たりもする。発情期には他の犬を近づけないパティだが、
ラッシュがしつこくても、パティは仕方なさそうにしてたり
する。いつも仲良く二匹が寄り添っている。


パティが月曜から犬用のご飯を食べない。
元気はあるのだけれど、ご飯を食べない。
ハムをあげようとすると、寄ってきて食べたりもする。
火曜もご飯を食べなかった。
パンをあげると喜んで食べていた。

水曜の明け方、眠っていると急にパティの荒い呼吸が
聞こえて目が覚めた。
「パティ、パティ」と声をかけた。
しばらくして、パティは永遠の眠りに就いていた。
アッという間の別れだった。

10歳を越えたゴールデン、長生きしているから覚悟は
していた。けれどあまりにも唐突だった。
呼んでも身動きしないパティに起こっている出来事を
なかなか理解できなかった。まだ温かさの残る、死んで
しまったパティを病院に運んだ。

「おそらく悪性リンパ腫だったのではないでしょうか。
なかなか見つけにくい病気で、高齢のゴールデンに多くて、
突然に死んでしまうことが多いんですよ。うちの犬も
同じように5月に急に逝ってしまいました」 ドクターから
言われた。


ラッシュと暮らし始めて8ヶ月後に彼女は我が家にやって
きた。敬愛する音楽詩人Patti Smithからパティと名づけた。
生後40日で我が家に来たときは、ドライフード嫌いの
贅沢な犬だった。好き嫌いをなくそうといろいろ食べさせて
いると、いつのまにか、何でも食べる食欲命の犬へと成長
していた。(笑)

ボール遊びの大好きな犬だった。海に連れて行くといつ
までも泳いでボールを追いかけていた。散歩中もリードを
必要としない賢い犬だった。映画に出れたのもノーリードで
下北を歩けるおかげだった。
人なつっこく、だれにでも好かれる楽しい犬だった。

あまりにも、別れは、ある朝、突然だった。


ゴールデンレトリバーとしては高齢の11歳と10歳。
精一杯「ラッシュとパティのいる生活」を楽しもうと思った。
今年の夏から秋にかけて、ヤケクソとも思えるぐらい
一緒に旅行した。千葉、伊豆、長野、八王子、軽井沢と
犬旅行を続けて元気いっぱいに遊んでいた。
10年の歳月全てに、アクティブな想い出が詰まっている。
僕たちの心をも楽しくさせてくれた素晴らしい時間だった。


木曜日の昼、パティを火葬するために車で出かける。
それがパティと最期のドライブになった。

帰宅後、急に我が家の空間が、今までと違う収まりの悪い
空間に感じてしまう。パティの動きが見えない。呼んでも
返事がない。今まで分かっていないようだったラッシュが、
寂しそうにしている。

ラッシュ、美保さん、これからオレたちどうしていくといいん
だろうね。パティのいない空間と、心のすき間をどう埋めて
いけばいいんだろうね。

寂しくて寂しくて仕方ないけれど、パティがいてくれたことで
僕たちは幸せだった。パティが僕たちにくれた愛と時間に
感謝して、パティの余韻が残るこの家で暮らしていこう。
新しい時間を紡ぎ出して、天に召されたパティに向けて
微笑んでいこう。

パティ、本当にありがとう。
サイコーな時間だったよ!

 


我が家にやってきたパティ

ラッシュとのご対面

年賀状の主役にも!

大好きな海



追伸:
水曜夜には、たくさんの方が最期にパティに会いに来て
くださって感謝しています。
メールで励ましてくれたみなさんにも、本当に感謝です。
ご連絡ができなかったみなさん、申しわけありません。
今までパティをかわいがってくださったこと、本当に
感謝しています。

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