2009年05月23日号

勝手にタケちゃん通信 勝手にたけちゃん通信

「ラッシュ13歳を迎える」編

パティ(ゴールデンレトリバー♀享年10歳7ヶ月)が
この世を去ってから1年半が過ぎていた。
ラッシュは、もう吠えることがなくなった。
他の犬とケンカすることもなく、ごきげんにシッポを
振っている。犬恋しいのだろうか、初めて出逢った頃に
戻ったようなラッシュ。
今まで他の犬が近づくと怒っていたのは、パティを守って
いたんだなあとしみじみ思う。


ラッシュが、今日で13歳を迎えた。
ゴールデンレトリバーの寿命は7〜10歳と言われる。
13歳はとても高齢で人間でいうと90歳を越えるらしい。
パティの死後、2ヶ月元気がなかったが、その後は復活。
食欲旺盛で、さらにフレンドリーな犬になっていった。

口の中に腫瘍ができ、今年の2月から切除治療を繰り返した。
口にできる腫瘍は80%以上が悪性の肉腫と言われているが、
検査の結果は良性と出たり、ハッキリと分からないが悪性の
可能性が高いなどと言われたり、結論が出ないまま、治療が
続いていた。

麻酔を極力抑えた切除を週に1回、木曜昼に浦和まで通った。
手術は血が飛び散り、痛さを伴うけれど我慢強いラッシュは、
ドクターにも感心されていた。
片道1時間、楽ではないけれど、ラッシュとドライブできる
時間が自分に与えられたんだなあと思うことにした。
ラッシュとの時間、そう考えると、治療に行く往復のドライブが
楽しくなった。

腫瘍は取っても取ってもすぐに増殖してくる。
4回目の手術から右側の口の皮膚細胞が壊死し、歯が見える
ようになってしまった。さらに、8回目から出血がなかなか
止まらない状態になり、練馬の病院に転院した。
アイリッシュセッターから供血してもらい、全身麻酔による
1回限定のレーザー手術に踏み切った。


最初の頃とは明らかに違う肉腫に変化していた。
腫瘍を切り取って検査すると、悪性黒色腫とハッキリと判断
された。メラノーマと呼ばれる癌で、犬の口にできることも
多いらしい。
術後の今は安定しているけれど、ドクターからは覚悟をして
おくようにと言われている。
覚悟はできているけれど、自分の心の波は、大きくUP〜
DOWNする。笑っていようと思っていても、突如涙がこぼ
れるときもある。ラッシュを思う人たちが集まってくれて開
いた誕生パーティでも、もう来年はないと思うと悲しくなって
しまう。

腫瘍自体に痛みは感じないようで、食欲もある。散歩も大好き。
階段で転んで落ち込んでも(笑)、ベランダで気持ちよさそうに
ゴロゴロしているラッシュだが、確実に最期の時は近づいている。

思えば数々の犬や猫と暮らしてきたもんだ。
だからといってメチャクチャ犬好き猫好きかと言われると、
それはちょっと違う気もする。
犬派とか猫派とかもなく、愛情深いのか、単に寂しがり屋なのか、
いつも犬や猫と一緒に普通に暮らしてきた。
犬も猫もそれぞれ5匹ずつぐらいは飼ってきた。

このラッシュとの出会いは、今までとは違っていた。
だれかから譲り受けるというのでもなく、拾ってきたわけでも
なく、自分の意志でゴールデンレトリバーの子犬を探して、自分
の責任で全て決定して、我が家に連れてきた。
家族任せの今までと違って、ラッシュの伴侶にとパティも探し、
一緒に暮らしてきた。
家を建てる際にもラッシュパティ用の階段を別に作ったり、思い
入れが大きいだけに、つらさも大きくなる。

もう犬は飼わないと決めている。
パティの最期があまりにもつらかったので、もうこのつらさは
ラッシュまでで終わりにしたいとも思う。

パティは僕に覚悟と勇気を残して去っていったんだなあと
つくづく思う。さよならの、あのつらい日々がもう一度起こる
なんて、とてもつらすぎる。
ラッシュとの別れのときへの覚悟と、だからこそ立ち向かって
楽しく一緒に暮らしていく勇気を残してくれたんだと思う。


ラッシュが最期まで、のんびりしたドッグライフを過ごせるように
時間を大切にしていたいと思う。
今もその時間はゆっくりとゆっくりと流れている。

 ラッシュ誕生日イブにラッシュと二人でお祝い


ラッシュの誕生日に、贈り物をくださったみなさん、会いに来て
くださったみなさん、どうもありがとうございます。

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